嫌われ生徒はその後に好かれても気付かない。   作:ブルーアーカイ部 一般部員

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感想・コメントは大真面目に全部読ませてもらっております
とても励みになります、執筆が遅いもので……

アンケ取ってるので、回答お願いします!


ぱんぱかぱーん!アリスは"突撃"を覚えました!

 

──────目を覚ました。

 

何故だか今日は起きるのが早かった。

言ってしまえば、ただの衝動のようなものなのだろうけど。

 

普段からシャーレに常駐させて貰っているとしても、僕は今でも、トリニティの端にある僕の部屋に住んでいる。一人暮らしを始めたての頃、空いている所がそこしか無かったのだ。

郊外も郊外。学園まで歩くのにはバイクを使って片道一時間である。田舎の学園、それこそアリウス自治区が今も正しく機能していたら一般的な距離と登校時間とも言えるが、トリニティは超ご令嬢たちが通う学校である。トリニティ内部に住んでいる人を除けば、大抵が車による送迎である。

あとから聞いた話では、不動産側が情報を統制していたらしく、全然普通の家もあったらしい。解せぬ。

 

まぁ、アレコレありつつも、今こうして生きている。それだけで上々じゃないか、と納得している。

 

「……お、クロノスの報道だ」

 

ビルの屋上で意味もなく佇んでいると、いつもの電光掲示板が光り、報道が流れる。

基本的に対人関係が終わっている僕は、先生以外ではここしか情報が手に入らないのだ。

極稀に露出狂の変態ネキ(浦和ハナコさん)が雑談として話してくれる。けど正直頼りにしてない。

そんな変態の情報は偏っている、と言う偏見が強いのかもしれないが……個人的な最もな理由は、『自分の目で見た方が確実だ』と言う点だろう。

 

人間が情報を得る上で最も使っている箇所は目らしい。ミレニアムのどっかの部活がそれを発表していたのは記憶に新しい。

それに加えて、僕は偽の情報に騙されてリンチにされた事があるのだ。幸いなことに、その時も正実が現着してツルギさんが暴れて回ってたお陰でなんとかバレずに逃げ出すことに成功したが、普通に命の危機だった。

 

そのこともあってか、僕は目で見る情報のみを信じることにしているのだ。

そして僕は、その掲示板にとある驚きの情報が浮かんでいたので、つい復唱してしまった。

 

 

「『元アリウス自治区の生徒、秤アツコさんが次期生徒会長に推薦された。本人も乗り気』………なるほどねぇ」

 

エデン条約、その時にあった超デカい事件。

とは言え原因を探ってみると、始まりは小さな喧嘩や憤りからだった。人間とは恐ろしいものである。

所詮、人間とはそんなもの。どれだけ銃弾に強かろうが、真上から爆弾が振ってきたら対処に遅れ、最悪の場合は死ねるのだ。

 

だからこそ、そこには必ず『生存本能』が発生する。我先に助かろうとする。

つまり『()()()()()()()』が生まれるのだ。

 

幸いなことに、シャーレの勤務として僕が来ていた。ただでさえ同性間でバチバチし合っている状況下に、大人である先生が居るならまだしも、同年代の頼りにならない男子がそこに居たら────お分かりだろう。

 

そう、殆どのヘイトが僕に向かった。募り募った感情の濁流が、僕を襲った。

とは言え僕もキヴォトス人である。銃弾には耐性があるため、その全てを笑って往なした。

 

その結果か、現在では元アリウス生徒だろうと問題なくトリニティに通えており、楽しそうに学園生活を謳歌している。

それならば良かった、と自分に納得させた。きっと、その先にある物語に僕は不要だから。

 

 

大体の学園では、その土地から居なくなれば怒りが収まると言うモノだ。しかし、今回はそうはいかなかった。

なにせ、僕が過ごしているのはトリニティであり、一種のホームのようなものだからだ。

 

怒りは収まらず、言葉にする。しかして、表には決して出さず、裏で言い合う。それこそがトリニティ流だ。

せめてゲヘナのように、明確な殺意を向けてくれたら対処がしやすいのになぁ、と呑気に考える僕は何処か壊れているのだろうか。

 

 

閑話休題。

今日訪問する学園はミレニアムである。

 

 

 

先生に『今日はミレニアムに訪問してもいいですか?』と連絡を入れたら、最速で『"いいよ"』と返ってきた。

 

「…………あの人、常にモモトークを開いてるんじゃないか………?」

 

そう思ってしまうほどに早かった。僕が送った瞬間に返ってきたのはもはや恐怖である。ハンテンシソウ!!*1

 

 

ミレニアムサイエンススクール。『千年難題』に挑戦し、歴史はまだ浅いがそれでも尚トリニティやゲヘナに劣らずの進化を遂げている科学の街。

 

知っての通り、あの学園は他のところと比べると比較的温厚な学園である(トリニティの内面だったり、ゲヘナの治安を考えると妥当である)。

そのせいか、多くの人がミレニアムに行こうと必死で努力するのが最近の風潮だ。勿論家柄を大切にし、そのままトリニティに進学したり自由を求めてゲヘナに行くのも、文化を体験しに百鬼夜行に行くのも手だ。

 

僕は学力が足らない……いや、学習する環境を軒並み壊されたせいでトリニティに進学する他無かったが。

 

今回はなんと先生も同行している。嬉しいかな、先生はしっかりとした『大人』である。

この世界の大人は基本的にろくなものでは無い。僕の親もそうだし、街往く人達だってそうだ。

黒服を名乗る黒服を着た黒い大人や変な遺影を持った大人が一番マシだと思っていた時期もあった。

 

その時に先生に出会った。

初見の印象は、『何か裏のありそうな人』と言うモノだった。

あのような善意しかない行動を取る大人など、居ないと思っていたからだ。

即座に善意の塊で出来た世にも珍しい人間だと言うことがわかってからは多少の信頼を寄せている。

 

流れでお察しの人も居るかも知れない。

 

C&Cや特異現象捜査部、(何故か)ゲーム開発部などが原因対策に日々奔走しているから、ミレニアムは他の学園と違って『治安がすこぶる良い』のだ。

 

特に問題なのが3つ目である。

『何故ゲームの開発が主な部活が、それに一年生のみの部活が??』

と考えるのが普通である。

 

だってそうだろう。一年生、しかもその中でも小柄な4人達である。

いやまぁ、良い子達なのは変わりない。とは言え僕は仲良くなる気などないけど。

 

別に、あの子達が何かをした訳ではない。ただその好意が『偽物』であることは目に見えている。

 

 

そうして僕はミレニアムに足を踏み入れる。

科学に発展した街、とは名ばかりではなく。街を歩いているだけで、自動歩行型機械が闊歩している。

そして大通りに出た時、聞き馴染みのある声が聞こえた。

 

「あっ!見つけました!」

「………げ」

 

子供らしさ全開の声。例えばゲヘナのイブキさんか山海經の子供達かココナさんくらいである。

 

しかし、ここはミレニアム。つまり該当者は5人である。

だが元気✖敬語✖ゲーム口調と考えると一発でわかる。

 

その青い塊が全力ダッシュして僕の方へ突っ込んでくる。

 

 

─────()()()()()()()??

 

「ちょっと待ってアリスさん減速してくれないと当たっちゃ───ぐべあっ!!?!?

 

……遅かった。僕が言い終わる前に、アリスロケットが鳩尾に、さながらクリーンヒットだ。カンストダメージを叩き出し、僕はノックアウトと言ったところだろう。

 

そんなこともいざ知らず、腹の上の青い塊────アリスは捕まえたと言わんばかりに満面の笑みで僕に語りかける。

まだ僕は宙を舞っている最中である。

その後、僕は二転三転してようやく止まった。超痛い。

 

「アリス、見つけました!最重要攻略キャラ、アスの発見です!好感度アップイベント発生です!」

 

………重い。女性に言っちゃいけないランキング第一位なので口にはしないが、女子高生の体重とは普通に厳しいのである。

勿論、彼女達が太っていると言うわけではない。が、非力な男子高生に超高速度でぶつかるとかなりの被害が出るのだ。

 

「……あれ、アスの返答がありません!メインシステムの故障でしょうか?」

 

「……まずは、降りてくれない……?」

 

「嫌です!」

 

うーん、この。しかし圧倒的善性。

矛盾しているようで、していない。僕の善は時に誰かの悪であり、誰かの善は僕の悪となりうるのだ。

薄皮一枚隔てただけの、表裏一体。つまりは価値観次第である。

 

人間とはよくできたもので、その価値観を"合わせる"事が出来る。尤もそれは、同様の境遇にある人限定にのみ機能する思考であり、黒一点の黒側である僕には共感者も理解者もいない。

調べたことはないが、きっと。

 

何とか退かそうにも、重すぎる。ぎゅっと僕の服をつかんでいるのだから剥がそうにも剥がせない。服の耐久力の負けである。

 

…………にしたって、やばいな。明らかにアリスさんの膝が僕の鳩尾に直撃している。しかも全体重が乗っていると来た。

 

肺の中にある空気はさっきの一撃で全て放出された。

………あ、これダメなやつだ。

 

そう悟った僕は大人しく、酸欠により起こる気絶の波に流されていくのだった。

 

 


 

 

始めは、きっと些細なものでした。

目覚めて、そしてモモイ達に連れられてミレニアムに訪れ。

TSC(テイルズ・サガ・クロニクル)をさせられた時、『天童アリス』は目覚めました。

 

物語のような、派手な登場でもなく、ぬるっと現れたのが先生とアスでした。

先生は噂通りの優しい大人の人でした。けど、隣のアスの方がもっと気になりました。

 

きっとアスは先輩な筈なのに、何処か後輩のような、そんな不思議な雰囲気がありました。後に、性別が違うことがわかってからは、その違和感も払拭された気がします。

 

特別な出会いでも、運命的なモノでも、無かったのでしょう。

けれどその思い出たちは、アリスの中に深く刻み込まれています。データベースではなく、もっと、心の奥底の方に。

 

…………アリスには、恋愛がわかりません。シュミレーションゲームなら、何回かしたことがあります。けど、実際は上手くいきませんでした。

 

今日だって、アスを見つけたので『街角でぶつかってしまう』と言うイベントをこなしたはずでした。

結果は、アスが寝てしまいました……

 

アリスはきっと、失敗してしまったのです。

けど、直接的な言葉では、駄目な気がします。

アスの目は、闇落ちキャラのように真っ黒です。瞳孔の色は深紫色なのに、一切の光がありません。

 

アリスは勇者として、仲間の好感度は保たなければなりません。けど、その方法は……ずっと、不明なままです。

いつかこの気持ちに、整理がつく日は来るのでしょうか。

 

 

その答えを、アスは知っていますか?

 

 

 

*1
アスは先生の話から少しだけ聞いただけで、反転が何かは理解していない。





Tips!

黒神アス・・・キヴォトス唯一の男子生徒。男子が唯一なのではなく、『男子生徒』が唯一である。その為か同年代の女子達から不審がられ、その態度から嫌われていた。
しかしアスは圧倒的善人であり、人の感情の機微にも敏感である。
アスは自分に向けられている悪意を悟り、静かにフェードアウトしていった。
が、その時に取った対応が『とりあえず笑顔でなんとかする』と言うあまりに乱雑だった内容だが、真摯に人の悩みを聞き、解決して周り、先生と共にあまねく奇跡の始発点まで駆け抜けた。
そのせいで今では彼に好意を持つ生徒が殆どである。だがアスは既に一線引いていたのだ。

以前とは逆の立場である。以前はアスが近寄っていた。しかし、今ではアスが遠ざかり他の皆が近寄っている。

同性の先生には僅かながら心を開いているが、それだけである。

学園はトリニティ。本人は全く知らないが、トリニティ内の乱戦やいがみ合いがあったのはアスがトリニティ所属だった時までのことであり、今ではイジメも小言も存在しない。アスへの好意をどう伝えるか、その議題は全員の悩みだったようで友達が増えたからである。

隠れ偉業である。トリニティとゲヘナの停戦条約も結び、寧ろ交友関係を広げてしまっているのは、偏にアスが嫌われたおかげである。

特段話術に優れているわけでも無く、身体能力に優れているわけでも無い。
武器はハンドガンであるが、実戦経験も使用経験もない。愛着もなく、名前は『銃』。

セリフ前に名前あるのは?(再安価)

  • そのまま続行頼ます
  • 見づらいから変えろ
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