僕の超電磁ヒーローアカデミア   作:アールエー

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誤字修正、ありがとうございます。


その21 対心操戦とお茶子ちゃんの決意

 

あれから、エーリカちゃんと陽子ちゃんを残った男子に紹介しようとしたけど、峰田君がナンパしてきて機甲術(パンツァー・クンスト)と言う武術で沈黙させられたら、有耶無耶になってしまったよ。この武術は0G(無重力)機動を想定した、マーシャルアーツだそうだ。いつか習えないかなぁ?

二人はクラスメイトの女子達が居ないなら、また今度〜って帰っていった。

 

最終種目、トーナメント形式のガチバトルだった。

組み合わせのくじを引く前、尾白くんとB組の庄田くんが辞退した。騎馬戦の時の記憶がないそうだ。

代わりに鉄哲チームの2人が上がってきた。

何に信念を置くかは人それぞれ、仕方ないと思うけど…。

 

そして組み合わせが決まる。

僕は第一戦目、普通科の心操くんと当る。

彼とは、少し訓練を積んだけど、個性は知らないんだよな。しかし、同じ騎馬戦のチームだった2人が記憶がないと棄権したと言う事は、彼の個性は精神に関わる事?

っと、尾白くんから「奴に答えるな」と警告が。なるほど…。

 

いよいよ出場だ。競技場までの通路を歩いていると、オールマイトから声をかけられた。

 

「ワン・フォー・オール、使いこなせているな!」

 

「オールマイト…いえ、本当に使えているかは不安なんですが」

 

「ハッハッハッ、大丈夫、君は立派にやれているさ!」

 

スタタアンと肩を叩く。オールマイト、痩せた身体でも痛いんですけど。

 

「覚えておくといい。怖い時、不安な時こそ笑って臨むんだ!!ここまで来たんだ、虚勢でもいい。胸を張っとけ!私が見込んだってこと、忘れるな!」

 

 

『一回戦!障害物競走、騎馬戦共に1位通過のヒーロー科の空手家、緑谷出久!』

 

「拳法家でもあるけどね」

 

『対、ごめん、まだ目立つ活躍なし!普通科、心操人使!!』

 

そしてルール説明。場外か降参で勝ちだが、もちろん命に関わる事はアウト。ヒーローだしね。

 

心操くんが「なり振り構ってちゃダメなんだ…」とか言ってるが、それこそ何でもしてきた僕に言う事か?少しくらいは身体を鍛えないと駄目だろう。

 

「あ~これは独り言なんだが、精神系の個性は僕に使わない方が良いかなぁ。多分。とても危険だから」

 

まあ、こんな事を言っても無駄だと思うけど。彼にはそれしか武器がないし。

 

「もし君が個性を使わないなら、僕は個性も空手も使わない!」

 

ドンファー師匠…あなたの精神修行※1、役に立つ日が来るとは…。

 

『START!!』

 

「あの猿はプライドなんかで、チャンスをドブに捨てるなんてバカだと思わないか?」

 

「アホか!!」

 

うお!暗示にかかるため、態と答えたけど…。

なるほど、こんなに呆気なくかかるのか!

だが、早く回復しないと!とんでもない事に…んん?なんだ?向こうの入口に、誰か…誰かいる!?

 

ワン・フォー・オール…聖火の如く引き継がれたもの。人…この力を紡いできた人の…気配が…何人かいて…こっちを見てる!?

 

「おい超電磁空手ってなんだよ!?」「これが個性じゃないって…」「俺達、いらなくね??」

 

なんか、話しているけど、よく聞こえない…!

はっ!!いかん早くしないと!!

 

さて、拳法にしろ空手にしろ、同じ形を、套路を何回も何十回も、何千何万回も繰り返す。

何故か?それは、いざという時、咄嗟の時、危機の時、意識外の攻撃を受けた時、無意識の内に正しい形で反撃できる様にする為である※2。

僕も同じく繰り返し、その上で師匠のドンファーさんに反撃システムを組み込まれていた。

 

そして今、精神攻撃を受けて、反撃が始まる!

 

「超電磁、正拳突き!」

 

ブレーキブレーキブレーキ、利け利け利かんかコラァ!!!!

超音速の拳が出る。痛みが僅かに走る。制御を取り戻した!!止まれえ!!

 

超音速の拳は衝撃波を発生させコンクリートのステージを破壊するが、途中で停止した為に心操くんに行き着く前に減衰した。

といっても、人が吹き飛ぶのに十分な威力はあった。

 

「ちょっと心操くん大丈夫!?」

 

場外に飛んでいった心操くんに、僕の二回戦進出の声を聞いてから駆け寄った。

大丈夫…鼻血や耳血が見えるが…え?ホントに大丈夫?

うう…っとうめき声が聞こえた。大丈夫かな?担架はまだか?

 

心操くんは、何とか意識を取り戻し、普通科の人達から、ヒーロー達から賞賛されながら行った。

そりゃ、声掛けだけで敵を無力化できるし情報すら引き出せるんだから、期待するよな。ヒーローに相応しい個性だ。

 

よし、一回戦突破できた!別の意味で危うかったけど。

 

 

 

続いて轟対どんまい瀬呂の試合。

うん、瀬呂くん、どんまい。

 

B組塩崎対上鳴は、相性の悪さで上鳴くんが負け、飯田対発目は商品展覧会になった。

正直、こっちが二回戦の試合だったら、どんまい飯田になっていたと思います。

しかし、あの飯田くんに「嫌いだ」と言わせるとは、発目さんは本物か。

 

まだ試合は続くが、お茶子ちゃんが控室へ向かったので、激励に行こう。

お茶子ちゃんの相手はかっちゃん。

…かっちゃんか…。

手加減は…しないよね…。性格的にも、試合的にも。お茶子ちゃんも本気だったから、本気でいくと思う。僕の殺しちゃうから手加減と違うよな…。

 

「そうか、君の相手、あの爆豪君だものな…」

 

「うん、超怖い」

 

部屋に入ると、飯田くんが先に来てた。

やっぱり怖いか。しかし、それでも闘志に燃えている様を見ると、お茶子ちゃんもヒーローの卵なんだな。

 

「やあ!お茶子ちゃん!」

 

不安になってるお茶子ちゃんに、なるべく明るく声掛けしてみる。

しかし僕にくってかかってきたのは飯田くんだった。

 

「緑谷くん、あのサポート科なんなんだ!?」

 

「あ、あ〜彼女、変わった子だね?」

 

「真剣勝負だと言うのに、騙された!」

 

ええっと…。その時ふと、星の保育園の師匠から聞いたセリフが頭に思い浮かんだ。

 

「飯田くん、一つ覚えておいた方が良い…。女のウソは、許すのが男だ」

 

「いや、男でも女でも、嘘は駄目だろう?」

 

はい、その通りです。その通りなんだけど、飯田くんはモテない…かも?

気を取り直して、お茶子ちゃんを励ましてみよう。

 

「お茶子ちゃんの相手は、あのかっちゃんだ。一筋縄ではいかないだろうね」

 

「しかしまァ、流石に爆豪くんも女性相手に全力で爆発は…」

 

「するよ、確実にする。お茶子ちゃんが真剣勝負するなら、間違いなく本気でくる」

 

「ああ…彼の攻撃は、その、容赦なかったな」

 

お茶子ちゃんは、何かを考え込んで、意を決した様に聞いてきた。

 

「デクくんは…私と闘う事になったとして、本気で闘う?」

 

伺う様な、それでいて真剣な目でこちらを見るお茶子ちゃん。

それならば、真剣に応えるべき、なんだけど。

 

「いや、僕の場合は殺しちゃうパンチになるから…手加減しないと…」

 

そう、オールマイトとか、せめてかっちゃん並みに丈夫な相手じゃないと、殺しちゃうパンチは撃てないもんな…。人としても、ヒーローとしても。

 

「それは、やっぱり私が弱いからだよね…」

 

「…正直に言えば、そうなんだけど…ちょっと違う様な」

 

「デクくんは凄い!どんどん凄いとこ見えてくる。今思えば騎馬戦の時…デクくんに頼ろうとしてたんかもしれない。だから、強くなりたい!挑戦したい!デクくんに本気出して貰える様に、デクくんに頼って貰える様に!」

 

ぐっと震える手で、親指を立てるお茶子ちゃん。

 

「決勝で会おうぜ!」

 

うん、お茶子ちゃん、頑張れ!!





※1精神修行は独自設定ですが、あってもおかしくないのが超電磁空手です。

※2繰り返す意味は他にもありますが、こういう意味もあると言う事で。
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