嫌われ生徒はその後に好かれても気付かない。 作:ブルーアーカイ部 一般部員
アンケートの回答、ありがとうございました!
考慮した結果、キャラの名前をセリフ前に付けるのを辞めました!
ご協力、ありがとうございました!
今日も今日とてキャラ崩壊アリかもです。
ご注意ください。
いつもご視聴頂き、ありがとうございます。
よろしければ是非評価と感想を頂ければ励みになります。
─────目を覚ます。
いや、確かに油断した。ミレニアムの上空に浮かぶ、人智の結晶の数々。
それらは人が発案し、行動し、完成させた地道な努力の結晶なのだ。
眩しかった。どうしようもなく、僕はそれを直視出来なくなり下を向いてしまった。
そのせいで目の前にいたであろうアリスさんに気付けなかったのが最大の難点だろう。
そのせいか、僕はミレニアム内にある何処かで寝かせられていた。
………そこが何処か、探さずともすぐに分かった。亜麻色の髪の大きな犬のような人がのしかかっているからだ。
僕はその人をやさしく叩き起こす。
「………アスナさん、起きてください」
「……んぅ?あ、起きたー!ずっと待ってたんだよ?」
うん、アスナさんなら絶対そう言うと思ったし、だから寝ていたんだろうと予想もつく。
良くも悪くも、この人の行動パターンは読みやすい。
時折変な行動をするが………まぁ、それもなんとなくわかる気がする。
ってか、どうして僕はC&Cの部室で寝ていたんだろう?
「リーダーとアリスちゃんが此処まで運んでくれたんだよー!後で、きっちりお礼を言うんだよ?」
内心読まれた!?…………いや、アスナさんお得意の直感ってやつか。
本当に、この人の直感を信じてなかったわけじゃないけど……いざやられると本当に心臓に悪いな。
………ああ、やっぱり。
僕は、
「………はい、わかってますよ」
「うん!それなら良かった!」
そう言ったアスナさんは、僕の上から飛び退いてどこかへ向かってしまった。
誰も居なくなったその部室で、一息吐く。
やはりこの街は安全だ。けれど────だからこそ、安心できない。
心の何処かで、トリニティらしさを感じてしまうのかもしれない。理詰めしてくるタイプが多いのだ、ミレニアムとは。
直接的な被害はなかったにしろ、当時の僕は精神的にやられた事があるのだ。
生徒会長の調月さん。あの人はトロッコ問題と称して状況を説明したことがある。5人を救うか、1人を救うか。
調月さんは恐らく、大義名分のもとに5人を救い、1人を捨てるタイプだ。
それがどれだけ批判を集めようと、権力がそれを可能にしてしまうのだ。
権威に溺れた、と言うわけではないだろう。寧ろあの人に至っては真逆な印象を抱く。
きっと、ミレニアムの安寧のためならば自分の力を使って何でもしてしまう人なのだろう。
………そう信じがたいことに、似ているのだ。誰かの為に、自分を犠牲にするところが。
同族嫌悪に近しい何かなのかも知れない。それがどうなのかは、ハッキリとは分からないけど。
あの人も結局、理詰めするタイプだ。自分の思考が正しいのなら、この未来が起こる。だから対策を練る。
「……………その努力が、無駄になるとしたら?」
僕はそう問いかけたい。似ていることは認めよう。しかし、僕はトロッコ問題で言うところの『
あの人は、自分がレバー側の立場として考えている。けれど、僕はそこに立つことすら出来ない。
だからこそ、僕とあの人は永遠に分かり合えない。
いつだって声を挙げる権力を持つのは、レバー側なのだから。
しかしそれも良いだろう、と自分に言い聞かせる。
あの人はあの人なりに考えている。それも、僕なんかよりもよっぽど頭が良い。
世間的に考えるならば、調月さんの方が多数派なのだろうか。考えれば考えるだけ、僕はドツボにハマっていく。
その程度で躓いている時点で、僕はお察しである。
溜息をつき、僕は体を起こす。酸欠がまだ響いているのか、それともまた別の理由か。
ともかく、体は動く。五体満足。なら、行こうじゃないか。
そう、足を地面に付いたその瞬間のことだった。
「─────調子は戻ったみたいだな?」
不意に、後ろからそう聞こえた。
驚いた僕は、勢いよく後ろに振り向いた。
そこには窓に腰掛けたサーモンピンクカラーの髪が、風に乗って靡いていた。
「………美甘さん。居たなら話しかけてくださいよ……」
「んだよ、折角ゆっくりさせてやろうと思ったのに」
美甘さん。ここ、C&Cのリーダーであり、約束された勝利の象徴として名を馳せる名実共に「ミレニアム最強」のメイドさんである。
この人は正直、怖い。目つきもそうだが、態度が明らかにヤンキーのそれだ。
「つーか、あんなとこで何してたんだ?傍から見っと絵面最悪だったぞ」
「あれは……その………」
「………結局どっちが悪ぃんだ?」
「さぁ?」
どっちにしたって分からないものは分からない。
ただ美甘さんは物分かりが非常に良いので、そこから追求するのは諦めたようだった。
「………なぁ、お前。今日ここから予定あんのか?」
美甘さんは真面目な顔で僕にそう問いかけた。
このあとは………しまったな、特に何もない。
けれど、バカ正直に言うのもアレなので────
「この後はゲーム開発部に寄る予定です。ゲーム開発の手助けが欲しいとかなんとか」
「………へぇ?」
我ながら、中々に良い嘘だと思う。ゲーム開発は日中ゲームしているかゲーム開発しているかの二択であるから、その情報に齟齬はない。
第一、美甘さんもはなるべく早く離れたいのだ。この人は強いし。
「んじゃ、ゲーセン行くぞ。チビ達もそろそろ飽きる頃合いだろ?あたしが連れてってやるよ。」
………え?
僕は多少抗議しようとしたが、有無を言わさない力で運ばれた。解せぬ。
そして、ゲーセンにて。
今回来たのはアリスさんだけだった。花岡さんはユウカさんに呼び出しを食らっているらしく、才羽姉妹はデバッグ作業に勤しんでいるらしい。
………まぁ、アリスさんが思いっきりバラしてしまったせいで、才羽姉妹はただグダグダしているだけだと言ってしまったが。
美甘さんはアリスが来たことに取り敢えずは納得したらしく、二人でゲームをしていた。
途中混ざり込み、3人でレースゲームをした。
「ってオイ!あたしばっかホーミングしてるやつ誰だ!」
「それ、NPCです……」
「ああっ、ネル先輩がNPCに狙われています!ネル先輩のプレイスキルじゃ、流石に無理ゲーです!」
「んだとゴラァ!!」
「…………あははっ」
「「!!」」
─────楽しかった。
こんなにも楽しい思いをしたのは、いつぶりだろうか。
少なくとも、高校生になって二年間は無かった。
どうやら、僕は笑っていたらしい。
それに気づき、顔を背けたが遅かったようだ。
「アリス、アスが笑うのを初めてみました!」
「案外良い面すんじゃねーか!」
くそぅ、褒めるな!!褒められ慣れてないんだ僕は!
…………なんて。こんな感情が湧いたのは、いつぶりか。
きっと、僅かな一時。夏の夜の夢のように、儚く消えてしまう泡沫だとしても。
僕はこの瞬間を、一生忘れないだろう。
そして、帰る時間になった。
ゲームの結果は、1位がアリスさん、2位が僕、3位が美甘さんだった。
美甘さんは想像以上に弱く、本当にゲームの実力はそこまでなのだろう。
しかし、楽しければ結果オーライである。ゲームという物は、人と人の蟠りを無くすのに丁度良いらしい。僕は一つ学んだ。
そして、帰り道。
「………おい」
「……はい?」
急に声をかけられた。足は止まらず、ただ歩きながらの雑談的なモノ。
けれど、ゲームの時に得た感情がまだ僕のまともな思考を狂わせていたようで、僕は次の言葉を待つ。
「…………隠してくつもりは無かったんだがよ……聞いちまった。お前がさっき、愚痴吐いてるとこ。」
…………一気に、空気が凍った気がした。幸いなのはアリスさんが既に居なかったことだろうか。
「…………何の話─────」
「とぼけんな。あたしゃ全部見ちまったからよ」
…………終わった。そう感じた。
楽しかった時間はもう終わりなのだ。これからは、いつもの地獄が始まる。そう思い、僕は立ち去ろうとしたのだが。
「………でも、まぁ。そうだな」
声色が変わった。問い詰めるような声ではなく、温かい声に。
「お前が何を抱えてんのかも、何があったのかも聞く気はねーよ。ただ、"抱えてる"ってことはわかる」
「………それ、は」
「良いよ。とっくにバレてんだ」
「…………あたしゃただの学生だからよ。先生みたいに大きな力になったりなんかできねえけど────」
そして、美甘さんはニカッ、と笑って僕の背中を叩いた。
「痛っ………!?」
「ほら、気張れっての」
若干の痛み。しかし、それで目が覚めたのかも知れない。
「背中を押してやることくらいは出来んだよ」
「………美甘、さん………」
「そんな顔すんなって。………あー、強く叩きすぎたか?」
「………いえ、大丈夫です」
……ああ、本当に。この学園は苦手だ。
平気で、個人のテリトリーに入ってくる。
ただ、この人は─────何かが、違う気がする。
勿論、まだ僕の評価は変わっていない。当然のように人は裏切るし、撃ってくるし。
その恐怖心は未だに僕の心を蝕んでいる。
「そうかよ。じゃまたな、アス」
「………はい、
僕は少しだけ、対応を変えようと試みたのだった。
アスが帰ったのを見届けて、小さく溜息をつく。
自分の悪い癖だ、と少しだけ自嘲してみるが、あまりに似合ってなかったのですぐ辞める。
すると、後ろから声が届く。
「………ネル」
「………んだよ、リオ」
最近、鋼鉄大陸のアレコレを経てやっとミレニアムに帰ってきた大馬鹿者が後ろには立っていた。
が、その顔は優れない。理由は明白だ。
「………伝えないで、良かったのかしら?あなた、彼に恋心を抱いていると見たのだけれど」
「…………はぁっ!?」
前言撤回だ!!全然明白じゃなかった!!
「いやいや、なんであたしがアイツに惚れなきゃなんねーんだ!?おかしいだろ!!」
「そ、そうかしら?でも、あなたの態度や発汗量、頬の好調度具合からして、合理的な判断だったのだけれど────」
「んなの見てんな気持ち悪ぃ!」
……………とは言え、だ。
アイツに特別な感情を抱いてるのは事実だ。
目の前で救えなかった、あたしの唯一の敗北点だ。
その日は珍しく、しくっちまって立てなかった。
その時に、アイツが身を呈してまでして立ち上がり、依頼主目掛けた一撃を守ったのだ。
その隙にあたしは射撃して、事なきを得た。アイツも何もないかのように振る舞っていたが、足が震えていた。
…………あの日の依頼は確かに成功だった。でも、アイツを守ることだけはできなかった。
その日から、ちょっとずつ気をかけてやっていた。
でも、今日聞いてしまった。
『─────その努力が、無駄になるとしたら?』
その一声で、何かが決壊した。
静かに、その場から立ち去ろうとしていた自分の足を止めるのには、その言葉はあまりに鋭利過ぎた。
だからこそ、ゲーセンに連れてってやった。効果は明白。アイツの笑う顔を見れただけで大満足だ。
「………ネル。本当に良いの?」
「良いっての。つーか、お前の方こそ伝えることがあるんじゃなかったか?謝罪がまだだ、とか言ってたのはお前だろ」
「………ええ。そうね」
「………あたしは、良いんだよ。これは恋じゃない。気軽にバカやれる友人への気配りだっつの」
それは、紛れもなく本心だった。と言うより、目の前で明らかに項垂れているコイツの方が早く告れと思ってしまうのは何故だろうか。
いや、それこそ単純明快ってやつだ。
「………お前、もしかして─────」
「待ちなさい、ネル。その先の言葉は非合理的よ。ええ、だから静かに─────」
「アイツのこと、好きなのか?」
「」
「あ、死にやがった」
オーバーフローして、脳から湯気が出ている。仕方ないので、そのままセミナーに運んでやった。
きっと、アイツが素直になるまでコイツの願いは叶わないだろう。けれど、手は尽くした。
後は、アイツ次第だ。こっから手を出すのも、遠ざけるのもアイツだ。あたしゃそのサポートに徹するしかできないがよ。
なぁ?アス。
アスは見た目で判断するのを辞めただけで、別に根本のアレコレは一切変わってません。
悲しいことに、そう簡単に人の心は変わらないのです。
あとルーキー二次創作ランキング11位、ありがとうございます!(もう変わっておりますが)
セリフ前に名前あるのは?(再安価)
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そのまま続行頼ます
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見づらいから変えろ