僕の超電磁ヒーローアカデミア【完結済】   作:アールエー

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その11 かっちゃんとの闘い

 

麗日さんが離れると、もう言葉は要らないと言わんばかりに、かっちゃんが迫ってきた!

こちらも突っ込む!かっちゃん相手に遠距離戦は被害拡大の元だ。

接近戦に持ち込み、拳や蹴りの応酬を始めた。

 

拳法の攻撃は攻防一体、上下連環、連打連撃。

右手で攻撃するなら左手は守り、拳を出しつつ足払いを仕掛け、留まる事なく攻撃を繋げる。

しかし…。

 

(突きが当たらない!!)

 

尽く、躱される!しかもこの動きは…!!

 

(僕の動きだ!)

 

恐らく、かっちゃんは今迄僕から受けた攻撃を全て思い出し、真似して、繋げて自分の物にしたんだ!

 

(いや、ちょっと待ってよ!10年以上に渡って積み重ねてきた功夫が、そんな簡単に真似されたの!?)

 

ショックである!そしてかっちゃんが天才なのを、改めて理解した!!

そして体術が互角と言う事は。

 

「喰らえ!スタングレネード!!」

 

激しい爆音と閃光が、爆発の煙が僕の五感を奪っていく。個性の分だけ、僕が不利だ!

超電磁レーダーを使って周囲を探索、側面から蹴り!

躱しつつ前掃腿(ぜんそうたい)(足払い)から穿弓腿(せんきゅうたい)(手を地に付いた逆立ち蹴り)を蹴り込むが、やはり躱される!どころか、飛び上がり状態を爆破してきたので身を捻りつつ回避!お母さんが作ってくれたマスクが吹き飛んだ!

 

「クルクル曲芸みたいに躱すなぁデクぅ!やはりお前も、俺と同じ様な技を身に着けているな!」

 

同じ様な技!?薄っすらと回復してきた目で見ると…。

見える。かっちゃんの周囲に、かっちゃんの広範囲な攻撃範囲が、見える!

 

「自分の攻撃範囲を見定め、気を張る様にすると、後でも見える様に感じるんだ!俺はこれを、制空圏と名付けた!」

 

そう言うと、かっちゃんは球体の様な制空圏の範囲を纏わせながら、僕に近付いてきた。

 

一瞬、思考停止し固まった僕に対し、かっちゃんは遠慮なく攻撃してくる!やばい、対処を…!

 

「しねえぇぇ!!」

 

凄まじい突きを繰り出すかっちゃんに防御した途端、蹴りが、爆発しながら襲ってくる!

掌以外が爆発した!?

その蹴りは、怒り、悲しみ、嫉妬、羨望と様々な感情と共に魂を込めて僕のバリアを突き抜ける!

 

タラバ師匠が言っていた。魂の籠らない攻撃は超甲殻三戦法で簡単に防げる。しかし魂の籠った攻撃は、時としてバリアを突き抜けると。

 

必死にバックステップして威力を落としたが、強烈な蹴りは僕の身体を吹き飛ばし、コンクリートの壁を砕いて部屋の向こうへ転がり落ちた!

 

「どうだ!デクう!!」

 

うん、強い。強いよ、かっちゃん。

しかし、何だか嬉しいんだ。

僕にやられて、鍛え上げて、とうとうここまで登り詰めるとは。

 

身体に乗ってた瓦礫を払い除け、緑の雷を纏って立ち上がる。

かっちゃんはニヤリと笑い出した。

 

「とうとう、本気を出すのか?デク!」

 

ゴッパア…。

呼吸法である息吹を使い、全身の力を漲らせる。

かっちゃん、超電磁空手の真髄を今お見せしよう!

 

「溜まった…。俺の爆破は掌の汗腺からニトロみてぇなもん出して爆発させてる。この篭手はそいつを内部に溜めて…」

 

「爆豪少年ストップだ!殺す気か!」

 

オールマイトが止めるが、かっちゃんは止まらない!

 

「これくらいじゃ、しなねぇだろ、デクぅ!!」

 

ドオオオォォォッ!!!!

 

凄まじい爆発が、狭い空間に炸裂し僕に襲いかかる!だが、しかし!!

 

「超電磁…回し受けぇぇ!!」

 

爆発の破壊力を巻き込み、回し、分散し!

 

「ケアァァッ!!」

 

全て吹き飛ばし、無傷でかっちゃんの前に立ちはだかる。流石のかっちゃんも、一瞬呆然と立ち竦む。

 

「超電磁空手、夫婦手(めおとで)!!」

 

かっちゃんに初めて見せる技で、最速の貫手を鳩尾に決め、悶絶させた後に素早く捕獲テープを巻き付けた。

 

「爆豪少年、確保!」

 

オールマイトの宣言にて、かっちゃんとの死闘は、最後は呆気ない感じで終わらせたのであった。

 

 

捕獲テープを巻き付かれ、息を調えるかっちゃんを置いて、麗日さんの所へ駆け上がる。

2対1となれば、核兵器は呆気なく確保できたよ。

 

「ヒーローチーム、ウイーーーーン!!」

 

まあ、その後の総評は散々だったけど。

かっちゃんは私怨で独断活動と核の近くでの大規模爆破を指摘され、僕は核の確保より闘いを優先した事、麗日さんは飯田くんを笑って不真面目だった事を注意された。

1人飯田くんだけが褒められていた。

 

ただ、席に着くと周りから質問攻めにあった。初戦からの僕とかっちゃんの格闘シーンに、かなり刺激を受けた様だ。

しかし峰田君、確かに麗日さんを抱っこして、向こうからも抱き着かれたけど!そんな血涙するほど悔しがらなくても…。

 

そのまま訓練は続き、途中ビル全体が凍りついたりしたけど、無事に終了した。

 

放課後、皆から反省会に誘われたが、かっちゃんが居ないのを知ると、ちょっと席を外してかっちゃんを追いかけた。

 

「なんだ、デク…」

 

かっちゃんは不機嫌そうに、だが明らかに元気なく答えてくれた。

 

「実は、かっちゃんに言いたい事があって」

 

「負け犬の俺に、何のつもりだ?今日…俺はてめェに負けた!そんだけだろうが!」

 

かっちゃんは、涙目で、クソ!クソ!!と轟くんや八百万さんの事も言いながら、

 

「こっからだ!!俺は…!!俺はここで一番になってやる!!」

 

そう高らかに宣言した。

しかし僕は…。

 

「今日は僕が勝ったかも知れない。でも、かっちゃんは強いよ。今日こそ恐ろしく思った事はなかったよ!」

 

「恐ろしい…?」

 

「だってそうでしょ!かっちゃんが身に付けた技、僕がどれ程努力して身に付けたのか!10年!師匠に付いて10年学んだ武術を、数カ月で乗り越えられる身にもなってよ!」

 

「………」

 

かっちゃんは、驚いた顔をして、僕を見つめた。

 

「かっちゃんの使った技は、制空圏というのは、多分武術の中でも高位の物だと思う。そんなのをホイホイ身に付けられたら、ほとんどの武術家は血反吐吐いて倒れるよ!」

 

「…デクも、使っていたじゃねーか」

 

「あれは別の技なんだよ。でも、だからこそ、僕にとってかっちゃんは目標で、憧れで、ライバルなんだ!」

 

かっちゃんは僕の事を、信じられない目で見た。

 

「デクは…俺の事をライバルと言うのか?」

 

「当たり前だよ!今日だって、超電磁空手を使わないと勝てなかった!でも、今は僕の方が強い。それは僕が無個性だったから、犯罪以外は何でもしてきたからだと思う。その僕とかっちゃんでは、努力の量が、修行の質が、覚悟の強さが違うと思う!!」

 

「俺の努力や覚悟が足りなかったと言うのか…いや……分かった…。見てろデク!次は、必ず勝つからな!」

 

かっちゃんはそう言うと、颯爽と帰って行った。先程迄の負け犬っぽい感じは、全く消え去っていた。





夫婦手は別に技の名前じゃないですが、何となくカッコイイので。そう、カッコイイは全てに優先するのです。
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