ゼンゼロ人気が強いってのもありますけど、実はアレックス超人気なんですかね……?
使ってて楽しいんですけど辛いとこいっぱいあって中々大変です。
プロキシとは。
絶えず空間が変化を続けるホロウの中で、集積されたデータから地図を作り出す……謂わばホロウの案内人だ。
ホロウレイダーは、プロキシの力を借りなければホロウを歩くことすらままならない。
しかし、現状プロキシの数は少ない。
非常に難易度が高いからだ。
ホロウレイダーは自身の命が担保だが、プロキシにとってはホロウレイダーと、自身の信用がベットされる。
そして、信用とは成功があって初めてベット出来る。
そんな訳で、プロキシは万年不足状態にある。
「ここか」
店長に渡されたタブレット。
チャット型アプリケーション、『ノックノック』にメッセージが届いていた。
差出人は、『明けの明星』。
指定された場所は、ビデオ屋近くの喫茶店。
「こんにちは、郊外のファイターさん」
「………………」
テラス席でコーヒーを飲んでいる、緑髪の女性が声を掛けてきた。
俺は、返事もせずに向かいの席に座る。
……向かい合ってでなく、俺は横を向いて座ったが。
「アキラくんから話は聞いてるよ。協力してくれるって」
「……金さえ貰えりゃ何でもいい」
店長が取り付けた条件。
それは、明けの明星に協力し新人プロキシのホロウ踏破を助けること。
「良かった。ちょうどエージェントの候補が無くて困ってたの」
「………………」
人が良さそうに笑う。
だが、プロキシと言うグレーな職業に仕事を斡旋している彼女もまたグレーな存在。
「あ、あはは……それじゃあ依頼内容を説明するね」
明けの明星から説明を受けている間、俺は黙って聞いていた。
そもそも門外漢なうえにやることはひとつしかないからだ。
「何か質問は?」
「……無い」
「それじゃあ……あの子を、お願いします」
深々と頭を下げられた。
明けの明星は『新人プロキシの育成』に力を入れていたらしい。
だが、この業界中々そういったものが難しく……新人は巣立ってくれない。
少し前に超大型新人が無事に巣立ったおかげで、今はそうでもないらしい。
「……分かった」
どの道、俺に選択肢はないのだがな。
――――――――――
店長から貰ったタブレットを、フリーのWi-Fiに繋いで起動する。
金が入り次第スマホを購入するまでは、この生活だな。
(空き物件……安めの、マンション)
……家探し。
住む場所を探さなくてはならない。
(分からん……)
何が良くて何が駄目なのかさっぱり分からん。
(思った以上に世間知らずだな……)
前世の記憶を辿っても……どうやら俺は実家ぐらしだったらしい。
こっちの世界では一人暮らしはザラらしいが。
(どうしたもんかなぁ……)
どの道金が入るまで契約は出来ないのだが。
それに、インターノット自体が実は違法サイトなため真っ当な条件ではない。
俺のような戸籍のない奴に紹介できる場所らしい。
ますます、あの店長が何者なのか気になるところだ。
(……プロキシ斡旋業を裏でやってんだろうな)
とりあえず今日は一旦郊外に出て野宿になるかな。
適当な寝床を見付けて、指定されたホロウの近くまで向かおう。
あの世界、無一文無戸籍スタートってかなり無理ゲーなのでは……?