Fateにクソゲーマーをぶち込んでみた   作:botanK

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呼び出した英霊が無名の変態だった

 

 召喚したサーバントがセイバーだと思ったらアサシンで、しかも半裸で覆面。どう考えても不審者の格好をしたサーバント。

 そのアサシンがようやく、己の真名を口にした。

 

「サンラクって言うのね、貴方の真名は」

 

「おう。つっても、()()()()()しか憶えてないんだけどな」

 

「どう言う事?」

 

「どうも何も、俺が何処で産まれたのか、何を成したのかは憶えてる。でも、何を目的に生きていたのかが思い出せないんだよ」

 

「ただの記憶喪失って、訳じゃなさそうね」

 

「確かにそうだが、まあ良い。今日は寝た方がいい、明日に響くぜ?」

 

 アサシンに言われて時計を見ると、既に日を跨いでいた。どうりで異様に眠たい訳だ。

 

「そうね、何でハシビロコウの覆面を被ってるのか、その体にある傷は何なのかとか、何で半裸なのかは置いといて、この話は明日以降にしましょう。それじゃあおやすみ、アサシン」

 

「あぁ、おやすみ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢を、観ていた。

 

 其処は月が闇を放ち夜空が白に染まっていた。

 

 其処は、1つの桜が狂ったように咲き続けていた場所だった。

 

 其処には一人の、白い甲冑を身に纏った“死に損ない”が佇んでいた。

 

 ーー何かを、守るように。

 

 己の『魔術師』としての勘が告げる。()()は、人間では勝てないと。生半可な英霊ですら容易に殺しかねない重圧に半裸の鳥頭(サンラク)は楽しそうに笑っていた。

 

『【墓守の■■ザエモン】いざ尋常に……勝負!!』

 

『ーー【断■】』

 

 まるで壊れたフィルムのように流れて来る音声は雑音が混じって、映像も所々が焼け落ちたように見えなくなっている。

 そんな夢で最後に見たのは、2メートルはある大太刀が首目掛けて唸りを上げて………そこで夢が覚めた。

 

 

 

 

 

 

「おう、おはようさん。マスター」

 

 眠い目を擦って声のする方に顔を向けると、上半身半裸で覆面を被った男が見慣れた自分のソファーで我が物顔でくつろいでいた。

 

「きゃあああ!!!」

 

 年頃の女の子には、かなりショッキングな出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます。遠坂先輩」

 

「えぇ、おはよう」

 

 いつも通りの学校、いつも通りの平和な日常。そう、いつも通り……

 

『へぇ、俺の学校とそんなに変わらないな』

 

 いつも、通り……!!

 

 遡ること数時間前、遠坂が学校に行く時に戻る。

 

「ーー今から学校に行くから。霊体化できる?」

 

「霊体化ぁ?何だそれ、新しいスキルか?」

 

「もう既に【聖杯戦争】は始まってるの、いつ何処で襲われるか分からないもの。護衛の意味を込めて、霊体化してついて来て欲しいの」

 

「あの、ごめん。その霊体化ってのがあんまりピンと来ないんだが?」

 

「ハァ……良い?霊体化ってのは、サーバントの体を構成する魔力を分解して、壁とかすり抜けれる状態になるのが霊体化よ。でも霊体化してると、攻撃出来ないってのが欠点だけどね」

 

 凛の解説を聞いて、うんうんと頷くアサシン。流石の凛も、多少誤魔化しの魔術は使えるが、半裸の男を完全に隠せる訳が無い。だから霊体化すれば、その苦労も無いのだが。

 

「あ、悪い出来ねぇ」

 

「アンタ本当にアサシンなの!?」

 

「さぁ?()()()()このジョブ(クラス)になったってだけだし、何とも言えないな」

 

「ほんっとに、アンタ何なら出来るって言うのよ……」

 

「まあまあ。カルシウム足りないんじゃ無いの?」

 

「誰のせいだと思ってんのよ!?」

 

 結局、凛はアサシンに認識阻害の魔術を幾重にも重ねて、重ねまくって1日を過ごした。

 これが犯罪者の気持ちかと、この時凛は理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーやっぱり。学校中に魔法陣が仕込まれてるわね」

 

 夜中の学校の屋上に、凛はサンラクと共にいる。

 

 最初に、1日中サンラク(変態)を隠し通した自分を誰か褒めて欲しい。正直に言うともう既に帰って寝たいほど、精神的には疲れている。

 

 だが、冬木の管理者として神秘と関係の無い一般人を巻き込む魔法陣(コレ)を放っておくなんて、そんな事は絶対に出来ない。

 

「なぁ、これって本当に危ないもんなのか?俺にはあんまり魔法は分かんないんだけど」

 

「魔法じゃ無くて、魔術って言いなさいアサシン。この魔法陣は、学校にいる生徒達の生命力を吸い続けてる……最悪、命に関わるわ」

 

「はぁ!?何だよそのクソトラップ!!即死系の設置技とか大概ナーフ案件だろ!!」

 

「何言ってるのかは本当に分かんないけど、とりあえず危機感は持ってくれたみたいね」

 

「まあな、流石に人が死ぬってなると危機感持たざるを得ないだろ」

 

 鳥の被り物の上から頭をポリポリと、神妙そうな顔をして掻く。

 

「とりあえず、地道に1個ずつ潰すしか無いわね」

 

「そうだなって、言いたいところだけどマスター。敵だ」

 

 と、サンラクが上を見ると給水タンクの上に立ってこちらを見ている赤の槍を持つ青タイツの男。

 

「ーーへぇ、俺よりも奇抜な格好してる奴は初めて見たぜ」

 

「うるせぇ、こっちだって気にしてんだ」

 

 青タイツの男がサンラクの体にある傷を見て、驚きの表情で固まる。

 

「お前、何したらそんな()()()()に目を付けられるんだ?お前の体にあるその(呪い)。いや、呪いなんて優しいモンじゃねぇ、もっとおぞましい何かを、胴と足に刻まれてやがる」

 

「なに、夜に襲って来る狼がいたんだよ。まぁ俺の事は良い、アンタのジョブ……あぁクラスか、見た感じ【ランサー】で間違いねぇな?」

 

「まぁ、槍担いでるしそりゃ一発で分かるよな」

 

 ランサーが肩に担いでいた槍を振り回して、構えを取る。その様子はさながら、獣のような荒々しさすら感じる。

 

「マスター、あんたは下がっててくれ……さて、神話の英雄様の力、見せて貰おうか!!」

 

 アサシンの手元の空間が、バグでも起こったかのように崩れ始め、青白いエフェクトと共に現れたのは、2対の短剣。

 

「初陣と行こうぜ、傑剣への憧刃(デュクスラム)傑剣への憧焉終剣(エスカ=バラッハ)!!」

 

 アサシンが何処からか取り出した双剣は、青い短剣でその輝きにいつのまにか目を奪われていた。

 

「へぇ……何だ、良い業物持ってんじゃねぇか。俄然、やる気が出たぜ」

 

 ランサーが瞬時に間合いをつめて、両手で握っている赤い槍をアサシンに向かって上から下に振り下ろす。

 

 アサシンは双剣を前にクロスさせて振り下ろした槍を、パリィ(弾いて)してそのまま流れるように、ランサーに切りかかる。

 

 しかしランサーはそれを予見していたのか、槍を片手で回転させて迫り来る刃を軽くあしらうように、アサシンの双剣を受け止める。

 

 瞬間、ランサーはアサシンの背後に回り赤い槍を突き出す。

 

「うおわぁ!?」

 

 アサシンはその場でジャンプで回避し、ランサーが突き出した槍を一度蹴って、ランサーとの間合いを詰める。

 

「おらよ!!」

 

 右手に持った青い短剣をランサーの頭めがけて振り下ろすが、これもランサーは槍の持ち手で簡単に防ぐ。が、アサシンの左手に握った短剣を、顔前に突き出す。

 

 ランサーは少し驚きはしたものの、冷静に対処するが避けきれず、頬に決して浅くは無い傷が入る。

 

「良い動きだな、アサシン。だがな、お前の動きも、その両手にある武器も、俺は見たことも聞いた事もねぇ。それなのに俺と打ち合える程の実力……テメェ、何処の英霊だ?」

 

「おいおい、ランサー様はたかがアサシンに一発入れられただけで、そこまで警戒しなくても良いだろ?まぁ良いさ、実際のサーバントがどんなもんかってのは、だいたいすり合わせが出来た」

 

「あぁ?お前、何言ってーー」

 

「ついて来いよ、英雄サマ!!」

 

 【宝具】とは、その英霊の“在り方”を形にした物。その英霊が成し遂げた偉業、己の願いや理想を体現した、英霊達の切り札。

 

 故にその英霊の存在そのものを曝け出す。英霊の“真名”に繋がるもの、言わば個人情報のような存在。

 

 それを、こんな序盤で出すなんて、マスターである凛ですら予測出来なかった。

 

「ちょ、待ちなさい!!」

 

 令呪のパスからゴッソリと魔力が持っていかれる感覚、凛は令呪を使って止めようとするが、もう遅い。

 

「第一段階解放!!」

 

 先程の青い双剣が出たように、アサシンの左手の空間が崩れる。そこから出たのは。

 

「ーー手袋か?」

 

 ただ、一点。普通の手袋とは違う所、親指の所に()()が埋め込まれていた。

 

「ーー災い走る、黄金(こがね)の宝玉!!」

 

 左手に着けられた手袋で、親指に嵌め込まれている宝石で、右の胸を一度叩く。すると、アサシンの体に雷が迸る。

 

「【封雷の撃鉄(レビントリガー)(ハザード)】!!」

 

 天を()べた龍をも振り切った、【最高速度】のその一端を担う撃鉄(トリガー)が今、解き放たれる。

 

 





 英霊サンラクのステータスを大公開!!

 筋力:D
 耐久:E(A+)
 敏捷:EX+
 魔力:D
 幸運:EX(E+)
 宝具:A+

 クラススキル

『気配遮断』:E
 お情けでついてる。あっても無くてもあまり変わらない。

 保有スキル

『戦闘続行』:A
 HPが1でも勝利を目指す、さらにHPが1で変態挙動するから。

『心眼』:C
 ゲテモノ(クソゲー)ばかりしていたせいで、異常な危機感知能力が有る。

『単独行動』:C
 誰かと一緒に行動なんて、ほとんど見たこと無いね。

夜の女王(リュカオーン)の刻傷』
 自分より強い奴と戦う“運命”になる。強い奴と戦う時は、ステータスにバフ(強化)が入る。
 弱い奴と戦う時は、逆にデバフ(弱体化)が入る。
 ありとあらゆる魔術、魔法、呪いの類いを弾く。無茶苦茶な呪いや、魔術、魔法であればある程、弾く力が強化される。ただし宝具に対しては、効果が著しく減少する。
 しかし、敵からのデバフを弾く一方、味方からのバフもしっかりと弾いてしまう欠点がある。

『墓守の祝辞』(現状使用不可)
 相手が刀使用時、敏捷が下がる代わりに、それ以外の能力がワンランクアップする。(時間制限有り)

『深淵の盟約』
 1番数値が高いステータスと、1番数値が低いステータスを入れ替える。(時間制限有り)

天覇(英傑)への道のり』
 英雄的行動をすればする程、魔力の回復が早まる。(日中のみ)

『冥響の再録(アンコール)
 一度だけしか使えない。
 能力使用時、その時の自分のステータスを参照にもう1人の自分を創り出せる。(重複不可)

『灰被りの弟子』(現状使用不可)
 サンラクが持つ全ての武器が、一定の神秘を持たせる事が可能。しかし、武器の耐久性は著しく低下する。(触れている間のみ)

『未知に飛び込む挑戦者(愚か者)
 状態異常などのスリップダメージが2倍になる、令呪を除いた回復効果が確立で失敗する。(幸運に影響される)
 初めて戦う相手にのみ、自分のステータスが強化される。

『食いしばり』
 一度だけしか使えない。
 霊基を完全に壊されても、すぐに消えず魔力が無くなるまで、自分の身を現界し続ける事が可能。ただし宝具以上の魔力を消費し続ける。

『怪物特攻』:A
 その容姿、在り方が人間から離れていればいる程、サンラクが与えるダメージが強化される。

 宝具

臨界を超えて、天駆ける五つの雷火(プラティオン・ディス・トリガー)』(現状使用不可)

 対界宝具 レンジ:測定不能  最大補足:1人

 【第一段階】【封雷の撃鉄(レビントリガー)(ハザード)】解放。

 【第二段階】未解放

 【第三段階】未解放

 速度のみで対界宝具に至った。最後の一歩には、誰も追いつける事は出来ない。
 速すぎて、己の霊基すら置いて行く。故にこの宝具を使用後、サンラクは消滅する。使用するには、『灼骨砕身(しゃこつさいしん)』を使わないといけない。

灼骨砕身(しゃこつさいしん)

 一見持ち手しか無い剣に見える見た目だが、この刃を使う覚悟をしました時に初めて、刃と言うなの“毒”を出す。それを己に突き刺し体内に毒を入れる事で効果を発揮する。
 全てを怨み、呪い続ける蛇の猛毒(呪い)が既存のスキルや『刻傷』すらも()()()するだろう……自らの軌跡すらも塗り潰す、“猛毒”である。

 対自己宝具 レンジ:0 最大補足:1

月を模る兎の叙事詩(クレセント・メモリアル)
 3つの形態を持つ、変形する宝具。

致命の三日月(クレセント・ヴォーパル)
 
 対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人

 地面に両足が付いてないと発動出来ず、発動中も動けないと言うデメリットはある。
 3つある形態の内、1番使いやすい。ただし、クラスが【アサシン】である以上、これ以上は使う事は出来ない。

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