機動戦士ガンダムSEED RE:SONANCE ―星巡りのルナと換装の呪縛―   作:マキ

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前回の『第19話:【Mars】紅蓮の翼、運命の空へ』では、オーブ解放作戦の最終決戦と涙のカグヤ脱出劇を描きました。地球連合軍の精鋭ダガー部隊による圧倒的猛攻の中、ウズミ首長たちの苦渋の決断とオノゴロ島の自爆を経て、クサナギとアークエンジェルは大気を突破し、無事に宇宙へ到達しました。
【あらすじ】
オーブを失った悲しみを抱えたまま、L4暗礁宙域の廃コロニー群へと身を潜めたクサナギとアークエンジェル。追撃を撒くための静寂の中、ルナは廃コロニー付近を漂うコンテナを発見する。それはかつて要塞アルテミスが崩壊した際に宇宙へ放出され、この宙域まで流れ着いていた連合のコンテナだった。内部に眠っていたのは、宇宙戦を見据えて開発されていたアーマー『ジュピターアーマー』。その直後、デブリの影から連合軍の索敵部隊が急襲する。ルナは手に入れたばかりのジュピターアーマーとドッキングし、白銀の光を纏って宇宙空間での初陣に挑む――!



第20話:【Jupiter】静寂の深淵

重力から解き放たれたL4暗礁宙域。 そこは、かつての戦争で破壊されたコロニーの残骸や岩塊が静かに漂う、漆黒と「静寂」が支配する世界だった。

地球連合軍の追撃を避けるため、クサナギとアークエンジェルは巨大な廃コロニーの影に潜航し、全システムを低出力に落として息を潜めていた。

「……ウズミ様……」

艦内の格納庫、静まり返るデッキで、カグヤ脱出時の光景を思い出しては涙を流すカガリの姿があった。キラやアスランが静かに寄り添う中、ルナはコアガンダムのコックピットの中で、胸のチョーカーをそっと触っていた。

「……これが、悲しみ」

論理だけで物事を処理してきたルナにとって、故郷を失った痛みがこれほど胸を締め付けるものだとは知らなかった。

「ルナ、コアガンダムで周辺のデブリ帯を索敵してきてくれ。アクティブ・ソナーでだ」

『了解、マリューさん。出撃します』

ハッチが滑らかに開き、コアガンダムが漆黒のデブリ帯へと滑り出す。 視界の悪い岩塊とコロニー外壁の隙間を進む中、コアガンダムの索敵ソナーが微弱な識別信号を拾った。

「これは……連合の機密コード……?」

壊れた廃コロニーのエアロック付近に、半壊した大型コンテナが漂っていた。データIDを照合すると、かつて要塞アルテミスが壊滅した際の混乱で漂流し、長い時間をかけてこのL4宙域まで流れ着いた物資であることが判明する。

ルナがコアガンダムの手腕でコンテナを固定し、内部の認証ロックを解除すると、暗闇の中に白銀と純白の輝きを放つ大型パーツ群が静かに浮かび上がった。

「ジュピター……アーマー……!」

かつて連合で設計され、アルテミスの事故で行方不明となっていた宇宙戦用高出力・高精度機動アーマーが、巡り巡って今、ルナの目の前に姿を現したのだ。

その時、コアガンダムの警報がサイレント表示で点滅した。

『警告:微弱なアクティブ・レーダー波を感知。距離3000、デブリ影より接近』

漆黒の闇から現れたのは、連合軍のネルソン級宇宙巡洋艦1隻と、索敵仕様のストライクダガー3機。静かにアークエンジェルたちの潜航地点へと接近していた。

「知らせるわけにはいかない……! ジュピターアーマー、システムリンク……起動!」

ルナは直ちに浮遊するアーマー群へ合図を送る。 白銀のアーマーパーツがコアガンダムの周りに高速で整列し、ドッキングシークエンスが開始された。

「コアチェンジ・ドッキング・ゴー――ジュピターヴ!」

カチリ、カチリと強固なロック音が響き、頭部にマルチテナントセンサーが展開、背部には巨大な高出力スラスターユニットが結合される。右手には「ビームガトリングガン」、両肩には「ビット」としても機能する多目的スラスターポッドが鎮座した。

「これが……ジュピターヴガンダム……!」

『照準固定、宇宙空間高機動モード・移行』

スラスターが全開となり、ジュピターヴガンダムは漆黒の宇宙空間を白銀の彗星となって一瞬で駆け抜けた。

「な、なんだあの速さは!? プラントの新型か!?」

急襲に気づいたダガー部隊が一斉にビームライフルを放つが、ジュピターヴは背部と両肩のスラスターを自在に制御し、無重力空間で鋭角な立体機動を描いてすべてを回避。

「ドラグーン、展開!」

両肩の機動ポッドが切り離され、敵ダガーの死角へと高速移動。多方向からのビーム照射によってダガー2機の機動力を一瞬で奪い去る。

「くそっ、化け物め!」

残る1機が迫るが、ルナは冷静に右手のビームガトリングガンを構えた。

「宇宙(そら)の静寂を乱すものに……引導を渡します」

ドバババババッ!!

極太のビーム弾幕が暗闇を切り裂き、ダガーを正確に撃破。さらに遠方の巡洋艦に対しても、主砲のビームガトリングとビットによる遠距離一斉射撃を叩き込み、エンジン部を破壊して即座に戦闘不能へと追い込んだ。

白銀の光を纏い、デブリ宙域に佇むジュピターヴガンダム。 ルナは輝く星々を見つめながら、改めて心に誓うのだった。




第20話をお読みいただき、ありがとうございました!
要塞アルテミスから流れ着いていたコンテナから回収され、初陣を飾った『ジュピターヴガンダム』! 無重力空間での圧倒的な高機動性と、ビットやビームガトリングガンを駆使した遠距離立体戦闘で、追撃の連合軍部隊を鮮やかに圧倒するシーンをお届けいたしました。
宇宙戦での強力な相棒を得たルナたち。 次回、第21話ではプラントでのラクス・クラインたちによる『エターナル強奪作戦』を描きます!
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次回、第21話『【Saturn】奪還の閃光』もお楽しみに!
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