数ある支援の中でもやっぱりアストラが一番好きなんですよね。
ホヨバースのBGM変えて支援してくるタイプの歌姫が好きです。
エデン、ロビン、アストラと覚悟が決まってる強い女なのがいい……。
「前が見えねぇ」
あれから二人の鉄拳を顔面に受けた。
そして、居なかった分の稼ぎをなんとか捻出しようとしていた。
「どうぞ」
カリンも心なしかムスッとしながら手伝ってくれている。
「……おう」
「……幻滅です。ホロウに入ってナンパなんてしてたんですね」
「誤解だ」
「じゃ、じゃあ……あのヴェスポさんのなつきようはなんなんですか……」
「知らん」
「アレク。追加の注文」
「おう」
「急いで」
「やってる」
「アレックスさん。追加です」
「分かった」
「急ぎでお願いしますね」
「やってる……!!」
プルクラとリナが物凄い冷たい。
いやまぁ心当たりしか無いし落ちた信用を取り戻す為に頑張らないといけないんだけどさ……!
「HAHAHA、それどころでは無さそうだな」
ギルスが呑気に珈琲を飲んでいる。
淹れたのは俺。
「……話って何だよ」
「この件が解決してからでもよかろう」
「そうかい」
正直今はこれ以上新しい情報を出さないでくれると助かるんだが……。
「アレク~まだ~?」
「まだだって……!って何でお前まだ居るんだよ!」
また注文かと思えば、ヴェスポが顔を出していた。
なんかずっと居るなコイツ……。
「何も注文してないだろお前」
「そうね……貴方を頂戴」
「お客様」
ドン、とヴェスポの前に水の入ったグラスが力強く置かれた。
「……注文が無いならそれ飲んで帰りな」
プルクラが射殺さんとばかりに冷たくヴェスポを睨んでいた。
そんなプルクラにヴェスポが朗らかに笑って返す。
「私、水飲めないってば。面白い冗談ね」
「帰れ」
「え~?じゃあ貴女が来て。そこの人も!こっち!」
「は?え?」
ヴェスポがプルクラの手を掴んで、リナを呼んで移動した。
あの、ウェイトレス連れて行かないでくれないか!?
「あのー、商品まだですか?」
「ちょっと待て!カリン!……もいねぇ!!ちくしょう!!」
「店員さーん?」
「I`m Readey!!」
―――――――――――
店の裏手にて。
ヴェスポと、プルクラとリナが顔を突き合わせていた。
「それで?どっちがアレクの恋人なの?」
ヴェスポがいきなり爆弾を投下した。
「っ!」
「えっと……」
「何その反応。てっきりどっちかがもう手を付けてると思ってたわ」
「ヴェスポ様……芸能人がそのような物言いをするのは……」
「もう芸能人じゃないもの」
ヴェスポはあっけらかんと言い放った。
プルクラとリナの表情が固まる。
「……それで?二人とも……アレクの事、意識してるわよね」
「……関係ある?」
「あるわ」
「即答……」
「わたしたちの落としどころが必要だもの」
「……それは」
「ね。私たち3人で共有しない?」
「「……えっ!?!?!?!?!?!?!」」
プルクラとリナが二人揃って声を上げた。
「今新エリー都に重婚の法令も法律もない。良い落としどころでしょう?」
「……アンタは、それで良いのかい?」
プルクラがヴェスポに尋ねる。
ヴェスポは、振り返って歌い出した。
「は……?」
プルクラが拍子抜けしたように脱力する。
リナは、歌に耳を傾けた。
ひとしきり歌い終わった後、ヴェスポは呟いた。
「……私の声は、機械の発する音。だから前にね……歌じゃないって言ってた人もいたの」
「……」
「でもね、あの人……アレックスは。私の歌を聞いて、好きだって言ってくれた。これを歌だと言ってくれたの」
「アイツ……ほんっとうに……」
プルクラは頭を抱えた。
「……口下手なのに、欲しい言葉は必ずくれる人なんですから」
「ふぅん?あなた達もそれでやられたクチね」
「……ヴェスポさんは、それで良いのですか?」
「私は、知能構造体だから……あなた達みたいに深く交われない。でも……一緒に居られる幸せは感じられる。あの人なら、そうしてくれると思ったの」
「「………………」」
「私はこんな感じ。あなた達は、どうしたい?」
プルクラとリナは顔を見合わせる。
「……ねぇ、リナ」
「……なんでしょうか」
「アンタは……どう思う?」
「……ずるいですね。自分からは言わないのは」
「……だって。私もどうしたいのか分らないんだから」
プルクラが空を見上げる。
「小さいころ助けて貰って、アイツを応援してて。ずっと一緒に居たい……そう思っちゃった」
「素敵ではありませんか」
「アンタは?」
「……似たような話です。助けてくれた人と実際に話してみれば……隙だらけで、面白い方で」
リナが目を閉じる。
「……やることなす事滅茶苦茶で強引で。こっちのペースをいつも乱して」
「……なんだい。アンタもベタ惚れじゃないか」
「仕方ないじゃないですか。あの人が戦う姿は……かっこいいんですから」
「完全に同意……じゃあ」
3人が目を合わせる。
気持ちは、固まった。
「……アンタの甘言、乗ってあげる」
「はい。あの人、私たち3人で囲ってしまいましょう」
「……フフフ。良いわ!最高ね!」
3人がそれぞれ握手する。
「やるなら徹底的に!」
「……そうだね」
「ええ」
――――――――――
「あいつらいつ帰ってくるんだよ!!」
俺はこの日、閉店までワンオペする羽目になった。
3人が手を組みました。
アレックスの明日はどっちだ!