ステインとの戦闘描写が、物凄く苦労しました。頑張ってみたのですが、やっぱり納得いかない…。
電光石火、グラントリノの戦い方は、そう呼ぶにふさわしいものだった。
ビルの谷間を縦横無尽に飛び回り、ヒーロー殺しにキックを繰り出す!
だけどヒーロー殺しも負けていない。僅かな隙を突き、刀を振るい反撃の機会を伺っている様だ。
グラントリノとヒーロー殺しが交差する瞬間、僕は一気に距離を詰める!
「
ヒーロー殺しの意識外から放った右の正拳突きは、彼の顔の左側を打ちかまし、向かいのビルまで吹き飛ばした!!
かなりのダメージを与えた筈…だが、ヒーロー殺しは直ぐに立ち上がった。予想より、ずっと身体は強靭な様だ!
「道着を着た子供…何者だ?」
「ヒーロー候補生、デクだ!!」
「消えろ、子供の立ち入っていい領域じゃない」
ヒーロー殺しは凄まじい迫力で、僕を睨みつける。師匠達とは違った意味で、強固な信念を持った眼だ。
しかし、その程度で僕が怯む筈もなく!
「ヒーロー候補生として、お前を捕縛する!」
「ヒーローを名乗るか。言葉には気をつけろ…場合によっては、子供でも標的になる」
僕は応える事なく、構えを取る。
直ぐ横に、グラントリノが降りてきた。
「デク!お前は仮免許も持ってねえんだ。引っ込んでいろ!…と言うか、逃げろ!逃げて応援を呼べ!」
「いいえ、グラントリノ!ここは共闘した方が良いと思います!」
くそっと言ってグラントリノは再び空中へと飛び去り、僕はワン・フォー・オールの出力を上げた。正面からぶん殴る!
流石に前から僕が強力な攻撃を加え、尚且つグラントリノが多方面からの強襲を行えば、ヒーロー殺しの腕が立つと言えども防戦一方だ。
しかし強い!味方が近くにいると、衝撃波を発する超電磁空手を中々使えないとはいえ、こちらの連撃を受け続けるとは!
刀を相手に戦うのは初めてだけど…。今度師匠に…いや、言ったら斬馬刀とか持ち出されるかも…。
ええい、戦いに集中しろ!
「ええい仕方あるまい!このまま畳み掛けるぞ、デク!」
「はい!」
相手の刀を三戦法で受け止め、あと一歩で衝撃波を込めた拳をヒーロー殺しに打ち込む瞬間、何故かビルの屋上が爆発し、破片が降ってきた!
慌てて後方に飛び退いて距離を取る…その一瞬で、ヒーロー殺しは降ってくる瓦礫をものとせず刀で軽く斬りつけてきた!
恐らく信念の籠もった一撃は、三戦法の場裏亜空間を突き抜け僕の腕を切り裂いた。
「痛!でも浅い、これなら…!」
しかし、ヒーロー殺しが刀を舐めた途端、僕の身体が動かなくなった!
「あ!?が…ぐ…」
だ、駄目だ、全く動けない。これがヒーロー殺しの個性か!
「中々強い…。口先だけの人間はいくらでもいるが、お前は生かす価値がある…」
そう言うと、ヒーロー殺しはグラントリノとの戦闘に移った!くそっ、身体中が痺れて声も出せないぞ…。
何とか力を入れようとしていた時、僕に駆け寄ってきた人がいた。
「大丈夫か…緑谷君!?」
それは飯田君だった。そう言えば、この保須市にいたんだ…!
僕は目線でグラントリノと戦っているヒーロー殺しを見た。飯田君も僕の視線を追うと、グラントリノの戦いに気付いた。
「あれは…ヒーロー殺し!?緑谷君が動けないのは、あいつの個性か!?今、外ではあの脳が剥き出しの
そう言って、飯田君も飛び出して行った!危ない!ううっ、動け身体ー〜!
だけど、動けない僕を置いてヒーロー殺しに立ち向かう飯田君!
「血のように赤い巻物と全身に携帯した刃物、ヒーロー殺しステインだな?僕は、お前にやられたヒーローの弟だ。兄に代わり、お前を止めに来た!」
飯田君は跳び蹴りを食らわすが、ヒーロー殺し…ステインに躱される。激昂したのはグラントリノだった。
「何をしている、
「いいえ!僕の名前はインゲニウム!ステインにやられた兄に代わり、こいつを止めに来ました!」
ステインは飯田君に向って刀を構える。
「ハァ、また子供か…。インゲニウム…兄弟か?この目は仇討ちか?」
「そうだ!兄さんは僕のヒーローだ…僕に夢を抱かせてくれた、立派なヒーローだったんだ!お前如きに倒されて良い人ではなかった!許さない…殺してやる!!」
飯田君は、我武者羅に突っ込んでいった。だけど、ステインとの実力差は大きい。グラントリノが攻撃するが、中々決定打とならない。
ステインはグラントリノに対して防御を、そして攻撃を飯田君に集中し始めた。
たちまち切り裂かれる飯田君、それを守ろうとするグラントリノ。その一瞬の隙を突いて、とうとうグラントリノに刃がかすった。
「しまっ…!」
その時はもう、遅かった。ステインが刃を舐めると、グラントリノも動けなくなった。
僕はそれをずっと見てた。身体はまだ動かない。だけど、個性の影響がずっと続く筈はない。身体中にワン・フォー・オールを漲らせ、緑電を纏わせながら、その時を待った。
「弱いな…お前も、お前の兄も弱い。偽物だからだ」
ステインは斬られ、蹴られて動けなくなった飯田君に近付いた。
「何を言ったってお前は、兄を傷つけた犯罪者だ!」
「あいつをまず助けろよ」
ステインに言われて、思わず飯田君は僕を見る。いいや、そいつの言葉に惑わされちゃ駄目だ!
「自らを顧みず他を救い出せ。己のために力を振るうな。目先の憎しみにとらわれ私欲を満たそうなど、ヒーローからもっとも遠い行いだ」
ステインは飯田君を刺し、その血を舐める。これで飯田君も動けなくなった。
「だから死ぬんだ」
まだか!?動け動け動け!手に力を入れる。ぐっと拳を握れる。いけるか!?
ステインが飯田君を刺そうとする瞬間、足に力が入り、一気に飛び出した!奴が気付いたが、もう遅い!一足飛びに近付いた僕は、ステインをぶん殴った!!
吹き飛ぶステイン。さあ、第二ラウンド開始だ!
段々、ストックが切れかけております。
お盆も仕事なんや…。