アレックスは、どうする。
あれから、一週間が経過した。
海の家の件が片付き、俺は考え事をすることが多くなった。
カリンのこともそうだ。
あの子は、ギルスの娘だ。
間違い無いと思う。
間近で何度もギルスのエネルギーは浴びたし、カリンからも受けた。
詳しくは分からないが、同じように感じた。
アレ以来ギルスも動いては居るらしいが……進展は聞いていない。
と言うかギルスの娘で俺の家族?
あまりにも色々有りすぎて現実味が薄い。
カリンは未だ入院中。
意識があれから戻っていないらしい。
……リナに、申し訳なくて目が合わせられなかった。
ライカンにも一発殴られた。
仕方ない。
シリオンの加減なしの拳、流石に痛かったが……カリンを守れなかった俺の失態である。
甘んじて受ける他無かった。
(………………)
ただ。
ただ……その事よりも、俺には気がかりなことがあった。
あの、ホロウで出会った男。
間違いない……ヤツの名は、ギル。
ストリートファイターIIIにおいて……アレックスが戦う理由となった男。
秘密結社を率いて世界を統治せんとする天帝を名乗る男。
(アイツが……何故……)
俺と同じ、前世の記憶を持った者なのか。
だが、名前が似ていて姿が同じだった奴らは他にもたくさん居る。
アレも、そのものでは無いはずだ。
(けど、なんだこの不快感は)
アレを目にした時。
アレと対峙した時。
プレッシャーを感じ、不快感がずっと付きまとっていた。
『続いてのニュースです』
点けっぱなしにしていたテレビがニュースを映す。
別に観ていたわけではないが……。
プルクラは、居ない。
ここのところ、俺はひとりだ。
『少し、ひとりにさせてくれ』
……俺が、プルクラにそう言ったから。
プルクラは、何か言いたそうではあったが了承してくれた。
リナやヴェスポとも会っていない。
整理する時間が必要だった。
あまりにも色々なことが起きすぎている。
『先日ホロウ調査協会へリークのあった情報として、スロノス区にある共生ホロウの調査が決定。先日第一波が帰還しました』
思わず画面を見る。
ギルの居るホロウへ、入ったのか。
『調査員はエーテリアスを従える謎の存在と接触しました』
「……!」
『帰還した調査員によると、謎の存在は自身を天帝と称し"世界の救済"を掲げているとのことです』
「………………」
『なお、接触した調査員は再度ホロウへ無許可で侵入しようとし拘束されました』
ギルは、自身の頭脳とカリスマで組織を統治していた。
あの調査員は心酔してしまったのだろう。
『以降、当該ホロウは立ち入り禁止とし、名称を"プロヴィデンスホロウ"と呼称することを発表しました』
……俺は、どうすれば良いのだろうか。
あの存在がどう言うものか理解しているのはこの世界でただ俺だけ。
だが、俺は勝てなかった。
カリンの目の前で無様に凍らされてしまった。
少し、自信を失くしている気がある。
(……どうすっかな)
……ノックノックに、メッセージが来ていた。
リナからだ。
内容は……。
「………………は?」
『約束を覚えていますか?デートに行きましょう』
「……マジかよ」
俺は、思わず呻いた。
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