アレックスも防護エージェントなので封殺スキルはパリィ出来ますね(
時は戻って。
「ぐっ、うっ、おっ……!」
「まだまだ行くぞ御弟子さん!」
俺は、パンダのシリオン……潘引壺と組手をしていた。
彼の飯は非常に旨く、よく食わして貰っていたが……コイツ、結構出来る。
点穴とやらを突く拳法を駆使して俺を翻弄してくる。
「ガードはしっかり固いな!凄いぞ!」
「こなくそっ……!」
「うおっ……俺を持ち上げられるかな……!?」
俺は潘さんに組み付く。
確かに重いけど……持てない程じゃない。
「うおおおっ!!」
「えっ、ちょっ、待っ!」
「パワーボム!!」
「ぐえぇっ」
藩さんの身体を持ち上げて、地面に叩き付けた。
「ハァ……ハァ……ふぅ。やるなアンタ」
「いてて……流石に強いなぁ御弟子さん」
俺は大の字で倒れていた藩さんに手を差し伸べた。
藩さんが俺の手を取る。
「まぁ、それなりに修羅場はくぐってるからな」
「アンタの手は、戦う人の手だからな。判るよ」
「……そんなもんかな」
「そんなもんさ。さて、いい時間だし夕飯にしよう」
「手伝うよ」
「お、ちょっと待ってくれよ……悪いんだけどこれ買ってきてくれないか?在庫を切らしてたんだ」
潘からメモを受け取る。
買い出しくらいしか出来ないから、これくらいはやらないとな。
「分かった」
適当観での修行生活も、2週間が経過した。
何となく……手応えは感じている。
ただ……。
(持続しねぇ)
スーパーアーマーがその瞬間にしか出せない。
発動はするが、ほんの数瞬である。
(音動機……と言うか、フリンツ合金とやらがエーテルの伝導率を上げてるから持続する……んだけどそれだとギルに攻撃が届かなくなるんだよな……)
そう、自身の力で奴に立ち向かわなければならないため……音動機に頼れないのだ。
エーテル技術抜き……今思えばかなり難しい話であった。
(……星見雅とかなら、剣術だけで刃が届きそうだがな)
虚狩りが出張るまでまだ犠牲者が出ていない。
協会もまだ調査しているが静観の構えだ。
これ以上被害が出る前に、決着をつけなければならない。
(だが……)
届かない。
あと一歩のところが遠い。
(数瞬しか保たないなら技として使うのも難し……)
観光客だろうか。
適当観前の謎のオブジェの前で写真を撮っていたカップルが居た。
彼女の方が、カメラマンの彼氏に向けてピースサインを………………ん?
「………………あっ!!」
思わず声を上げた。
通行人が怪訝そうな目で俺を見ていたがそんな事どうでも良かった。
「そうだ、アイツもやってたじゃねぇか……」
ブロッキング。
ストリートファイターIIIのシステムで6で言うところのドライブパリィに当たる。
パリィと違うのは、消費するリソースが無いこと。
ただし……ドライブパリィは押しっぱなしで持続するのに対して、ブロッキングは攻撃のヒットの瞬間に前入力することで成立する。
かなりリスキーな択ではあるが、当時ガードには削りダメージが存在していたのでそれを減らすのに使われたりしていた。
某ビーストの背水の逆転劇と呼ばれるシーンが印象的だ。
そして、ピースサイン……そう、Vサイン。
Vトリガーだ。
ストリートファイターVでは、Vスキルというシステムが存在していた。
俺はあまりストVには明るくないが、確かSAゲージとは別にリソースがあり逆転用のゲージという位置付けだったはず。
そして、アレックスのVトリガーは……レイジシフト。
スレッジハンマーを解禁するスキルである。
ブロッキングじゃないのかって?
ラリアットで突進する技なのだが、出始めにブロッキング判定がある。
そしてなんとブロッキングが成立するとキャンセルもできるのだ。
つまりこの技で連続ブロッキングを取ることができる。
Vスキルのオーバーホールやオーバーチェインも扱えれば相当胡散臭い連携も夢ではない。
「見えたな……到達点が!!」
久し振りにテンションが上がってきた。
こうしてはいられない。
早く戻って試し……。
「……買い出し忘れてた」
……とりあえずこのあとか……。
ポテンシャル解放。
Vスキル、Vトリガーが使用可能になります。
併せて、アレックスの等級がA級からS級へ上がりました。