楽しそうなパワータイプキャラで触ってて大笑いしてました。
今、ハワードコネクションが打ち立てた『治安官が立ち会った時のみ決闘を許可する』という政策が新エリー都に流布された。
何を言っているのか分からないが何故かそんな物が突然お出しされた。
勿論市民は混乱したし治安官は頭を抱えていた。
何故こんなことをしたのかサッパリ分からんが……何でもTOPS連中がファイターを集めているらしいというのは聞いた。
「……ん?」
ヴェスポに引きずられている途中で、誰かが俺達の進路上に立っていた。
長い銀の髪をポニーテールにまとめ、青いキャップを被っている。
白のTシャツにこれまた青のベスト。
スラリと長い脚はジーンズに包まれている。
……なんか、見覚えある見た目だなぁ。
でも耳は尖ってるし胸元は凄まじくデカい。
「……」
「痛っ……!?」
ヴェスポが俺の頬をつねる。
なんでだ。
「アレックス·ウィクスね」
「……アンタは?」
視線が交差する。
アメジストの瞳が爛々と輝いていた。
……待って、待て待て。
帽子に『FATALFURY』って書いてあるぞ……!?
全体的に青いし何より女だからまさかとは思ってたけど……。
「エリー·エガード」
「テリー·ボガード……」
絶対そうだろ。
ロックの枠はカリン……女だった。
テリーの枠も女の可能性だって全然ある。
「……で?何の用だ」
「用?そうね……」
ちらり、とエリーが後ろを流し見る。
緑の髪の知能構造体の治安官が肩をすくませて首を振った。
エリーは静かに構えをとる。
「言葉は要るかしら」
「……要らねぇな」
ヴェスポを後ろに下げさせる。
俺も構えをとる。
「それではこの決闘、治安官青衣が預かる。どちらかの気絶、もしくはギブアップで勝敗を決する。異論はないな?」
「ええ」
「ああ」
「では、始め」
「HEY!Come on!!」
「OK、始めよう」
戦いの火蓋が切られる。
開幕の立ち回りの間合い。
先に動いたのは、エリーだ。
大きく手を振り上げ……万歳のポーズ。
俺は反射で垂直ジャンプをした。
(まさか……!)
「バーンナックル!!……嘘っ!?」
左腕に青い気をまとわせ一気に跳躍しながらのストレート。
到達前に垂直ジャンプしていた俺の足元でその技は空振る。
(やっぱテリー·ボガードか……!)
俺は落下しながら
「ぎゃん……!?」
「そらよ!」
そこから、
「フラッシュチョップ!」
「げふっ!?」
光の軌跡を描く水平チョップがエリーに炸裂。
ふっ飛ばされて背中を向ける。
俺はその踵へ
「えっ……!?」
がくん、とエリーが地面に膝を着いた。
俺はその無防備な背中に手を伸ばして持ち上げた。
エリーは上下逆さまの状態でリフトアップされる。
「う、わぁ!?」
「舌噛むぞ!!」
「ひぇっ……!?」
そしてそのまま地面に叩き落とした。
必殺のコラプスドライバーだ。
「ごっ……へ……」
後頭部を強打。
これは痛いぞ。
俺は倒れるエリーを蹴り転がした。
ふらふらと立ち上がる。
なるほど、そこらの女性よりはタフらしい。
……改めて見ると、ファイターにしては髪も服装も綺麗すぎる。
あまり実戦は経験していないたちか?
「初見で私のバーンナックルを避けるなんて……!」
「………………」
こればっかりは前世で散々擦られた技だったから反応してしまっただけである。
許して欲しい。
「まだまだ!」
「!」
エリーが身を低くして地面を殴り付ける。
エネルギーの波が地面に発生して俺に迫る!
「パワーウェイブ!」
「くっ……!」
俺は基本的に飛び道具に対して分が悪い。
ドライブパリィで弾をいなした。
「貰い!」
「何……!?」
弾を目眩ましにして接近。
エリーの
そのままターゲットコンボでパワードライブに派生されて殴り飛ばされた。
その細腕でなかなかのパワーだ。
「この……!」
ダウンを取られる。
立ち上がってドライブラッシュを仕掛け……。
「見え見え!」
「ぬぁっ……!?」
エリーの
それに引っ掛かる。
「はぁっ!!」
「ごはっ……!」
顎に蹴りが入る。
そのまま宙に浮かされた。
確か、中K→大Kで出せるファイアーキックか。
必殺技キャンセルが可能なタゲコン……このあとに必殺技が続くはず!
「クラックシュート!」
空中で一回転。
かかと落としが浮いた俺に叩きつけられた。
「ごっ……!クソっ……!」
またしてもダウン。
後ろへ受け身を取り少し距離を離す。
「ヘイアレックス!その程度?」
「へっ!その減らず口、叩き潰してやるよ……!」
しかし、テリーか……。
こうして餓狼伝説の主人公と戦えるなんて、夢にも思えなかったよ。
テリー·ボガードは今まで格闘ゲームの代名詞だった道着にハチマキというファッションから大きく逸脱した存在だった。
格闘ゲーム史における新たな転換点だとも言える。
こってこてのアメリカンスタイルのイケメンで当時それは人気だったらしい。
俺が餓狼伝説を初めて知ったのはMOWからだったので年齢を重ねたジャケット姿だったのだがこちらもそれはそれでカッコよかった。
「パワーチャージ!」
突進系のタックル攻撃。
しかしこっちはバーンナックルと違ってガードされれば確定反撃を狙える。
「貰った!」
「あっ!」
またしてもエリーの身体を掴んで投げ飛ばした。
「パワーボム!」
二回目の投げ。
大体のヤツはここで沈むが……エリーはなかなかにガッツがある。
まだ立ち上がるのだ。
「コツコツ積み上げても埒が明かないわ……!」
「なら、どうするよ」
「一撃で決める……!」
エリーが足を振り上げ、投球モーションのような構えをとる。
これは、まさか……!
(バスターウルフ……!)
来た、マジでカッコいいんだよアレ。
突進のストレートから気を解放して吹っ飛ばす二段攻撃。
見た目がすんごいカッコいいんだ。
「Are You OK?」
ガードかパリィしてしまえばそれで終わってしまう話。
だが、ここはゲームではなくリアルの戦い。
俺も全力で応えるのがスジってもんだろ……!
「I'm Ready!!」
俺もSA2、スレッジクロスハンマーの構えを取る。
「バスターウルフ!!」
「終わりだ……!!」
渾身のストレートと、ラリアットが交差する。
……かに、思われた。
「そこまでよ」
「「!?!!?」」
突然俺たちの間に突風が巻き起こる。
俺とエリーは暴風に煽られてそのまま吹き飛んだ。
「うおわっ……!?」
「ちょっとぉぉおぉぉ!?」
俺は天高く飛ばされて……そのまま頭から落下した。
「ぐぇ……」
後頭部を強打。
……が、誰かが視界に入ってく……うおっ……絶景……。
白い肌とむちっとした太もも。
そして危うくスカートの中が見えそうだったので慌てて視線を反らした。
「アレク!大丈夫……大丈夫そうねこのスケベ!!」
「ぐえっ!?」
駆け寄ってきたヴェスポが俺の鳩尾へ肘を落とした。
「ごめんなさいね?妹がご迷惑をおかけして」
……視線を上げれば、エリーと同じ髪と瞳の色をした美女が俺の顔を覗き込んでいた。
うおっ……超美人……………。
「……あんたは?」
痛みに悶絶しながらようやく口から言葉が出た。
「初めまして。ロスカリファの外務計策局の総務官、ヴェリナ·エガード」
銀髪の美女……ヴェリナは、たおやかに微笑み俺に手を差し出した。
「以後、お見知りおきを……アレックスさん?」
「え……?あ、ああ……」
なんと言うか、微笑んではいるがなんとなく気圧されてしまった。
なんとか握手に応じた。
「……そんな、ロスカリファのお偉いさんが俺になんの用だよ」
ついつい言葉が悪くなるのは最早性分としか言えない。
隣でヴェスポがため息を吐く。
「そうね……取り敢えずサインでも頂けて?」
「………………は?」
と言うわけでエガード姉妹登場です。