もう朝4時に起こされるのはウンザリです!〜朝寝坊したいのでデュエル・アカデミアに入学します〜 作:猫猫
親指つむじ突きだ!!」
遊好「起きてます!! もう起きてます!!(
古山遊好の子供の頃は、コレが朝の挨拶だった。
デュエル・アカデミアって言うと、デュエルに関する授業に力を入れている学園なんて印象が強かった。ご機嫌ようございます、古山遊好です。
「で~あるからして、錬金術と言うのはうんたらかんたらどーたらこーたらなんですにゃ~」
科学の授業と思ったでしょ? 残念。『錬金術』の授業です。一コマ丸々が錬金術の講義の為に確保されています。何で? 科学で良いじゃんね。
「どうしてデュエルの学園で、『錬金術』の授業なんて枠があるわけ? 『科学』の授業で良いじゃない」
隣の席のツァン・ディレさんも同じこと言ってます。悲しいことに隣の席です。座学は普通以下の自負がある私の隣の席に配置されてるって、ツァンさん成績大丈夫そ? 文句言いながら板書を書き写しているそのノート、成績に還元されてる?(私はノートに落書きしてる)
「…………ねえ、今なにかボクに対して凄く酷いこと考えてなかった?」
「考えてないよ」
信じるかどうかは貴女次第です。
暫く退屈な錬金術の授業を聞いているフリをしながら、キモい語尾の先生の話を録音しているうちに、記念すべきデュエル・アカデミア最初の授業が終わった。
分かったことはただ一つ。時間割の振り当てをしたのは機械か、人の心が無いヤツのどちらかと言うことだけだ。同級生の中には新高校生活に心躍らせたり、期待に胸を膨らませている子も居るかもしれないのに。初手『錬金術』。出鼻を挫かれない方が少数派だろう。
「すぅ~すぅ~……zzz」
ほら見たことか。ツァンじゃない方の隣に座っていた子なんて、優しい世界に旅立っている。
惰眠の悦びを知りやがって。私にもさせろよ……ッッ!(一度起きるとなかなか寝れないタイプ)
「何しているの、遊好?
次はお待ちかねのデュエル実技の授業よ。早く行きましょうよ。
貴女にボクの実力を思い知らせて、慢心をぺち折ってやるんだからね!」
「対戦することになるまで取っておいたら? その漲るやる気。
それより、今はこの寝てる人起こしてあげないと……」
「え? あ、ホント。
貴女、意外と気配りさんなのね。みんな気付かずに行っちゃったのに」
私を差し置いて、夢の世界に旅立っているのが憎かっただけなんだけどね。さあ、さっさと起こしてその優しい世界を葬ってくれるわ。ふはははは。
「もしも~し、アナタ、授業終わったよー?」
「すぅ~すぅ~……zzz」
肩をさすってみる。寝息が聞こえる。
「お~い?」
「すぅ~すぅ~……zzz」
もっと強くさすってみる。寝息しか聞こえない。
「起きない……わね」
「おきゃくさーん? 起きて―終点ですよー!」
「なに、その車掌さんみたいな起こし方?」
「…………」
自分が座っていた椅子を持ち上げてみーー
「待って。その椅子を頭より高く持ち上げて何をするつもりなの!? 駄目よ!!」
ツァンさんが庇うように間に割り込んできた。
「別にちょっと机を叩いて大きな音を出そうと思っただけなんだけど」
「貴女ちょっとギアの上げ方に難があると思う!! もっと踏める段階があるはずよ! ね!?」
「すぅ~すぅ~……zzz」
「ちっ。
気持ち良さそうに寝やがって。こっちとら四時起きだってのによぉ……」
段々イラついて来た私の頭を、突然柔らかい何かが包み込んできた。
「落ち着いて。落ち着いて~お願いだから、冷静になってーよしよ~し!(泣き)」
必死な声を出しながらツァンさんがそのデカい胸で私の顔をホールドしていたようだ。
何だこの柔らかさ、枕か。今度寝かせてもらおう。
「まあ、それはそれとして。
えい」
ぷすっ。
「あ痛ぁあああーー!?!?」
「クソ親父直伝。親指つむじ突き。
頭蓋骨の継ぎ目を正確に突くことで、怪我させずに『滅茶苦茶痛い』を与える、強制早起きの奥義だぜ。
これなら文句ないでしょ」
「貴女……『変』よ」
二限目、デュエル実技の授業。
デュエルホールにて。
「いやぁ~起こしてくれてありがとうねぇ。わたし、
「貴女、あんな痛そうな起こされ方してたのにソレで良いわけ!?」
「うん~授業にはちゃんと出ないと、単位が貰えないからねぇ…………ふわぁ。ねむぅい」
「くそっ、今にも寝れそうな顔しやがって……自分ばっかし、私にもさせろよ……くそっ。睡眠の重要性を知りやがって」
「どうしよう……ボク、今からでも友達は選んだ方がいいのかなぁ?」
「皆さん、注目ナノーネ。
本日は、みんな最初の実技授業ナノーネ。
隣の席同士の三人組で、二人がデュエル。残る一人は見学して、勝った方とデュエルをしてもらうノーネ。
そして本日のデュエルについてのレポートを宿題に出すノーデ、相手のデッキや戦術をしっかりと研究しておいてくだサーイ」
クロノス教諭の声がして、それまで何か異様にしょぼくれていたツァンさんが輝かしい表情で顔を上げて私の方を向いた。こっちみんな。
「ついにこの時が来たわね、遊好!! 待ちくたびれたわ。さあデュエルよ!」
「カップ麺三分待てないタイプ? 会ってからまだ数時間なんですけど。
あと、さらっと樋口さんを後に回すのか」
「わたしは後でいいよぉ」
「ありがとう桜!!
さあ遊好、デュエルよ! その慢心シーンな態度を『めっ』てしてやるんだから!!」
「ったく一人で盛り上がっちゃって。これだから熱血系は……」
ツァンさん、クソ親父に……いや、似てないんだけど。ちょいちょい思い出させられて、嫌なんだよなぁ。
授業だからしゃーないけど。
「なるべく私の可愛いモンスターだけ見るようにしよう。
茶封筒のデッキの初陣だ」
「行くわよ!」
「「ーーデュエル!!!!」」
ツァン・ディレ LP4000
古山遊好 LP4000
次回、いよいよデュエル回。
そして、遊好の隠された性癖が暴かれる……
古山遊好。どんな女に見えていますか?
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朝寝坊のために頑張る苦労人
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常識人の皮を被れていない変人
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クソ親父の教育で価値観が壊れた子
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まだヤバさの覚醒を残している子
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キャラが薄くて印象がない