機動戦士ガンダムSEED RE:SONANCE ―星巡りのルナと換装の呪縛―   作:マキ

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本作を開いていただき、ありがとうございます!
『ガンダムSEED』の世界観に、別作品の「換装ギミック」や独自設定を盛り込んだ二次創作小説となります。
原作のタイムラインをベースにしていますが、主人公の行動によって展開が変化する予定です。
【あらすじ】
C.E.71年1月、地球連合軍の秘密演習場で開発が進められていた試作実証機『GAT-X100A コア』と中距離汎用戦闘用外装『アースアーマー』。適合体である少女ルナ(LUNA-07)が稼働試験に臨む中、突如としてザフト軍の地上部隊(バクゥ)による急襲が始まる。激戦の末にエネルギー切れを起こし、過酷な砂漠で遭難したルナと機体。それから約1週間後、ヘリオポリスから地球へ降下してきたアークエンジェルが、砂塵の彼方で眠る青きガンダムを発見する――。
※本作品の執筆にあたり、プロットの整理や表現のブラッシュアップにAI(生成AI)の支援を使用しています。
独自解釈などが含まれますが、楽しんでいただければ幸いです!


第1章:砂漠の牙と蒼き星
第1話【Earthly】砂塵のプレリュード


1話目 

C.E71、2月14日。地球連合軍の極秘データによれば、その機体は『GAT-X100A コア』と記載されていた。

ヘリオポリスで開発されたGAT-Xシリーズの設計データをベースに、機体の超小型化と外装換装による全領域対応を検証するために作られた、陽の目を見ることのないはずの試作実証機。そして今、その四肢の先に、中距離汎用戦闘用外装のアースアーマーが装着されている。

『システムリンク、正常。シンクロ率、規定値を維持』

無機質なアナウンスが響く薄暗いコクピットの中で、ルナ・セレスは静かに息を吐いた。度重なる肉体改造と精神調整の副作用により、彼女の髪は色素の抜けたプラチナブロンズへと変わっている。首元に嵌められた金属製のコントロールチョーカーが、彼女の脳波を機体の自律支援AIへと強制的に同調させていた。

今日は、地球連合軍の秘密演習場における、アースアーマーの稼働試験の日。そしてその仮想敵として用意されたのは、本部から共有された設計データを基に組み上げられた、データ検証用の『ストライク(模擬再現機)』だった。

コアガンダム単体は、被弾時のみ最小限の電力を消費する『トランスフェイズ(TP)装甲』を採用している。そして、ストライクの対ビームシールドと同等の複合金属で作られたアースアーマーとドッキングした瞬間、アーマーに内蔵された大容量の拡張バッテリーから電力が供給され、コアガンダム本体が常時展開型『フェイズシフト(PS)装甲』へとパワーアップ。機体全体が鮮やかなブルーとホワイトへと相転移を起こし、データ再現用のストライクと対峙していた。

模擬戦用のビームライフルを構えて迫るストライクに対し、ルナは冷徹なディープブルーの瞳でその動きを捉え、アースリィガンダムの機動性を生かして砲撃を紙一重で回避した。ストライクのストライカーパック換装に対し、こちらは装甲ごと丸ごと換装するという次世代の汎用性。その優位性を示すため、ルナは的確にストライクの間合いを削っていく。

その時だった。

ドォン!と、模擬戦の音とは明らかに違う、腹に響く地鳴りのような爆鳴が演習場を揺るがした。

「――っ!?」

直後、通信回線に悲鳴混じりの怒号が飛び込んでくる。

『ザフトだ!ザフトの地上部隊が接近中!警戒網を突破された!』

『バクゥが突入してくるぞ!各機、直ちに実戦配置――がはっ!?』

ノイズと共に通信が途絶する。演習場の外壁が内側から吹き飛び、砂煙の向こうから、四足歩行の不気味なシルエット、ザフトの砂漠用モビルスーツ『バクゥ』が数機、その牙を剥いて飛び出してくるのが見えた。

『テスト中止!ナンバー7、直ちに機体を放棄して退避――』

管制からの命令を最後まで聞く前に、ルナの指はコントロールレバーを固く握りしめていた。模擬戦の相手だったストライクも、突如乱入してきた本物の敵を前にして実戦体制へと移行しようとするが、突発的な事態にOSの切り替えが追いついていない。

「……くっ、やっぱり駄目か……!」

沈黙したストライクを指すモニターに、警告表示が赤く点滅する。 全領域に対応すべく開発された『I.W.S.P.』——だが、重武装ゆえの過度な重量増加と爆発的な電力消費は、この砂漠の不整地においては致命的だった。 機動性を奪われたストライクはバクゥの連撃を支えきれず、肝心な局面でPS装甲のバッテリーが途切れてしまったのだ。

生き延びるためには、この機体で戦い、ここを脱出するしかない。

「適合体LUNA-07、アースリィガンダム……排除行動に移行します」

感情を完全に削ぎ落とされた少女の声。アースアーマーと同調した彼女の精神は、すでに私情を挟まない「冷徹な兵器(アースリィモード)」へと切り替わっていた。アースリィガンダムのメインモニターに迫り来る3機のバクゥが赤いロックオンマーカーで強調される。バクゥは背部の2連装レールガンを放ちながら、砂塵を巻き上げて凄まじい速度で突撃してきた。

ルナはコントロールレバーを鋭く弾く。アースリィガンダムはバックパックの推進力を爆発させ、ストライク譲りの高機動でレールガンの砲撃を回避した。

「まずは、1機」

右腕に構えたビームライフルのトリガーを引く。強烈なエネルギーの奔流が放たれ、砂漠の空気を切り裂いた。直撃。先頭を走っていたバクゥの胸部が瞬時に融解し、激しい爆炎とともに砂地に転がった。

しかし、残る2機はその爆煙を割り裂き、瞬く間にアースリィの懐へと飛び込んでくる。首部に装備された2連装ビームサーベルを起動させ、ルナを切り裂かんと跳躍した。

「実弾兵器および質量兵器の接近を確認。頭部バルカン、迎撃システム起動」

マシンのように淡々と呟きながら、ルナは頭部バルカン砲を連射。激しい金属音がい響き、迫るバクゥのメインカメラへと容赦なく実弾の雨を浴びせる。火花を散らし、視界を奪われたバクゥの動きが一瞬だけ鈍った。

その隙を、ルナは見逃さない。

ビームライフルをマウントすると同時に、ビームサーベルの光刃を発生させる。すれ違いざま、アースリィガンダムは流れるようなモーションでビームサーベルを振るった。閃光が走り、バクゥの巨体が空中ですっぱりと二つに切断され、砂漠に激しい爆発の炎を咲かせる。

残るは1機。しかし、ルナの肉体にはすでに限界が近づいていた。薬切れによる激しい頭痛と、シンクロによる脳への負荷が彼女の視界を歪ませていく。首元のチョーカーが不吉な電子音を鳴らし始めていた。

「……あ、ぐ……っ」

激しい頭痛がルナの意識を白く染めかける。視界が二重、三重にブレる中、最後の1機となったバクゥが、執拗に回り込んでアースリィの死角から突撃してきた。至近距離から放たれる背部のレールガン。

避ける猶予はない。ルナは瞬時に左腕のシールドを突き出した。

ドォン!

凄まじい衝撃と火花が散る。しかし、アースアーマーの強固なPS装甲は、バクゥの実弾が持つ運動エネルギーを完全に無効化し、傷一つつけずに弾き返した。ルナは歪む視界の中で、突撃の慣性で一瞬動きの止まったバクゥを捉えた。

「これで……効率的に、処理します……!」

右腕のビームサーベルを構え、アースリィガンダムは地を蹴った。砂塵を切り裂く一閃。すれ違いざまに放たれた刃がバクゥの胴体を一刀両断し、背後で巨大な火柱が上がった。

迫る脅威をすべて排除した演習場には、ただ激しい爆音の余韻と、炎の熱気だけが残されていた。

「はぁ……はぁ……」

ルナの呼吸は荒く、全身から冷や汗が吹き出していた。首元のコントロールチョーカーが、警告の赤色に激しく明滅している。限界だった。薬物の効果が完全に切れ、肉体を苛烈な激痛が襲う。

それと同時に、機体のコックピットモニターにも非情な警告灯が灯った。

『警告:パワーダウン。アーマー側サブバッテリー、残量低下』

バクゥの猛攻を凌ぎきったアースリィガンダムだったが、激しい戦闘とビーム兵器の使用により、アーマー側の電力は完全に底を突き、PS装甲が強制解除されて元のグレーの装甲へと戻してしまう。

アーマーの機能停止に伴い、脳内へ強引に流し込まれていた兵器モードの思考回路が途切れる。ルナはかすむ意識の中で、むき出しの恐怖と焦燥感に支配されながら、かローじてコントロールレバーを前方に押し出した。この場に留まっていたら、駆けつけたザフトの増援に捕まるか、あるいは連合の実験施設に連れ戻され、再び終わりのない調整の日々に突き落とされる。それだけは、嫌だった。

アースリィガンダムは足を引きずりながら、炎上する演習場の外壁を越え、果てしなく広がる砂漠の中へと足を踏み入れた。一歩、また一歩。しかし、数キロも進まぬうちに、

『警告:パワーバッテリーゼロ、システムシャットダウンします』

無機質なシステム音声と共に、メインモニターの鮮やかな景色が、上から下へと砂嵐を交えながら暗転していく。だが、すべての光が消え去るとき。ルナの揺れる瞳の奥で、コックピットのサブモニターに、あらかじめプログラミングされていた極秘のネットワークマップが強制展開された。

ルナの目の前に、地球のホログラムマップと点滅する複数の光軸が浮かび上がる。

「これは……世界各地の秘密ドック……?」

理解が追いつく。ヘリオポリス襲撃の直前、ザフトによる機体奪取を恐れた連合上層部が、完成した各種アーマーを突貫で各地へ分散輸送させていたのだ。 連合本部の混乱によって現地に封印されたままになっているそれらの存在を、コアガンダムのシステムが「ネットワークマップ」として一括展開していた。

宇宙空間戦闘用ジュピター

水中戦用マーキュリー

重火力支援用ヴィーナス

近接格闘戦用マーズ

それぞれのアーマーが放つ固有の位置ビーコンが、地球の各戦線、そして遙か上空の宇宙から、まるで主であるコアガンダムを呼ぶかのように、かすかに、しかし確かに主張を繰り返していた。

「みんな……どこかに、いる……」

ルナが小さく呟いた直後、今度こそ完全にシステムは沈黙し、コックピットは深い静寂と、砂主の沈黙を検知したのは、基地のハンガーから緊急射出され、自動追従モードで後方を随伴していた無人支援機**『リアクターコアハンガー』**だった。強力な飛行用スラスターを持つそのサポートユニットは、自律AIの判断により、砂漠の真ん中で立ち往生したアースリィガンダムの強固なフレームをロック。ザフトの追撃圏内から少しでも遠ざけるため、機体を文字通り力強く引きずるようにして、砂塵を巻き上げながらさらに奥地へと運び、やがてエネルギーを使い果たすようにして共に砂へと滑り込んだ。

――それから、約1週間。過酷な熱砂の海で、機体は静かに眠り続けていた。

どれほどの時間が経っただろうか。暗転したメインモニターの隅で、微かに生きていたパッシブセンサーだけが、砂塵を掻き分けて接近してくる巨大な船の影を捉えていた。

地球連合軍が、ヘリオポリスから命からがら脱出し、地球へと降下してきた最新鋭巡洋艦『アークエンジェル』。その白き脚が、砂漠にぽつんと取り残された、傷だらけのガンダムと支援機の前にゆっくりと停止しようとしていた。




第1話をお読みいただき、ありがとうございました!
地球の連合軍秘密演習場でザフト(バクゥ)の強襲を受け、過酷な遭難を経てアークエンジェルへと回収される、ルナとアースリィガンダムの波乱の幕開けをお届けしました。
コアガンダム単体の『TP(トランスフェイズ)装甲』や、アースアーマー合体時の常時展開型『PS(フェイズシフト)装甲』など、本作ならではのメカニカルな装甲ギミックや燃費のリアルさにもこだわっていきます。
激戦と遭難の果てに力尽きたルナ。彼女を回収したアークエンジェルの中で、一体どのような人間模様が待ち受けているのか……。
もし「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ページの評価(★)や感想、お気に入り登録をよろしくお願いします!皆さんの応援が執筆の大きな励みになります。
次回、第2話『【Core】白い揺り籠の中で』もお楽しみに!
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