GO!ALEX!〜希望再誕〜   作:塊ロック

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暴走する男と、ホロウに居る謎の男と。


GO!新たな挑戦編
第62話『The Judgment day』


 

「うぐぁっ……!?」

 

意識が急速に戻ってきた。

視線を身体にやれば、まだ氷がへばりついてはいたが動ける。

 

(何が……!?)

 

頬が切れる。

何かが当たった……?

 

「カリン!?どうしたんだカリン!返事をしてくれ!」

 

アキラの叫び。

そして……先程から吹き荒れている暴風。

 

「アレックス。戻ったか」

 

ギルスがエーテリアスを投げ飛ばし俺の近くへ着地した。

 

「……何があった」

「お前が凍り付いてから、カリンが暴走した」

「まさか、このエネルギーの奔流……カリンから!?」

 

見れば、カリンは青く視認できるほどの強烈なエネルギーを撒き散らしている。

 

まるで……。

 

「……レイジングストーム」

「……なんだと?」

「そうは、見えないか?」

 

……あの不完全なレイジングストーム。

見覚えしかなかった。

 

ギース·ハワードの血を受け継ぎ、ギースと同じ技を使う少年を俺は知っている。

 

ロック·ハワード。

運命に翻弄され、立ち向かった少年。

 

てっきり金髪だと思っていた。

……ギルスの見せた写真の女性は、緑髪だった。

 

まさか。

まさかカリンがギルスの娘だとは……流石に想像力が足りなかった。

 

そもそもミアズマの見せた幻覚で、カリンは俺の家族だと見せられたばかりで。

 

そんな考えは微塵も持てなかったのだ。

 

「……ギルス」

「分かっている。今はここを切り抜ける方が先だ」

「ああ……!」

「カリン……あの子がこのまま力を使い過ぎれば長くは保たん。なんとか抑え込まねば」

 

俺は近くに居たエーテリアスにエルボーをぶちかます。

 

「あの玉座の野郎、ずっと座ってこっち見てるからな……!」

「あの男、何者だ……?」

「さあな……!」

 

見た目は知っている。

だが、何故ここに居るのかがサッパリ分からない。

 

「うわっ……!?」

 

アキラが足元に転がってきた。

 

「おい!隠れてろ!」

「大丈夫だ。自分の身は守れる……!」

「ハァ?何を言って……」

 

ザッ、と黒い影がアキラの目の前に現れた。

暗い影のようなマントを靡かせる、鎧姿の何者かが立っていた。

 

「何だ、コイツ……」

「味方だ。でも詳しく話してる暇は無い」

「……信じるぜ、アキラ」

 

三人で背中合わせの体勢になる。

未だエーテリアスはうじゃうじゃ居るが、カリンの暴走で殆ど吹き飛ばされ……残りは様子見の構えをしている。

 

「……どうする」

「私がカリンの力を抑える。その間にあの子を眠らせろ」

「……分かった」

 

言うが早いか、ギルスがカリンの暴風を掻き分けて走る。

俺とアキラも後に続いた。

 

「う、うぅ……うううううう……!!」

 

カリンの苦悶の声が聞こえる。

 

「カリン!」

「もう少し耐えろ!今行く!」

 

俺とアキラが、ギルスの後ろから手を伸ばす。

アキラの腕に一閃、傷が走る。

 

「っ……!ゔぁ……!!」

 

黒い影がアキラの襟首を掴んで後ろにぶん投げた。

乱暴すぎてちょっとびっくりする。

俺は硬質化によって無事だったので、そのまま前進する。

 

「カ、リン……!」

「ああ、あぁぁ……!!」

 

呻くカリンの後ろまで迫る。

気を抜くとそのまま吹き飛ばされそうだ。

 

「アレックス!長くは保たんぞ!」

「カリン!俺はここだ!落ち着け!」

 

カリンの肩を揺する。

駄目だ、目の焦点が合わない……!

 

「……すまん!」

 

カリンの首に手刀を落とす。

 

「うっ……」

 

がくり、とカリンが倒れる。

 

「……良き余興だった」

「……!」

 

玉座から、声が響く。

 

「エーテリアスが、喋った……?」

「アイツは……そもそもエーテリアスなのか……?」

 

玉座に座っていた男が、立ち上がった。

 

「我は天帝。この世界を救わんとする者だ」

「……へっ。えらく御大層な妄言だな」

「ホロウから出られぬ身で随分なことを言うものだな?」

「君たちの力は興味深い……私に捧げる気はないかね」

 

男がこちらに歩いてくる。

……いつの間にか、カリンの姿が無い。

 

「カリンは僕が回収した。いつでも逃げられる」

「………………」

 

アキラが、俺たちに耳打ちする。

回収ったってどうやって、とは思ったが今聞くことは出来ないだろう。

 

「調和だ。ただそれを求め給え」

「……?」

 

違和感を感じる。

 

「貴様、何者だ」

 

ギルスが構え、問う。

 

「君の神は、私だ」

(コイツ……)

 

……まさか、喋ってるんじゃなくて……セリフのパターンがあるだけなのか……?

 

「神だと?今の世に神などおらぬよ」

「澄み切った空には純粋な感動がある。君は今、それを感じないか?」

「このホロウの中が澄み切った空だって?言語を人間の言葉を解しても、感性はエーテリアスのままみたいだね」

 

二人はそのまま会話しているが……。

 

「御託が長ェぞ。やるか、やらないかハッキリしろ」

「アレックス君」

「……っ!」

 

ゾットするほど優しい声音。

というか、何で俺の名前を知っている……。

 

「君は、また私の前に現れると思っていたよ」

 

アキラとギルスが振り返り、困惑した表情で俺を見た。

 

「テメェみたいなアシンメトリーな知り合いは居ねぇよ」

「共に行こうではないか。浄化の先の世界へ」

「聞く耳ねぇな」

 

コイツと会話が成立していない。

でも……何故俺だけ名指しを……?

 

男が、俺達の目の前に降り立った。

見れば見るほど奇妙な姿だ。

 

「アレックス君。私は君のことを案じていたのだよ」

「やかましいぞ!」

 

いい加減面倒だ。

俺は目の前のアンシンメトリー男の前に立つ。

 

「ダラダラ長話しやがって!俺はお前のこと知らねぇしさっさと帰りてぇんだよ!!」

「……………」

 

男は、黙った。

そして、手を俺に翳す。

 

「あ……?うっ……!?」

「ミアズマか……!」

「……ほう」

 

男の手から放たれるのは……ミアズマ。

アキラが印を結ぶ。

すると、影響が少し軽くなる。

 

「クッソ……!テメェ……!」

 

俺は男に殴りかかる。

男は手をかざし、俺の拳をそらした。

 

(ブロッキング……!?)

 

確か、ストVのギルのVトリガーで使えたはず……!?

俺の攻撃を受け止め無効化し……攻撃をキャルセルで出してきた。

 

「ディバインコメット」

「うおっ……!?」

 

空から、無数の隕石が降り注ぐ。

 

「レイジングストーム!!」

 

ギルスが暴風を撒き散らしていた迎撃する。

 

「撤退だ!」

 

アキラが銃を構えて男に向けて発砲する。

俺達はその隙に走り出した。

 

「……君は、また戻ってくる。戦いの意味を見失ってね」

 

去り際に、そう声をかけられた。

 

 

 

 




プロキシからのリークにより、共生ホロウの危険度が跳ね上がる。

現在、名称を『プロヴィデンスホロウ』と改められ調査中。
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