GO!ALEX!〜希望再誕〜   作:塊ロック

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第69話『新エリー都最強?ロスカリファ最強?』

時は少し遡って。

 

「すまんな。出発前に呼び出してしまって」

 

俺は、またハワードコネクションに呼び出されていた。

呼んだのはもちろんコイツ、社長のギルス·ハワードだ。

 

社長室に入るのももう何度目だろうか。

 

「俺とアンタの仲だろ」

「フッ……お前にそう言われると悪い気はせんな」

 

……何で俺コイツにこんな気に入られてるんだよほんと。

そう言えばハワードコネクションは縮小したはず……

以前来た時とまるで変わっていないな……。

 

「私を誰だと思っている。言ったろう、這い上がって見せると」

「……そうかい。それで、用ってのは?」

 

ギルスがスーツの懐から1枚の封筒を取り出した。

かなり上等な造りをしている。

 

「アレックス。お前は……ロスカリファという名前を聞いたことは?」

「……無いな」

「そうか。実は、これをお前に託そうと思ってな」

「……これを?」

 

ギルスが封筒を俺に差し出す。

受け取るか迷い、手にした。

 

「これは……招待状か」

「そうだ。近々……新エリー都とロスカリファの親交のためのイベントが開催される」

「へぇ、良いことじゃないか。俺なんかが行っても良いのか?」

「格闘大会だ」

「……なんだと?」

「新エリー都とロスカリファの親善試合を行うのだ」

「……それを、俺に?」

 

そう聞くと、ギルスは背後の窓から新エリー都を一望する。

 

「出る気はないか?」

「……なんでそこまで」

「お前がその気なら私から推薦する」

「………………」

「フッ……私もここまでお前を気に入るとは思ってなかったさ。これは、礼だ」

「なんの……」

「カリンと、会った。妻と一緒にな」

「………………」

 

そう、ギルスは言った。

何とも言えない複雑な顔をしている。

 

「妻は……ひと目で分かったと言っていたよ」

「そう、か……」

「勿論……あの子は私たちのことなんて覚えていなかったさ」

 

赤子も同然の頃に生き別れたのだ。

記憶なんてほとんど無いだろう。

 

「妻があの子を抱き締めた時、あの子は泣いていた」

「………………」

「少しは、覚えていたんだろう」

「これから……どうするんだ?」

「あの子が望むようにするさ。一緒に暮らしたいならそうするし、拒絶するのなら……辛いが、生きていてくれただけでも」

「そうか」

 

なんとも言えない気分だ。

まさかこうなるなんてな……。

 

「これはお前が運んできた縁だ」

「買い被りすぎだ」

「フッ……感謝してもしきれん」

「やめろって……」

「思えば、お前と初めて会ったあの日から面白そうな男だとは思っていたさ」

 

ギルスは俺に背を向ける。

 

「アレックス。私はTOPSに返り咲き、新エリー都に格闘技のショービジネスを開拓する」

「……プロレスでもやるってのか?」

「郊外の賭博場を合法化し整備するのだ」

「……えっ?」

「私と組め、アレックス」

「組む……えっ??」

 

ギルスと、組む?

 

「お前の戦う舞台を、私が整えてやる」

「ちょ、ちょっと待て……!」

「そして、いつか共に掴もうではないか……最強の称号を」

「最、強……」

 

柄にもなく心が動いた気がする。

最強。

それは、あまりにも魅力的で、甘美で、渇望する響き。

 

以前……ROFで掴み損ねた称号。

 

それに、今度こそ手が届くのかも知れない。

そう考えると、胸が高鳴る。

 

 

……だが、

 

 

「……考えさせてくれ」

 

俺は、こう答えざるを得なかった。

 

「あのホロウに挑むのだろう?」

「……ああ。負けっぱなしじゃ性に合わない」

 

分からないから、やってて面白くないから一戦やって抜ける、そんなんで踏んだMasterやハイマス、グラマス……そして、LEGENDの称号は胸を張って名乗れるか。

 

俺の推しのプロゲーマーはそう言っていた。

 

ランクマッチで当たってきっちり2先して栄光を掴む。

 

一度負けてるのなら、次はヤツに二回勝つまで。

 

「お前は、そういう男だ」

「……そうだ。俺は戦う男らしいからな」

 

プルクラも、リナもそう言っていた。

 

「フン。ならばさっさと叩き潰してこい」

「言われなくても……やってやる」

 

俺は、ギルスから招待状を正式に受け取る。

やってやるさ。

 

(首を洗って待ってろよ、ギル……!)

 

 

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