もう朝4時に起こされるのはウンザリです!〜朝寝坊したいのでデュエル・アカデミアに入学します〜 作:猫猫
この作品は、日常系作品のゆるく万人受けするタイプの方向性を狙ってお送り致します。
古山家、縁側。音を鳴らすシシオドシに一斉に耳を立てる犬たちを眺めながら、夫婦がお茶を飲んでいた。
夫の名は古山戦牙。転生者デュエリストにして、遊好の父親。今生の妻、桃子と共に余生を過ごしている転生成功者だ。
娘がデュエルアカデミアに入学し、家を出た以上は親に出来ることなどあまり無い。まして授業参観すらない孤島の学園に行ってしまったらもうお手上げ。後はもうお呼びがかかるまで待機するのみだ。
「遊好は今頃、デュエルを頑張っているでしょうか……アナタ?」
「フム……『頑張る』ほどの対等な力を持ったライバルと、理由が出来れば、あるいはなぁ……」
戦牙の生前は、遊戯王のエンジョイ勢。好きなカードと、それに関連する強化パーツを軸にデッキを組んでいた。
しかし、『友達は別売りです』が酷く突き刺さるプレイ環境だった。最初は一緒にやっていた友達はいつの間にかデジモンやデュエマに移り、その内カードからも卒業。
一人遊戯王に未練を残した戦牙は、対戦相手を求めて自然と大会に足を運ぶようになる。しかし、勝利と再現性に人権が配られる大会において、弱いエンジョイ勢など部屋の隅の埃も同然。自然と、負ける為に行くのか勝利のために研鑽するのかの二者択一を迫られた結果、トラックに撥ねられて死ぬまで腕を上げる道を選び続けた。
そんな紙オタが、趣味でしかなかったデュエル。それが実力によって人権を担保出来る命綱と成った世界に産まれ落ちた。
そのうえ愛する娘を持ったのだ。英才教育の一つも施したくなるのは、至極当然の道行だ。(朝四時に起こすのは狂ってるが)
なお、中途半端な攻撃力の通常モンスターばっかりでデッキを組ませているのは、純度100%の趣味である。
「それに何より…………アイツ、
「それについては……アナタに問題があるんじゃないですか。
遊好に絵本の代わりにあんなもの読ませておいてよくも言えましたねえ、ア ナ タ ?」
「ゴメンナサイ……ユルシテ」
ツァン・ディレ LP4000
古山遊好 LP4000
「ボクのターン、ドロー」
先攻はツァン・ディレ。無意識にあざといドローをキメて、メインフェイズに入る。
(一方通行な)因縁の相手との、初めてのデュエル。必勝の気合を込めて手札からカードを選ぶ。
「ボクはモンスターをセット。
ん……まあ、ターンエンド。
さあ、見せてもらうわよ。貴女のデュエルを!
…………って、ちょっと聞いてるの遊好?」
ツァンがエンドを宣言して、次の遊好のターンに備えようと身構えている。
だが、遊好は自分の手札を見つめたまま動かない。
(もしかして手札事故……? にしては、笑ってる……ううん。ニヤけてる?)
「ギュフフフフ~~……♡♡♡」
「ねえ! ちょっと遊好! 貴女のターンよ。聞いてるの!? ねえーー!!」
「ぐふふへへへへ~……………………え?」
ツァンが叫び続けると、ようやく遊好が顔を上げた。
ニヤけている。口の端でヨダレを垂らして、だらしない顔でニヤけている。
「な、何でニヤけてたのよ? 貴女のターンだってば!」
「ああ、そっか。今デュエルしてたんだっけ。フフフ。
じゃあ、私のターン。ドロー。じゅるり……♡」
手の甲でヨダレを拭いて、手札からカードを取る遊好。その手は重度のアル中のように細かく震えて、顔は歓喜に濡れていた。主にヨダレで。
「つ、ついにこの『キャワキャワ』ちゃん達を、ソリッドビジョンで……グフフフ、デュフフフフフフ~~♡♡♡」
「な、何でそんな気持ち悪いのよぉ……」
二人の図は、エロ本を拾った男子と、ソレを目撃してしまった女子。今この瞬間、男子によってエロ本の第一ページ目が
「祭りじゃああああああああああああーー!
手札から『
遊好がデュエルディスクにカードを装填すると、何故かモンスターがすぐに姿を見せずに、代わりに開いたページに赤いリボンが乗った分厚い本が出現する。
本からは、赤いリボンと本が先端に結ばれた太くてモフモフな尻尾が顔を出す。それから足だ。ピンク色の小さな肉球が乳首のようにぷくりと扇情的に二つ出て来て両足が姿を見せる。フリフリのドロワーズに包まれたお尻と尻尾の付け根が次いで現れ、ぺたんと地に着く。それから、頑張って召喚の穴を抜け出そうとしているのだろう。腰回りが少し浮いては沈み、力を入れる度にモフモフの尻尾がピンと立つ。
暫くして、ようやく全身が穴を通り抜けて「ぷはっ」と息をした。健気さが報われた
「ず、随分召喚に時間が掛かったわね。バグかしら?」
「が……い」
「え?」
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ーーがわ”い”い”よ”お”~~~~~!!!!♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
遊好がケモノのような声を上げ、モフモフのケモノ姫を全身で抱きしめた。
『ーー!? ~~~~!』
「デュエル中に何をモンスターで遊んでるのよ!? と言うか何で触れるの!?!?」
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ーーモフモフ、モフモフ、モフモフゥゥゥゥーー!!!!♡♡♡♡♡♡」
『キュ~~~~~~っ!!』
全身、特に大きな尻尾と足の肉球を欲望のままに揉みしだかれたシラユキが、控えめに、しかししっかりと抗議の声を上げた。
「ちょっと止めなさいよ遊好! モンスターが嫌がってるでしょう!?」
『キュ、キュゥ~~~~~!』
『
「ハァ……ハァ……!! も、モフモフ……モフモフゥ……!」
「落ち着きなさい遊好! デュエルはカードとの信頼関係が大事なのよ!? シラユキに嫌われても良いの!?」
「クッ!!!!」
腹の底から忌々しそうな声を上げ、原子レベルの差で理性が勝って離れる遊好。
「あ、危ない危ない。あまりのシラユキの可愛さに、理性が蒸発するところだった…………ぐへへ♡」
「そう……蒸発した分の理性も、早く帰化してね…………」
「海外まで飛んでねえよ。
バトル。妖精伝姫ーシラユキで、セットモンスターに攻撃!」
攻撃宣言がされたシラユキだが、本
すると、空から魔女が飛んできて果物篭からリンゴを一つ。ポロっと相手モンスターの頭上に落として去っていく。
着弾したリンゴが天まで登る勢いで爆発。セットモンスターは木っ端みじんに粉砕された。
「演出が怖いわよ!!」
「こんな可愛いケモケモプリンセスちゃんに、野蛮な戦闘なんてさせるわけにもいかないでしょ? モフモフが汚れる。だから、汚れ仕事役シカタナカッタ」
「だからってリンゴを爆弾にしないでよ、しかもあんな戦争で使うみたいな威力で! 怖くてリンゴ食べられないじゃない!!」
「剥けばいいじゃない。
はい、カードを四枚伏せてターンエンド。ツァンさんのターンだよ。がんば」
「…………その大量の伏せカード、絶対にシラユキを護るって意志が見えるんだけど」
「当たり前でしょ。モフモフちゃんに手を出したら…………喰い散らかすよ?」
「ボクどうやって勝てば良いのよーーー!!!!」
つづく。
大丈夫だよツァンちゃんw
作者は昔、スケープゴートの羊トークンを艦これの第六駆逐隊(別ゲーのカード)で出されてしまい、ルール外テキストの効果で攻撃を封じられたままゲームを進行することになった過去があります!
そして、ロリコンの誇りに賭けて一切攻撃せず(無論除去も無し)に勝ちをもぎ取ってやりましたよ。【青眼征竜】で。
だから大丈夫。ツァンちゃんも出来るよ!!!!
古山遊好。どんな女に見えていますか?
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朝寝坊のために頑張る苦労人
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常識人の皮を被れていない変人
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クソ親父の教育で価値観が壊れた子
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まだヤバさの覚醒を残している子
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キャラが薄くて印象がない