迫真空手部・百合の裏技   作:日本車大好き

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第四話

出撃してまもなく、下北沢の商店街のあたりに到着した。すると、野獣が道着の胸元に入れていたやわらかスマホが振動した。「おい野獣、どうしたんだゾ?」AKYSが野獣に声をかけ、残りの二人も立ち止まった。野獣は「俺のやわらかスマホに、ヒュージサーチャー機能付いてるんですよ、それによるとこの辺にヒュージがいるらしいんすよ、じゃけん今から倒しに行きましょうね。」と言った。「おっ、そうだな。」と、他の三人も同意するとすぐにヒュージサーチャーの反応が大きくなった。見ると、すぐ近くまでスモール級ヒュージが三体、迫ってきていた。野獣達がそれに気づくや否や、「グォォォォ……!」という咆吼とともにヒュージの方から先に攻撃を仕掛けてきた。MURが「三体なら、なんとかなるダルルォ」と言って構えた。KMRが周囲を見渡して、「待ってください。後ろに人がいます」と言った。見ると、商店のシャッターの隙間から、店員らしき男性がこちらを見ており、その隣には、怯えた子供もいた。AKYSが叫んだ。

「まず俺たちが引きつける!」四人が一斉に前へ出ると、スモール級ヒュージが突進した。野獣がヒュージの攻撃を真正面から受け流し、ヒュージに正拳突きを食らわせた。「オラッ!」拳がヒュージの装甲を打ち抜いた。「ドンッ!」という音を立ててヒュージが後退した。その隙にMURが横から飛び込んで「そこだ!」とばかりに強烈な蹴りがヒュージの脚部を捉えた。蹴りを食らったスモール級ヒュージがバランスを崩し、もう一体のスモール級ヒュージとぶつかってそのまま二体とも動かなくなった。KMRが踏み込んで「今です、師匠!」

AKYSが最後の一体のスモール級ヒュージへ向かった。勝負は一瞬で付いた。「押忍ッ!」という一撃とともにヒュージが地面に倒れ込んだ。四人は息を整え、MURが倒れたヒュージを見て「……やっぱり効くな」と言った。野獣先輩が拳を振りながら「これ、結構いけるんじゃないっすか?いけますねえ。」と言った。それを見たAKYSは、「油断するなよ」と言って笑った。

 そして四人は、商店の前へ向かった。「大丈夫か?」AKYSが声を掛けると、店員が恐る恐るシャッターを開けた。「……助かった。ありがとうございます」子供も「お兄ちゃんたち、強い……」と小さな声で言った。

野獣先輩が少し照れながら「まあ……トレーニングはやってますから」と言った。MURが子どもに向けて手を振りながら「あく避難464464。ここはもう危ないゾ」と言った。店員と子どもは「本当にありがとう」と何度も頭を下げた。四人は次の場所へ向かった。

 しばらく歩くと、今度は細い路地から「誰かー!」という声が聞こえてきた。四人が駆けつけるとそこには、瓦礫に足を挟まれて動けなくなった女性がいた。そして、その奥にはミドル級ヒュージが二体、その女性に襲いかかろうとしていた。

 KMRが周囲を見て、「先輩達、こ↑こ↓は先にヒュージを倒しましょう」と言った。

野獣が「任せろ」と頷き、飢えた獣の如くヒュージに襲いかかった。ヒュージは、野獣に気づくと一体が突進してきた。野獣が横へかわしつつ、回し蹴りをたたき込んだ。MURも背後からヒュージに「オラッ!」と蹴りを入れた。ヒュージがよろめいた。そこに、KMRが続けて組み手で攻撃すると、それがとどめになったのかヒュージはKMRの攻撃を食らった場所から体液を噴出させて倒れた。

 野獣達三人が一体のヒュージに遅いかかった直後、「こっちは任せろ!」ともう一体をAKYSが引き受けた。AKYSは相手の動きを見切り、攻撃をかわした。そして一瞬の隙を突いて反撃すると、たったの一撃でヒュージが倒れた。

 その直後、野獣先輩たちも一体目を撃破した。「終わった!」と、四人はすぐに女性の救助へ向かった。MURとKMRが「せーの!」と瓦礫を持ち上げると、女性の足が抜けた。

野獣が肩を貸して「立てますか?立てませんか?」と女性に聞いた。「……はい、立てます立てます。」と女性が答えた。

 KMRが避難経路を確認した。「この先に避難所があります。そこまで行けますか?」女性は「ありがとナス……ありがとうございます……」と頷いた。

「気をつけてください」とKMRが言うと、女性は何度も振り返りながら避難していった。

 MURが「ヒュージを倒すだけじゃなくて、人も助けないとナ」と呟いた。AKYSが頷いた。「それが迫真空手だ」

 

 

 さらに進むと、街の中心部に近づくにつれて、ヒュージの数が増えていった。

「……多くなってきましたね」とKMRが警戒した。「三体……いや、五体います」

「ここには避難できていない人がいる可能性が高い。気をつけて戦おう。」AKYSが周囲を確認しながら言った。その瞬間、建物の陰から人影が飛び出してきた。

「助けて!」と叫びながら若い男性が走ってきた。その後ろからヒュージが迫っていた。

野獣が走り出し、「こっちだ!」。と言ってヒュージの注意を向けさせた。

野獣はそのまま道路を走り、「こっちにいいよ、来いよ!」とヒュージを人のいない方向へ誘導した。

「野獣、無茶するな!」とMURが叫んだ。「大丈夫だって、安心してくださいよ!」と言って野獣が振り返った。ヒュージが野獣のすぐ後ろに迫っていた。

 その瞬間、野獣は急停止して、ヒュージの攻撃をかわした。「今だ!」とMURとKMRが左右からヒュージを挟み込んだ。

AKYSが正面からヒュージに蹴りを入れ、四人の連携攻撃が決まり、ヒュージが倒れた。

助けられた男性が呆然としていた。

「……あなたたち、何者なんですか?見たところ、リリィではなさそうですが……」

KMRが「迫真空手部です」と答えた。男性は一瞬固まった。

「空手……?」MURが頷いた。「そうだゾ」男性は苦笑しながら頭を下げた。

「何にせよ、助かりました」

 

それからも四人は歩き続けていた。道着は泥で汚れ、拳も傷ついているが、それでも足を止めなかった。

すると、AKYSが「……何か聞こえる」と言って立ち止まった。「何が?」とMURが耳を澄ました。

「……子供の声?」とKMRが言った。

瓦礫の向こうから、「お母さん……」というかすかな声が聞こえた。四人は顔を見合わせた。

野獣が瓦礫を調べ、「こ↑こ↓だ!」と言った。MUR、KMR、AKYSも加わり、四人で瓦礫を少しずつ動かした。

しかし――、「グォォォォ……!」という咆吼とともに、背後から三体のヒュージが現れた。MURが「またかよ!」と言って振り返った。

AKYSが前に出た。「MURとKMRの二人は救助を続けろ!」「押忍!」と言ってMURとKMRが瓦礫をどかし続けた。

野獣が「いいよ、来いよ!胸にかけて胸に!」と言ってヒュージを引きつけた。ヒュージが野獣に襲いかかるが、野獣は攻撃をかわして反撃し、一体を倒した。続けてもう一体、野獣は倒した。そして、AKYSが最後の一体を倒す。

その間に、MURとKMRによって瓦礫の中から親子が救出された。母親が泣きながら子供を抱きしめ、「ありがとうございます……!」とお礼を言った。野獣先輩は少し息を切らしながら「無事でよかったです」と笑った。

子供が四人を見て、「おじさんたち、ヒーロー?」と言った。

KMRが苦笑して、「おじさんはやめてくれよ……(絶望)」と言った。MURが「でも、そういうことにしておくゾ」と小さく笑った。

 

下北沢の街中を、ヒュージを倒しながら四人は歩いていた。戦闘を重ねるたびに、迫真空手を使ったヒュージの倒し方にも慣れてきた。最初は「殴れば倒せる」という偶然だった。しかし今では違う。

野獣先輩が敵を引きつけ、MURが側面から攻撃し、KMRが隙を突き、師範のAKYSが全体を見ながら指示を出す。四人は、少しずつ一つのチームになっていた。

MURが言った。「最初はどうなるかと思ったゾ」それにKMRが答えた。「でも、意外と何とかなるものですね」

野獣が、「俺たち、結構強いんじゃないですか?」と笑った。AKYSは前を見たまま「お前ら、敵はまだまだ強いぞ」と答える。「え?」と3人が言った。

「本当に強い相手は、これから来る」その直後、遠くからドンッ!!という轟音が響き渡った。四人が音のする方向を振り返ると、下北沢の向こう側から、これまでに倒したスモール級やミドル級よりも巨大な、ラージ級ヒュージの影が建物の間から見えた。

MURが拳を握り、「……行くしかないゾ」と呟いた。KMRが「ええ」と頷いた。野獣も拳を構え、「じゃけん今からやりましょうね」と言った。AKYSが笑った。

「押忍!」という掛け声とともに、四人は走り出した。ラージ級ヒュージと相対するとまずは野獣が正拳を数十発、ヒュージの顔面に打ちこんだ。MURは回し蹴りで重い一撃を与え、KMRは組み手を行った。そしてAKYSの「エンジン全開!」という声とともに四人は飛び上がり、上空からラージ級ヒュージに跳び蹴りを加えると、ヒュージは真っ二つになって倒された。

 

 

 

 

 それからただの数分後、「オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!」迫真空手部の四人が掛け声と共にヒュージと戦っていると、突然、ズズズという大きな地響きが起こった。KMRがよろめいて倒れそうになるが、「おっ大丈夫か大丈夫か」と野獣がよろめくKMRの身体を支えた。地響きのした方向を四人が見ると、少し離れたところに、数十メートルの高さはあろうかというギガント級ヒュージが地面から這い出して直立していた。

「あれがギガント級・・・」KMRが驚いたようにつぶやいた。その後しばらくの間、四人の間では沈黙が続いた。そこにAKYSが沈黙を破り、「あれは俺たちだけではどうにもならん、出撃しているリリィ達と今はとにかく合流するぞ(語録無視)」と言った。そして彼らはリリィ達と合流するために己の拳で血路を切り拓いた。

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