皆様初めまして!如月トッポです!
こんな作品を開いて頂きありがとうございます!!
この作品は学生の私が他の作品の息抜きに書き始めた作品ですので稚拙でガバガバです……。
そして更にブルアカにわかです…………。
このようなこともあり、かなり言葉のおかしいところや設定の間違いがあったりするかも知れませんが、皆様の暇潰しにでもなれば幸いです!
タイトル ホシノと最悪の喧嘩別れをした男子生徒の話
プロローグ
第一話 両者の守りたいもの、守れなかったもの
「ねぇ、トア君、この紙.....なに?」
空気が凍ってる、空気が重い、立ってるのが辛い、
「.......学校間の協力の契約書」
「いやぁ、流石におじさんも文字が読めるからわかるよ?聞きたいのはそこじゃないってわかってるよね?」
「..........」
言葉の伸びがない、明らかに怒気を孕んだ目と言葉がこちらを貫いてくる。
「ねぇ、転校ってどういうこと?おじさん全く聞いてないんだけれど」
「まぁ、言ってないs」
「そういうの今いらない」
「.......」
よりいっそう怒りが強まった、冗談でどうにかできるフェーズはとっくに過ぎているようだ、少し考えればわかったはず........、動揺してるみたいだ。
「ねぇ、内容、言ってみてよ、本当に理解できてる?」
「ミレニアムからの多額の返済義務のない資金援助、利子無しの融資、加えて協力の約束、援助や融資は即効性もある、ミレニアムの技術力があれこの学校も直せる、この砂もどうにかできるかもしれない、
原因療法とまでいかなくとも対処もなにかできるはず、アビドスとミレニアムでは割けるお金も、技術も、人員も何もかもが桁違いだから。」
「違うでしょ.....おじさんが聞きたいのはメリットじゃない、デメリットの方」
「.......自分のミレニアムへの転校さっきも言ったこれだけ」
そう、それだけ、たったそれだけ、自分一人がミレニアムに移籍したらいいだけ、破格だ、どう考えても、返済義務のない多額の資金援助、利子のいらない借金、技術の提供。
すべてが今欲しいもの、今のアビドスに必要なもの、それに期間も長い、立て直すにはきっと十分なはず、それをたった俺一人が転校するだけで手に入る、そうたったそれだけで。
確かに、今のアビドスには人も足りない、けど、明らかにメリットが大きすぎる、それに、立て直せればもっと新入生が入ってくるかもしれない、実質的には圧倒的に生徒を増やせるかもしれない。
「だけってなに、だけって、ねぇ、今アビドスに人が足りないの知ってるよね?たった四人だよ?なのに更に減っちゃうなんてさ?困っちゃうよ?」
「.......」
「ねぇ、まさか、本気で考えてないよね?ねぇってば」
そう、これは必要なこと、お釈迦様の垂らしてくれた最後の糸なんだから、きっと、これ以上のチャンスはない、少なくとも入学してからの今までの一年と少しでは正直言ってゴールどころか希望なんて見えなかった、この希望は眩しすぎるくらいに大きい。
だから、逃げるのを、目を逸らすのをやめる、黙るのをやめる、今、最善の選択を、この希望を、この糸を逃さないために。
「たった一人、自分一人がミレニアムに行くだけでこれだけの支援をもらえる、明らかに人一人失うデメリットよりメリットが大きい、大きすぎる」
「っ!」
ホシノが目を見開いた、きっとわかったのだろう、本気なのだと、そしてそれと同時に更に怒りが強まる。
「ミレニアムがこんだけの条件を出すってことはさ?トア君にそれだけの価値があるってことでしょ?まだ私たち二年生だよ?まだ時間はあるんだし頑張ればこんなのに頼らなくとも.....」
「それとこれとは別、例えいくら凄かろうと一人しかいない、一人に出来ることには限りがある」
「一人じゃないよ、シロコちゃんもいるよ、ノノミちゃんもいるしおじさんだって」
「たった四人.....たった四人で何ができるの」
「........」
ホシノが固まった、怒り以上の驚きと悲しみを顔に滲ませて、そうだろう、俺がこんなことを言うなんて夢にも思わないだろう。
俺だって言いたくない、こんなこと言いたくない、今までの努力を否定するようなこと、思い出を、思いを、たった一年だけだけれど確かにあったその全てを否定するような、貶すような言葉。
けれど言わなくてはならない、例え本心でなくとも、かけらも思ってなかったとしても、優しいだけが優しさではないから、今、この場でのその優しさは優しさではなく甘えだから。
「......本当にそんなこと思ってるの」
「実際そうでしょ、借金、いくらあるか分かってるの?もう現実を見なきゃいけない、今まで目を逸らし続けたのだから、今だけでも見なきゃいけない」
「じゃあ.....なに?今までの日々は無駄だったの....、出来るわけないって思いながらあんな言葉を吐いてたの?」
「人は現実を見ているだけじゃ生きていけない、けれど、幻想を、理想だけを見続けて生きることもできない」
「無駄なんかじゃない、でも、今は、今だけでも現実を見なきゃいけない、これはアビドスの、アビドスに関わるこれからの全てを左右するものだから」
「.........なんでそんなひどいこと....言えるの、私たちのこと、嫌いだったの........」
一人称が変わった、私に、昔の一人称、大人の前での一人称。
「違う、そういうわけじゃ」
「だって、そういうことでしょ、そうだからこんなこと」
「小鳥遊ホシノ、現実を見ろ、理想論じゃない、今を、ありのままを」
「っ......」
ホシノがうつむいてしまった、こんな姿見たくない、こんな思いさせたくない、でも、ここで今を変えなければ、借金で更にこれからも苦しみ続ける、俺やホシノだけじゃない、シロコやノノミ、これから入学してくれる人たちもずっと。
それはもっと耐えられない、先人たちの呪縛で、借金という現実的すぎる呪い、この上なくたちの悪く、一番怖い呪い、それに苦しみ続けるなんて、そんなのは絶対だめだ。
「嘘つき........嘘つき!」
「言ったじゃん!あの時!ユメ先輩が見つかった時!絶対なんとかなるって励ましてくれたじゃん!私が怒っても理想をいっぱい喋ってくれたじゃん!!」
ホシノが大粒の涙をこらえることも、拭うようなそぶりも見せず、そうまくし立ててくる、ユメ先輩のことを出してくるほどに感情的になりながら。
「ホシノ」
「慰めてくれたじゃん!一緒に頑張ろうって!!なにがあっても諦めないで頑張ろうって!!ユメ先輩の思いを二人で継ごうって!」
「ねぇ、ホントはどう思ってあんなこといってたの?!その場しのぎの言葉だったの!?すぐ忘れるだろうって言った軽い言葉だったの!?」
「ねぇ!答えてよ!」
「っ!そんなわけないだろ!」
声が部屋に響いた、初めて出すタイプの声。
「っ...」
「いい加減に現実を見てくれ!借金はいくらある?約10億、大金だ、子どもなんかじゃどうしようもないほどの、金利も高い、毎月が利子分の返済だけでいっぱいいっぱいなんだ。」
「単純に10億だけと考えても平均的な人ひとりの生涯年収はだいたい3億、よくて4億、わかるか?利子を無視した10億のみを返すだけでも三人分の、生涯で稼げる全てのお金をあてなければならないんだ!」
「確かにいつかは返済できる、いつかは、でもその時にはもう、俺も、ホシノも、シロコも、ノノミもいないんだ、仮に人が入学してくれたとして、これからこの膨大な借金を返す間、全員が全員本気で取り組んでくれるとも思えない」
「.........」
「この話を断るということは、間接的にこの学校を潰すことに他ならない、俺にはそんなことはできない、俺はユメ先輩との繋がりをなくしたくない、みんなとの思い出を、思いを、努力を、みんなの居場所を、」
息を整える、初めてこんな大声を出したおかげで喉が痛い。
「.......やだよ」
「....?」
「嫌だよ!ねぇ、なんでそんなに簡単に他の学校に行けちゃうの?ねぇ」
「っ!簡単なんかじゃっ!」
「誰がお願いしたっていうの!私がいつ学校のために犠牲になってなんて言ったの!トアだって私が同じこと言ったら止めるでしょ!」
「ホシノだって同じ条件だったら絶対行くでしょ!俺が止めようと!何と言おうと!犠牲になるでしょ!」
「っ、そ、そんなこと」
「そんなことあるでしょ」
「.......」
ホシノがうつむいてしまった、ただ、重苦しい沈黙に呼吸するのすら憚れるほどの空気の中、涙が地面に落ちる音が響く。
「......ねぇ、トア、一つ聞かせて、トアは.....ホントはどうしたいの、学校とかそういうのは....いいから、ねぇ、私のこと....嫌い?嫌いだから、私から....ここから離れたいの?」
恐らくこれが最後の希望なのだろう、ホシノが顔も上げず、震えている声で言った、だが、ここで本音を見せれば、現状維持という甘い言葉に甘えてしまえばこの話は振出しに戻るどころかなくなる、この学校が潰れてしまう可能性がある、だから、だから俺は。
「さぁ、どうだろうね」
「.........え」
「じゃあね、さよなら」
そういい紙をひったくるようにして、驚いたような、夢にもそんなことを言われるとも思わず、ただ、驚くことしか出来ないホシノを残して、もう二度と入ることのないであろう部屋を出た。
終わりは随分とあっさりしていた、このいろんなことがあった一年少しが、今までの絆が嘘のように思えるほどに。
嫌いと、そうはっきり言うべきだった、その方がホシノも俺を忘れられるから、最低な男として悲しまれることもないから、けど言わなかった、言えなかった、言えるわけがなかった。
部屋を出て校門に向かい歩く、最後であろうこの廊下をみるといろんな思い出がよみがえる、ユメ先輩との記憶、ホシノとの記憶、後輩二人との記憶、どれも苦しくて、楽しかった、砂嵐で窓が割れて、割れるとは夢にも思ってなくて、慌てふためいたりした、楽しい日常の記憶。
おいてきたホシノは今どんな感情なのだろうか、怒ってるのだろうか、悲しんでいるのだろうか、両方か、それ以外か。
そんなことを思いながら、学校を出た、荒廃した街に砂漠のようにある砂、けれど、これでなんとかなるんだ、ここも直るんだと思うと少し誇らしかった。
そして、その直った姿を見ることが出来ないのが悲しかった、もうホシノやシロコ、ノノミに会えなくなるのはどうしようもなく悲しかった、この学校でユメ先輩との思い出をなぞることもできなくなると思うとどうしようもなく後悔が湧き出てきた。
「これでいいんだ、これで皆幸せになれるんだから」
そう自分に言い聞かせるように呟きながら風とともに砂が流れてくるこの街を歩いた。
飛んでくる砂は、濡れた俺の顔によく張り付いてきた。
こんな作品をここまで読んで頂きありがとうございます!!
自分はモチベの高い作品を書く傾向があるので不定期更新となってしまいますが、気に入って貰えれば嬉しいです!!!
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