僕の超電磁ヒーローアカデミア   作:アールエー

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その29 オール・フォー・ワン

 

グラントリノと別れた翌日、登校すると8:2(ハチニィ)坊やが僕の腹筋を破壊しにきた。かっちゃんが何故か真面目なサラリーマンみたいにピッチリ髪型を8:2に分けていて、回りから笑われていたんだ。

「おい笑うなブッ殺すぞ」とか怒っているけど、職業体験で一体何があったんだよ、かっちゃん!?

 

お茶子ちゃんは何かに目覚めていた。本格的に格闘技の道を進むみたい。

うん、今度基礎から僕の知ってる格闘技を教えるね。

 

他にもテレビに出たり、(ヴィラン)退治に参加したりと、皆も有意義な体験になったようだね。

 

その中で、僕と飯田君、轟君は脳無騒ぎとヒーロー殺し逮捕の件で、大変だったなと労いの言葉を貰ったよ。

そう、あの事件でビルの陰で戦ってひっそりと捕まったヒーロー殺しステインより、表で暴れ回って多数の負傷者を出した脳無達の方が、遥かに多くニュースになった。

僕達三人の中でも、エンデヴァーと脳無退治をやった轟君が一番目立ってて、ついでヒーロー殺しに襲われ、更に翼付き脳無に襲われた僕、そして助けにきた飯田君に話が集中した。

まあ、きつく口止めされているから、本当の事はクラスメイトにも言えないけど。

 

 

 

今日のヒーロー基礎学では、運動場γ(ガンマ)を利用した救助訓練レースをする事になった。

オールマイトが要救助者になって、ジャングルと化した工場地帯を駆け抜け、オールマイトの元まで助けに行く設定だ。パルクールの様な身体能力が必要かな。

 

僕のグループは飯田君、芦戸さん、尾白君、瀬呂君。このメンバーで競争し合う。

残りのクラスメイトが、誰か勝つか予想しているけど、下馬評では僕が本命、対抗瀬呂君、大穴が尾白君らしい。飯田君は足が速いけど、まだ包帯が取れてない所もある病み上がりだしね。

 

で、結果は僕の圧勝。まあ、場裏亜(バリア)空間を足場にした空中駆け抜け技が使えたら、障害物のない障害物競争だしね…。

それでも大きな差がなかったから、例えば(ヴィラン)に見つからない様に隠れて移動、とかの状況だと、恐らく瀬呂君に負けていたかも知れない。

決して、油断できないと思った。

 

と考えていると、オールマイトがそっと近付いてきた。

 

「この授業が終わったら私の元へ来なさい。君に話さなければならない時がきた。私と、ワン・フォー・オールについて」

 

そう囁いて、オールマイトは戻っていった。

…改まった言い方…何だろう…。

 

 

 

更衣室で着替えている時。

 

「おい緑谷!!こっちゃ来い!!」

 

と峰田君が呼ぶので行ってみると…。壁に貼ってあった紙があり、それを剥がすとそこに穴が開いていた。…もしかして、覗き穴!?

 

「隣はそうさ!わかるだろう!?女子更衣室!!」

 

テンション爆上がりの峰田君、飯田君の制止も聞かず早速覗こうとしたので、とりあえずアイアンクローをかけた。

 

「い、いてぇ!?な、何するんだ緑谷ぁ!?」

 

「ちょっと聞きたいんだけど、お茶子ちゃんの裸を覗こうとしたの?んん?覗こうとしたのかなぁ!?」

 

ギリッギリッ、少しづつ力が増加していく。

 

「いや!イタタタ!悪い!悪かった!麗日は覗かないから!」

 

…まあ、頭がパキャッといかない内に、見逃してやるか…。

 

その頃、一連の話が聞こえていた女子更衣室の中で、真っ赤になったお茶子ちゃんが周りの女子から突かれていた事は、知る由もなかった。

 

 

 

学校が終わり、オールマイトを尋ねて職員室横の応接室に入った。雰囲気が違うオールマイトに勧められて、向かいに座るとオールマイトから驚くべき事情を教えられた。

 

それはAFO。他者から個性を奪い、己がものとし、更に他者に与える事ができる個性。その力を使って悪の支配者として日本に君臨した(ヴィラン)

オールマイトが討ち取った筈の男が、まだ生きていて(ヴィラン)連合のブレーンとして再び動き出した事実を。

そして僕が受け継いだワン・フォー・オールは、オール・フォー・ワンを倒す為にあると言う事を。

 

「君はいつか奴と…巨悪と対決しなければならない…かもしれん」

 

「頑張ります…!!オールマイトの頼み…何が何でも応えます!」

 

僕はそう、力強く応えた。オールマイトは「ありがとう…」と一言だけ言ってくれた。

 

うん、頑張らなければ!オール・フォー・ワンと言うのがどれほど強いか分からないけど、オールマイトが苦戦する程の(ヴィラン)なのだろう。今より、もっともっと強くならないと!!

そう、決意して燃え上がる僕は、オールマイトが何か言いたげにしていた事に、この時は気付いてやる事が出来なかった…。

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