バイクを走らせること暫くして。
新エリ―都へやってきた。
目的地は六分街のビデオ屋、『Random Play』。
勿論ビデオを借りに来たわけではない。
ビデオ屋の前のスペースにバイクを停める。
玄関のドアに手を掛けて、周囲を見渡す。
(……流石に、居ないよな)
前に虚狩り2人と遭遇している。
しかも片方はなんか試すような目をしていたし正直生きた心地がしなかった。
意を決してドアを開く。
「いらっしゃい。おや、アレックスさんじゃないか」
いつもの人畜無害な笑顔を迎える店長兄、アキラが居た。
「……フゥ。今日は虚狩り居ないんだな」
「そんないつも居るみたいに……」
「前に2度も遭遇した。流石に三度目は無いと思いたい」
「あはは……それで、依頼は無事に終わったみたいだね」
「……店長、あんたも人が悪い。まさかプロキシの関係者だとはな」
そう言うとアキラはキョトンとした顔になり、吹き出した。
「……何だよ」
「す、すまない……関係者……確かに関係者だね」
「ったく……」
「そう言えば、アレックスさんはホロウでどうやって戦ってるんだい?」
「あ?ンなもん……殴って投げれば」
「えっ、武器とか無いのかい?音動機は?」
店長が信じられないものを見るような目で俺を見てくる。
「音動機ならあるが……」
そう言いながら、いつもの相棒を取り出す。
そういやちゃんと修理してないし、亀裂もそのまんまだ。
そろそろ綺麗にしてやらないとな。
鈍く銀色に輝くそれを、店長が見た瞬間……息を呑んだ。
「……っ!どこで、これを……」
「え?ああ……ビデオ無くしたホロウで拾ったんだよ。こいつにはずっと助けられてる」
「そう……なのか……」
何となく、いつもの余裕が剥がれている気がする。
「……コイツが何か、店長は知ってるのか?」
「………………それは、フリンツ合金で出来ているんだ」
「フリンツ合金……?」
なんだそれは。
聞いたことないな。
「僕も詳しい事は分からない。けどそれは……新エリ―都で造られた物じゃないんだ」
「何だと……?空から降ってきたとでも?」
そう俺が冗談めかして言うと、店長が咽たように咳をする。
「……な、何でもない。とにかく、フリンツ合金はエーテルを安定させる力があるんだ……それこそ、虚狩りの持つ武器に使われるほどに」
「……オイオイ。仮にコイツがフリンツ合金とやらで出来ているなら……」
「ただ、見たところ破損によって劣化してるみたいだ。よく動いてるね……」
店長が俺の音動機を手に取りしげしげと眺めている。
これ、そんなスゴイもんだったのか……。
「……店長、それでビデオなんだが」
「おっと、そうだったね。君が落としたビデオの場所は見当が付いてるんだ。拾いに行ってきてくれるかい?」
「ああ。わざわざその話をしに来たんだからな……んで?プロキシはまた紹介してもらえるのか?」
「紹介……ああ、そうだね。合流地点をマークしておくから、そこで落ち合おう」
「……分かった」
……しかし、店長は何でまたそんな物に詳しいんだ?
フリンツ合金は出ましたがロスカリファには流石に行きません。