これにて目指せ最強編は終了です。
全然関係ないですが作者の格ゲー歴はメルブラ、GGST、UNI、マブカプ3、SF6、ドラゴンボールファイターズ、餓狼MOW、Cotw、KOF15とかなりとっ散らかってます。
ミーハーなのもこれが原因ですね……。
「……それで?結局どうなったんだ?」
後日。
なんかもうレガール差し出した後俺とプルクラはあまりに疲れ果てたのでさっさと帰って泥のように寝た。
あの日、これ以上情報を詰め込みたくなかったのだ。
「我が社は無事に事業縮小。ホロウ関連の部署は黒枝に差し押さえられた」
「TOPSから転落か……」
「まぁその通りだ」
俺は、ギルスの会社の屋上で何故かギルスと話していた。
ルミナスクエアの一角に立つビルの上で、柵に寄りかかりながらエリー都を見渡していた。
「そうか」
「まぁ、この私が社長なのだ……一年で返り咲いてみせるとも」
「冗談には聞こえねぇな」
「本気だからな」
「まぁ……お前ならやるさ、多分」
なんかこいつならやれてしまいそうな気配は充分にあるので怖い。
「で?何で俺を呼んだんだよ」
「まだ見せてないものがあってな」
ギルスが懐から徐ろにスマホを取り出して……画像を俺に見せる。
「妻だ」
「……家族写真」
淡い緑の髪をしたアメジストの瞳の女性が、今よりも少し若いギルスと並んで写真に写っていた。
……そして、その手には同じ髪色の赤子が抱かれていた。
「……で?」
意図が読めずに、俺は聞き返した。
「娘は母親似でな。もしかしたらと思って見せた」
「この時は赤ん坊だろ?分からねぇよ」
「もう会社の力は使えんからな……ならば、人の伝手を辿るのが定石よ」
「なに?俺もう身内判定なわけ?」
「不服か?」
「………………」
不服とか言えるわけもなく。
黙り込んだ俺をギルスがくっくっくと笑って眺める。
……そして、一瞬で真面目な顔になる。
「……何だよ」
「いや、レガールが言っていたことが気になってな」
またあの野郎の名前を聞くことになるとは。
「……レガールが?」
「君も、借り物を使うと」
「………………借り物、か」
その言葉には、心当たりがある。
俺には前世の記憶があって。
前世で遊んでたゲームのキャラの技が使える。
そんな事言ったところで信じられるわけもない。
「例え借り物でも……俺は、この借り物を磨いて命預けてきた。アイツとは違う」
真実を話せない俺の精一杯の強がりにギルスは満足そうに笑った。
「……そういや、借り物ついでなんだが」
俺は、ギルスに使用していた音動機を見せた。
「それは……フリンツ合金か?」
「なんだ、アンタも知ってるのか」
「滅多に市場には出回らない素材だからな……なるほど、紛失したと思っていたのだが……」
ギルスは少し考え込む。
「いや、君が持っていてくれ」
「……良いのか?」
「ハハハ。ホロウ関連の部署……音動機の製造も持っていかれたんだ。それが残っていたらどの道持っていかれる。奴らに奪われるくらいなら君が持っていてくれ」
「……助かる。コイツには何度も助けられた」
「助ける……?おかしいな。その音動機には……
「……は?」
……効果が無い????
「フリンツ合金を使った外装を試すためのモデルだからな」
「え……?は……?いや……動いてるが……」
「何……?」
音動機のスイッチを入れる。
ギルスが目を剥いた。
「なんだと……?」
「じゃあ……これは何なんだ……?」
「……分からんな」
「……そうかい」
どの道、この音動機に頼るしか今は出来ない。
今のところ益になっているから……まぁ、良いか。
「アレックス」
「……なんだ?」
そう言えば今日はスーツじゃなくて特注の派手な道着姿だ。
羽織袴といった方が近いかも知れない。
「約束は、覚えてるな?」
「……へっ」
ギルスの顔付きが変わり……道着の上を脱ぐ。
俺も、Tシャツを脱ぎ捨てた。
「来い、アレックス」
「OK、始めよう……!」
――――――――――
夕方。
「………………」
バイクを駐輪場に停めて、俺は馴染みのビデオ屋のドアを開けた。
「いらっしゃい……おや、アレックス」
「来たぜ……約束通りな」
「……裏に来てくれ」
カウンターの横のドアが開かれる。
その中は……部屋の中半分が謎の機械で覆われていた。
「いらっしゃい、アレックスさん」
一際大きなモニターの前に、リンが座っていた。
「……聞かせてもらおうか」
俺は、意を決して口を開いた。
「僕たちが裏の顔としてプロキシをしているのはもう知ってるからね……」
「そのプロキシが、富裕層向けの家事代行サービスとか黒枝に繋がりがある理由を知りたい」
「理由……理由かぁ」
アキラが苦笑する。
「色々あったからねぇ……」
「アレックス、僕達は……『パエトーン』だ」
「パエトーン……?」
フォルテの言っていたことを思い出す。
『俺は、パエトーンに生命を救われたんだ』
「……パエトーン??お前達が??」
伝説のプロキシ。
巷では、そう呼ばれている。
「訳あってアカウントは消えちゃって再出発したんたけどね」
「……待て待て。パエトーン??伝説のプロキシ??お前達が??」
「最近はやらなくなったけど、ボンプと視界を繋げて喋ったりもしてたね」
「……マジか」
にわかには信じられないが……今まで見てきた証拠が、俺にこの兄妹が本物であることを認めさせていた。
「その……今まで黙っていてすまない。プロキシはアングラな仕事だし……君が口を滑らせないとも限らなかったから」
「……まぁ、良いさ。アンタらには世話になったし」
「ごめんね、アレックスさん」
「気にすんな……他言はしない。しかし、世間てのは……案外狭いもんだな……」
「……そうだね」
アキラも、しみじみと同意した。
俺は、ふと思った。
……もしかしたら、ギルスの娘とも会ってるのかもな。
(……なんてな。流石に都合が良すぎか)
次回、新章開幕。