私は黒服の元に寄ったすぐ後に、私たちの周りを黒いモヤのような物が覆った。
白井コウ「何これ!?」
黒服「私がよく扱うオーパーツの様な物です。」
黒服「色々と便利でして。」
黒服がそう言うと、どんどん私たちの周りを黒いモヤが覆い。
そして路地裏から、2人の人間…?が闇に消えた。
黒服「着きましたよ、コウさん。」
コウ「うわぁ…」
そう声をかけられて、私は目を開ける。
すると、コンクリートに囲まれた何もない通路の様な場所に着いていた。
だが普通灰色のコンクリートであるはずが、辺り一面が赤色になっていた。
たしか、ここはゲマトリアメンバーが会議を行なっていた所じゃなかったっけ。
黒服「この通路の先にある、我々が使用する会議室があります。」
黒服「そこで、ゲマトリアの皆さんが待っていますよ。」
私たちは赤い通路を歩きながら話す。
コウ「もう私の存在を知っているの?」
黒服「私が皆さんを招集しましたからね。」
コウ「私の事、そんなに買ってるんだ。」
黒服「そうですね。」
黒服「以前までは、「暁のホルス」…キヴォトス最高の神秘を求め動いていましたが。」
黒服「幸運にも貴方という存在を発見しまして。」
コウ「(暁のホルス、ね。)」
「暁のホルス」。
キヴォトス最高の神秘。
恐らく、黒服が言っている存在は。
アビドス高等学校の最年長、小鳥遊ホシノ。
コウ「(私がそこまでの神秘を秘めてるというの…?)」
正直、BlueArchiveの原作知識を持つ私にも「神秘」という存在をよく知れていない。
多分、ヘイローの中に「神秘」が内包されていて、そこから銃火器に対する耐性などができているのだと思っているが…
だめだ。私にはまだまだ情報が足りない。
そこで、私は黒服に気になったことを聞いてみた。
コウ「ねぇ黒服。」
黒服「おや、何でしょうか?」
コウ「その神秘っていうのって結局なんなの?」
黒服「ふむ…そうですね。」
黒服「神秘というものの正体は私たちも真には理解できておりません。」
黒服「ですが、我々は神秘という存在に対し、各々が様々な解釈や概念を通じ理解しようとしております。」
コウ「そうなんだ…」
やはり、ゲマトリアの面々と言えども「神秘」という存在の完全な理解まではできていないようだ。
黒服「貴方は何故そのような質問を?」
コウ「そうだなぁ…」
コウ「さっき契約書を書く時の理由にさ、」
コウ「「ある存在達を作りたい」って言ってたでしょ?」
黒服「そうですね。」
コウ「まぁ…その存在達っていうのはさ。」
コウ「都市伝説…って言えばいいのかな。」
コウ「私は都市伝説が好きでさ。」
コウ「そのなかでも。」
コウ「Creepypasta」って言われる存在達に心を奪われちゃって。」
コウ「もしそれを再現することができたらいいなって思って。」
コウ「実はそれがゲマトリアに入ってもいいかなって思ったんだよね〜。」
黒服「なるほど。」
黒服「それは朗報かもしれませんね。」
コウ「え?」
黒服「丁度、そのような研究をしている方がいまして。」
コウ「!」
コウ「本当?」
黒服「えぇ、本当ですよ。」
黒服「これから貴方を紹介し終わった後、話しかけてみるとよいかもしれませんね。」
コウ「分かった。」
本当に朗報だ。
私よりも圧倒的に情報を持つ存在から聞き出すことができれば、本当にCreepypasta達を再現できるかも知れない。
黒服「見えてきましたね。」
黒服がそう言うと、気づけば目の前には一つの扉があった。
黒服「ここが我々の会議室です。」
黒服「心の準備は宜しいですか?」
コウ「…うん。大丈夫。」
私がそう答えると、黒服は扉を開けた。
会議室は部屋の中心に大きな白色の円上の机が置いてあった。
そして、その周りには。
黒服と似た、異形たちが3人ほどいた。
一人はタキシードを着た、木製でできているであろう二つの頭を持つマネキン。
一人はロングコートを着たステッキを持った、本来なら顔があるはずの部分が黒いモヤになっている存在。
その存在は片手で抱えている、肖像画に映っている背を向けたシルクハットをかぶった男性が描かれた絵を持っていた。
一人は長い黒髪に真っ赤な肌、真っ白なドレスを纏う長身の女性。
頭部の上半分が翼のようなもので埋め尽くされた毛玉のようなもので覆われている。
そして、その翼からは赤く光る目が何個も付いており手には白い扇子を持っていた。
この異形たちが、ゲマトリアの現メンバー。
マエストロ。
ゴルコンダとデカルコマニー。
そして、ベアトリーチェ。
凄いなぁ。
本当に目の前にゲマトリアがいるんだと、私は改めて再認識した。
黒服が口を開く。
黒服「皆様、本日は集まってくださり感謝いたします。」
マエストロ「黒服がわざわざ私を呼んだのでな。」
ゴルコンダ「私達は丁度時間が出来ていたので問題ありませんよ。」
デカルコマニー「そういうこった!」
ホントにそれしか言わないんだ。
ベアトリーチェ「…まさか、私を呼び出した理由はその後ろの子供ですか?」
黒服「えぇ、そうですよ。」
黒服「ではコウさん。」
コウ「分かった。」
コウ「今日からゲマトリアへと加入することになった。」
コウ「白井コウです。」
コウ「よろしく。」
ゲマトリアのメンバーは好意的…と言えるかどうかは分からないが少なくとも私のことを悪くは思ってはいないようだ。
…でも一人だけそうは思ってなさそうだ。
ベアトリーチェ「…呆れましたね。」
ベアトリーチェ「何故、子供をゲマトリアへと加入させたのですか?」
黒服「彼女は我々と同じ「外の世界」から来た存在と同じ気配を感じまして。」
黒服「そのような存在は非常に興味深く、観察対象と成り得ます。」
黒服「そこで私がコウさんへアプローチをかけ、契約書を書いてもらった次第です。」
ベアトリーチェ「信用できませんね。」
ベアトリーチェ「第一、私は今忙しいのです。」
ベアトリーチェ「呼ばれたので一応来てみましたが…無駄足でした。」
そういったベアトリーチェはそのまま会議室から出て行った。
恐らく、さっき言った「忙しい」はアリウス分校のことだろう。
「全ては虚しい」と生徒達に教え、自分が「崇高」、だったっけ…
凄い上位存在へとなるための手足とするために忙しいんだろう。
まぁ…そもそも生徒というか子供を見下しているような感じをひしひしと感じたから本当に呆れたんだろうけど。
黒服「…申し訳まりませんね。」
コウ「大丈夫。」
コウ「急によく分からない、しかも生徒が加入してきたら私もそう思うから。」
マエストロ「…私も彼女はあまり好意的には思えんな。」
マエストロ「私の作品を「芸術品」としてではなく戦闘品の様なものとしか思っていない。」
マエストロ「手腕は素晴らしいというのにつくづく理解できんな。」
ゴルコンダ「まぁまぁ。」
ゴルコンダ「改めまして。」
ゴルコンダ「背を向けた状態での挨拶となることを、ご無礼となってしまいますが。」
ゴルコンダ「ゴルコンダと申しております。以後、お見知りおきを。」
デカルコマニー「そういうこった!」
ゴルコンダ「こちらはデカルコマニーと申すものです。」
マエストロ「ゴルコンダと名乗っている者だ。」
マエストロ「貴様も、芸術への敬意をこめてマエストロと呼んで欲しい。」
コウ「分かった。」
コウ「これからよろしく。」
コウ「私も一応神秘の研究を行なって、自分の研究テーマでも持とうと思っているから。」
コウ「後、契約書には「ゲマトリアの一員」ってなってたけど、私は私以外のゲマトリアメンバーの部下の様なものだから。」
コウ「何か試してみたいものとか合ったら、気軽に呼んで実験でも何でもしていいよ。」
黒服「えぇ。ではこれからよろしくお願いいたしますね。」
こうして、ひと悶着あったけど無事に現ゲマトリアメンバーに自己紹介を終えた。
自分の研究のためにも、黒服が私専用の実験室の様なものを用意してくれたらしい。
あぁ、楽しみ。
長い道のりにはなるかもしれないがCreepypastaを再現するために今日から行動していくと、私は決めた。
「悪い大人」側へとなってしまったからにはとことん行く所まで行く。
さぁ、これから忙しくなるぞ。
ちょっと急展開になってしまったかも…
小説は難しい。
ゆっくりですが段々とコツを掴んでいきたいところです。