スト6力……足りてない……?
「………………」
「………………」
俺とリナは、無言で見つめ合っていた。
「あの……二人は、知り合いスか?」
「まぁ……そんなとこ」
「訳あり……?」
「アイツ……アレクが避けてただけさ」
そんな会話をする真斗とプルクラを尻目に、俺達は完全に固まっていた。
「アレックスさん!」
「うおっ……!カリンか」
声をかけられて現実に引き戻された。
「お久しぶりです、アレックスさん」
「……久し振りだな。アキラの紹介か?」
「はい。本当はライカンが来たがっていたのですが、ご主人様のご要望で急遽出張が入りまして」
「そうだったのか……まぁ、お前とカリンなら大丈夫だろ」
カリンもリナも旨い飯が作れるし、こりゃ安泰だろ。
……そう思っていたのは、俺だけだったのはまた後の話。
「よし、頭数は揃ったっスね」
「この人数なら充分回せるな」
「ええ。この規模の店舗なら大丈夫だと思いますわ」
「……マジでやるのかい?アレク……」
「ああ。買っちまった喧嘩だしな」
「はぁ……」
「心中、お察ししますわ……」
「……あんがと。アンタ気に食わないと思ってたけどいいヤツだね……」
プルクラがまたため息を吐く。
その様子に同情するリナだった。
何故……?
「あ、アレックスさんは一度痛い目に遭う方がいいと思います……」
「カリン……?」
なんかカリンも辛辣だな……。
「おや、皆揃っているようだね」
そんな所へ新しい乱入者が。
Here Comes A New Challenger!
「……アキラ?」
「アレックス?君もいたのかい?」
「まぁ、色々あってな……」
水着にベスト姿のアキラまで来た。
相変わらず細いなお前。
真斗と並ぶと本当に顕著だ。
「真斗君に頼まれて、僕が指揮を執ることになった。皆、よろしくね」
なるほど、司令塔としての人選か。
これで盤石になるわけだ。
「じゃあ……アレックス、調理の経験は?」
「一応自炊はしてる。してる程度だが」
「……正直、君は圧が強いからなるべく裏方に回って欲しい」
「そりゃな」
めちゃくちゃヒールレスラーな外見なので客が見たらそりゃビビる。
「カリンも、アレックスの補助に回ってくれ」
「わ、分かりました!」
「ホールはプルクラとリナさんにやってもらおう」
「……リナは、厨房じゃなくて良いのか?」
俺がポツリと言った言葉に、アキラが一瞬固まる。
「……アレックス?リナさんの料理を食べた経験が?」
「……あるが」
「……本当に言ってるのかい?」
「……?ああ……」
中々刺激的な味で美味かったと伝えると、アキラが目頭を押さえた。
「人選ミスか……?」
「……取り敢えずなんか作ってみるか」
「……そ、そうだね。味見してから判断しても遅くはない……はず……」
いやに尻すぼみだ。
取り敢えずメニューとして焼きそばがあるのでやってみることにした。
お誂え向きにデケェ鉄板があるのでその上で豪快に作る。
「ほら、出来たぞ」
一皿盛り付けてアキラに差し出した。
「……普通だ」
「そりゃそうだろ」
アキラが恐る恐るひとくち。
「……普通だ」
「そりゃそうだろ」
何なんだよ。
「いやでも……リナさんの……」
「……なんでも良いけど先に進めねぇと時間無くなるぞ」
「……うん、そうだね。手早く決めてしまおうか」
何だか納得が行っていなさそうだが、強引に進めてしまおう。
「……私が接客するのかい?」
プルクラが、俺に何とも言えない顔で問うてきた。
「嫌なら俺からアキラに言うぞ」
「いや、そうじゃなくて……」
「お前、美人なんだからいけるって」
「!」
プルクラが驚愕の表情を浮かべる。
「……何か、変なこと言ったか?」
「……こういう時ばっか欲しいこと言うんだから」
「え?」
「何でもない!全くしょうがないんだから……!」
やってくれるらしい。
良かった。
「で?リナは……まさかその格好で接客するのかい?」
「これは、正装ですわ」
「でもその正装じゃ海の家じゃなくなっちまうね」
……確かに。
夏のビーチにフル装備のメイドがいるのもおかしな話だ。
「………………水着、ですか」
リナの表情は暗い。
まぁ、やっぱり肌を見せるのは抵抗あるよな……。
「………………」
「………………ん?」
じっ、とリナが俺を見ている。
「アレク」
「あん?」
「言ってやりな」
「……俺が?アキラから頼むほうが良いだろ」
「鈍いねぇアンタ本当に……」
「………………おい」
「ほら」
背中をバンとたたかれた。
堪らずリナの前に出る。
「あー………………」
気不味い。
……前回の、ROFの時。
俺は不完全燃焼だったしあまり良い気はしなかった。
ヴィクトリア家政の面々もそういう仕事だったから仕方のないことなのだ。
整理出来なかったのは、俺の感情だけ。
「……頼めるか?」
「……!」
でも。
今回のこのイベントで……整理を付けたい。
やっぱり知り合ったんだから……仲良くやっていきたい気持ちは、ある。
「……ふふっ。アレックスさんも男性なのですね」
「……は?えっ、いや、そういうわけじゃなくてだな……!」
「構いません。アレックスさんの頼みですもの……肌を晒すのもやぶさかではございまけんわ」
「違っ……そういう意味じゃ……」
「水着、選んでくださいまし?」
「プルクラ……!」
「アッハハハ!良いじゃないか、私のも選んだろ?」
「えっ……アレックスさん、プルクラさんとそういう関係っスか!?」
「カリンちゃんも選んでもらいましょう」
「ふ、ふぇ!?カリンもですか!?」
「アレックス……流石に空気を読んだほうが、僕はいいと思う」
「あ〜〜〜〜!!!もうお前らァ!!!」
その後しばらく全員からイジられた。
……リナも、笑ってた。
まぁ……なら、良いか……。
「……ったく。なんでこんな塩送るみたいな真似を……」
「……ありがとうございます、プルクラ様」
「……様、付けなくて良い。呼び捨てして」
「……ありがとうございます、プルクラ」
「フン」
リナさんとカリンちゃんも水着着てもらいます(鋼の意志