ルミナスクエアをプルクラと並んで歩く。
「………………」
「………………」
無言。
割と一緒に居る時間が長いので、特に話すこともない。
「アレックス。これとかどうだい?」
……何故かプルクラが俺の水着を選ぼうとしてくる。
「ブーメランはやめろブーメランは。俺の体格でそれ着たら絵面がヤバい」
「そうかい?」
「緑なのは良い。だが自分で選ぶ」
「えぇ〜……じゃあさ、私の選んでいいから」
「なっ……」
一瞬想像しかけて慌てて首を振る。
「……想像した?」
「してねぇ」
「……スケベ」
「この……!」
「ウソウソ、でも選ばせるのはホント」
「ぐ、ぬ……」
迷った。
正直迷った。
プルクラは贔屓目抜きにしてもグラマラスな美女である。
それを、俺好みに出来る……。
(やめろやめろ。考えるな……明日から合わせる顔が無くなるぞ)
プルクラから、割と大きめの矢印が向いてるのは分かっているが理由が分かっていない。
だから……中途半端な気持ちでプルクラと向き合うわけにはいかなかった。
「……色、だけだ」
「そう?」
「色だけ選ぶ。後は勝手にしろ」
妥協点。
俺が捻り出した言葉にプルクラは満足そうに頷いた。
「いいよ。じゃあアレクは緑ね」
「……分かった」
お互いに会計を済ませて、帰路に就く。
「……ね」
「ん……?」
「アレクはさ、海……好き?」
「……分からん。初めて見るからな」
「……あぁ、そうね。郊外には無いもんね」
郊外、そして地下。
それが俺の全てだった。
「どう?外の世界は」
「……広いな、本当に」
ホロウによって人々の住む場所は少なくなっていくけど。
あの息苦しい地下のリングより、広い。
「この世界には、どんな強いヤツがいるんだろうな」
アレックスみたいに好戦的になっているフシはある。
それ以上に、自分で磨いた技がどこまで通じるのか試してみたい。
(確かに、俺の技は借り物だ)
だけど、
(この世界でずっと手に馴染むまで磨いた技だ。だから……俺の技だ)
拳を握る。
思ったより、レガールに言われたことが気になっていたのだろう。
「……アレに言われたこと、気にしてんの?」
「……気にしてない」
「してる」
いやに語気が強いな。
「だったらなんだよ」
「生きてくのに誰かの真似をするのは、そんなに悪い事かい?」
「………………」
プルクラのひと言が、俺の中にすっと落ちていった。
「……そうか」
新エリー都の空を見上げる。
この空の下に、どんなヤツが居るんだろうか。
「……ありがとな」
コイツには、多分頭が上がらないんだろうな……。