僕の超電磁ヒーローアカデミア   作:アールエー

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その17 選手宣誓から障害物競走へ

 

雄英体育祭、本番当日。1ーA控え室にて。

いや教室じゃなくて、専門の部屋があるのか。広い高校だ。

全員体操服を着用してる。コスチュームは公平を期す為に不可だ。

とりあえず僕は落ち着く為に、呼吸法を用いて深呼吸をしていた。

 

「緑谷」

 

「ん?轟くん…なに?」

 

寡黙でエリートっぽい轟くんとは、今迄あまり話してこなかった。それが向こうから話し掛けてくるとは、何だろ?

 

「おまえは強い。客観的に見ても、俺より実力があるかも知れない」

 

「え?あ、はい…」

 

「おまえ、オールマイトに目ぇかけられてるよな。…おまえには勝つぞ」

 

…すこい!宣戦布告を受けたよ!!

 

切島くんが止めようとするが、それを止める。

 

「悪いけど、武術的に見たら客観的に僕の方が強いんじゃないかと思うよ。中途半端な気持ちで掛かってきたら、叩きのめすからね」

 

「こらデク!てめぇを潰すのは俺だ!!」

 

ああ、うん、かっちゃんは変わらないなぁ。

もはや実家の様に安心するよ…。

 

 

 

そして、体育祭が始まった。

 

『1年ステージ、生徒の入場だ!!』

 

いよいよ、入場する。回りを見れば、何千…何万人いるんだ!?

プレゼントマイクが紹介してくれるが、ちょっと偏り過ぎてるよ。もう少しサポート科や普通科にも脚光を…。

 

「選手宣誓!!」

 

18禁ヒーローのミッドナイト先生が主審として宣言する。青少年にはかなり刺激的な姿をしている。

峰田くんは肯定しているけど、やっぱり18禁なのに高校にいちゃ駄目なんじゃ…。

それより、この人、お歳は幾つだったか…。

 

「そこ!選手代表1ーA緑谷出久!!変な事考えないで、早く前へ出る!」

 

何故かこういう時の女性の勘は鋭すぎる。

一応、入試の首席だからね。選手宣誓の役目を任された。

 

「宣誓!僕達はヒーローシップに則り正々堂々と戦う事を誓います!」

 

まずは普通に宣言する。

 

「そして、宣誓ついでに僕の話を!」

「僕は1年前に個性が発現するまで、無個性として過ごしました!回りからヒーローは無理だ、駄目だ、諦めろと言われてきました」

「しかし、それでもヒーローになる夢を諦めませんでした!」

「ヒーローになる為なら、犯罪以外は何でもやってきました!」

「今、ヒーロー科にだけ脚光を浴び、普通科やサポート科、まして同じヒーロー科の中にも憎々しく思っている人がいるでしょう」

「僕に対しても、運が良かっただけ、大した実力はない、この場から引き摺り下ろしてやると思っている人もいるでしょう」

「しかし、僕がやってきた努力!修行!そして覚悟!!」

「それらは生半可な気持ちでは通用しません!」

「それでも、僕に挑戦してくると言うのなら」

 

「かかって来い!受けて立つ!!」

 

ここまで宣言して、礼をして壇上から降りる。

僅かな間、シンとしていた客席から、割れんばかりの拍手が巻き起こる。

そして、先程まで倦怠感が感じられた選手側から、燃える様な覚悟を感じる事ができた。

うん、多少なりとも闘志を燃やす奴らが出たか。こうでなくては面白くない。

 

オールマイト、燃える彼らと争い、優勝してみせます!

 

そして、最初の競技が始まる。

 

ミッドナイト先生が紹介する、第一種目は障害物競走だった。

計11クラスでの総当たりレース。しかも全長4kmの距離だ。長過ぎる…障害物マラソンじゃないか!?

そして何をしてもいいルール。

 

『スターーート!!』

 

一斉に全員でスタートの入口ゲートへ雪崩込む!狭い!!

スタート地点が最初のふるいになってる。

が、入口通路の両脇の壁は高さがある。

壁を蹴って左右に飛び跳ねながら皆の頭上を進むのは、ワン・フォー・オールを使えば簡単な事だ。

 

そして地面が凍りつく。轟くんの仕業だな?

僕には関係ないし、クラスの皆も何らかの方法で抜け出してきた!

僕もスタートから飛び出し、氷を砕きつつ先行する轟くんを追いかける。

 

うう、カッコつけて後方に居た分だけ、先頭に立っていた轟くんに中々追い付かない。

何をしてもいいって言っても、回りの人達を吹き飛ばしたら駄目だよね~。

 

と思いつつ前に出る事ができた!が、眼前立ちはだかる壁、0Pロボットの群れ!

直ぐにロボットはアンバランスな格好で凍りつく。轟くんだね!自分の通過と妨害を兼ねてロボットを凍らせたか。

うーん、ここで素早く通過するには…他の人達も得するが、一つ派手に行こう!

 

「超電磁正拳突き!」

 

ワン・フォー・オールを使いつつ、目前のロボット達をまとめて吹き飛ばす!ついでに飛ばした先は、轟くんの所!

あ、ロボットが切島くんとB組の鉄哲くんを巻き込んで倒れた。

 

「「うわあ、緑谷ァァァ!?」」

 

ごめんね!ま、大丈夫でしょ、あの2人なら。

 

一気に開けた会場を走り抜けると、轟くんが飛んできたロボットを再度凍らせていた。

 

「デクうぅ!待てや〜!!」

 

ちなみに直ぐ後ろから、鬼の様な悪魔の様な顔の幼馴染が追い掛けてきてる。ちょっと怖いよ、ナタとか持ってないけどホラーだよ!

 

轟くんに追い付いた所が、次の障害物ザ・フォール!?

この地形、直径数百mかある大穴に柱状の足場が何本もあって、太いロープでつなぎ合ってる。コースいっぱいに大穴があるから、ロープを渡らないと進めない。

いや、こんな地形無かったよね!個性でやったんだろうけど、金をかけ過ぎ!

 

しかし、僕には余り関係ない。

拳法家に大切な身体能力として、筋力、体力、柔軟に続いて体幹というものがある。

いわばバランス感覚みたいなものなんだけど、体幹がしっかりしてないと突きも蹴りも本来の威力を出せないし、防御しても直ぐに倒れてしまう。

体幹をしっかり鍛えた僕に取って、こんな太いロープは平均台より簡単なものだ。

ほとんど地上と同じ速度で駆け抜ける。

 

「轟くんより前に出たけど、今度はかっちゃんが真っ直ぐ飛んで行く!」

 

いや、空を飛ぶのはちょっとズルくない!?

僕も飛びたい!…ん?なんか飛べるアイデアが…。

 

それよりも、最後の障害物は地雷原!?雄英、何してんの!?

 

轟くんも直ぐ後ろに迫ってきてる、かっちゃんはやや先行してる、今やトップ3人で1位争いだ。

この中で2人を妨害しつつ先を急ぐには!

 

「何も考えず突っ走る」

 

次々に爆発する地雷、回りの地雷も誘爆してかっちゃんや轟くんにも被害を及ぼす。

しかし超甲殻三戦法をマスターし、場裏亜空間を自在に使える僕にはそよ風の如く!

むしろ推進剤にしてやる!

 

「デク!てめぇ…ぶわぁ!!」

 

「み、緑谷ぁ!」

 

ハッハッハッ強者の悲鳴は心地良いよ!

地雷原を抜けて回りに誰も居なくなれば、もう遠慮なく超電磁空手を使える。

 

「超電磁蹴りぃ!」

 

超音速の蹴りを地面に水平に近い角度で撃ち出し、場裏亜空間を円錐状にして拳と共に前へ出す。飛び出す姿は地表すれすれを飛ぶ、身長40mの赤と銀色の宇宙人だ。

もちろん蹴った瓦礫と衝撃波は後方の二人へ。

ほとんど最後っ屁である。

 

『さァ雄英体育祭1年ステージ!1位は1ーA緑谷出久だー!!』

 

ゴールをくぐった途端、プレゼントマイクの声が聞こえてきた。どうやら、競技に集中し過ぎていたらしい。

 

まずは緒戦を制覇したぞ!!予選だけどね。

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