機動戦士ガンダムSEED RE:SONANCE ―星巡りのルナと換装の呪縛―   作:マキ

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前回の『第18話:【Earthly】刻の開拓者』では、地球連合軍による第2次侵攻の激戦を描きました。キラのフリーダム、ムウのパーフェクトストライク、アスランのジャスティス、ディアッカのバスター、そしてアースリィガンダムに乗り『ビームシュートライフルU7』を携えたルナが前線に立ち、圧倒的な連携で連合軍部隊を食い止めていました。
【あらすじ】 激化するオーブ解放作戦。防衛線を維持するフリーダムたちに対し、地球連合軍は精鋭の量産機『デュエルダガー』4機と『バスターダガー』4機からなる特殊部隊を戦線へ投入する。高火力の砲撃と集団連携によってオーブ軍の防衛線は一瞬で崩壊し、アークエンジェルとクサナギの目前まで敵の手が迫る。絶体絶命の危機の中、ウズミ首長はオーブの理念を未来へ繋ぐため、マスドライバー『カグヤ』の発進とオノゴロ島の自爆を決断。ルナたちは燃え盛る故郷を背に、運命の宇宙(そら)へと飛び立つ――!



第19話:【Mars】紅蓮の翼、運命の空へ

「くっ……! 敵の動きが変わった!?」

フリーダムのコックピットで、キラが息を呑む。 オノゴロ島海岸線の煙から現れたのは、通常のダガーとは明らかに異なるシルエット――肩部に増加装甲を纏った『デュエルダガー』4機と、背部に大型砲装を背負った『バスターダガー』4機のエリート部隊だった。

ドババババッ!!

「な……なんだあの砲撃精度は!?」

バスターダガー4機が一斉に解き放った高インパルス長射程砲撃が、オーブ軍の残存防衛線を一瞬で薙ぎ払う。さらにその砲撃の隙を突くように、デュエルダガー4機が高速立体機動で急接近。M1アストレイの部隊を容赦なく撃破し、直線的にアークエンジェルとクサナギのハッチへと向かって突き進む。

「まずい! アークエンジェルが狙われている!」

ディアッカのバスターが牽制射撃を放つが、バスターダガーのカウンター砲撃とデュエルダガーの果敢な肉薄により、後方に押し込まれていく。

高台で『ビームシュートライフルU7』を構えていたルナも、瞬時に状況の悪化を察知していた。

『戦術分析:敵高スペック量産部隊の投入。防衛ライン崩壊率、89.2%』

「バスターダガー4機……! ディアッカ一人じゃ抑えきれない!」

ルナはU7ライフルの銃身を保持したまま側面シールドで敵のビームを弾き返し、アースリィのスラスターを限界まで吹かして高台から跳躍。バスターダガーの照準線上に割り込み、極太の狙撃ビームで一撃を叩き込んで1機を大破させた。だが――

「甘いぞ、ガンダム!」

死角から襲いかかるデュエルダガーのビームサーベル。ルナはアースリィのシールドで間一髪受け止めるが、強烈な衝撃で地面へと叩きつけられる。

「くっ……連撃が……早すぎる!」

アスランのジャスティスやムウのパーフェクトストライクも、3大G兵器(カラミティ、フォビドゥン、レイダー)の猛攻に足止めされ、救援に回れない。オーブ防衛線は、完全に破綻を来たしていた。

『全機、直ちに撤退! マスドライバーへ向かえ!』

通信機から響いたのは、オーブ最高首長ウズミ・ナラ・ハウザの切迫した、しかし揺るぎない声だった。

『お父様!? まだ戦えます!』

『だめだ、カガリ! これ以上は持ちこたえられん。……クサナギ、アークエンジェル、打ち上げ準備! 我らの理念と未来を、宇宙(そら)へ逃がすのだ!』

「ウズミ様……!」

黒煙を上げるマスドライバー『カグヤ』のフレームに、クサナギとアークエンジェルが固定されていく。 ルナはアースリィを後退させ、ギリギリまでバスターダガーの追撃砲撃をU7ライフルで迎撃しながら、クサナギのモビルスーツデッキへと滑り込んだ。

「キラ! アスラン! 早く船へ!」

フリーダムとジャスティス、そしてバスターとパーフェクトストライクが相次いで艦へと収容される。

『カグヤ、射出カウントダウンスタート!』

凄まじいG(重力)がルナの全身を襲う。 ブースターが眩い爆炎を吹き出し、クサナギとアークエンジェルは大気を切り裂いて一気に上空へと加速していった。

コックピットのモニター越しに、ルナは遠ざかっていくオノゴロ島を見つめていた。 次の瞬間――島全体を包み込むような、巨大な白光が爆発した。

敵に施設と技術を渡さないため、ウズミ首長たちが自ら起動したオノゴロ島自爆。 自らの故郷が炎と光の中に消えていく光景に、艦内の通信回路からはカガリの叫びと、咽び泣く声が漏れ聞こえていた。

「……これが、オーブの選んだ『意志』……」

ルナは胸のチョーカーをギュッと握りしめ、溢れ出そうになる感情を殺すように目を閉じた。

――大気圏を突破し、重力から解き放たれた漆黒の世界。 青く輝く地球を背に、クサナギとアークエンジェルは静かに宇宙(そら)を滑進していく。

燃えるオーブの意志と、託された未来を抱きしめて。 彼女たちの物語は、新たな舞台『宇宙』へと続いていく――。




第19話をお読みいただき、ありがとうございました! オーブ解放作戦のクライマックス、そして決死のカグヤ脱出劇をお届けしました。
連合軍の精鋭『デュエルダガー』『バスターダガー』部隊の猛攻により窮地に陥る防衛線。ウズミ様の悲壮な決断によるオノゴロ島の自爆と、大気圏を突っ切るクサナギたちの脱出シーンを描かせていただきました。
燃える故郷を背に宇宙へ到達したルナたち。次回、第20話からはついに舞台が『宇宙編』へと突入します!
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次回、第20話『【Mercuone】静寂の深淵』もお楽しみに!
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