僕の超電磁ヒーローアカデミア【完結済】   作:アールエー

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その32 最強のヒーロー

 

「こ、これは…」

 

オールマイト先生は、かなり驚いていた。

それはそうだろう。僕はワン・フォー・オールを纏った超電磁空手を、かっちゃんは爆破の個性を多用し高速立体機動を行う、二人共いわば火山が爆発した様な戦闘スタイルだからだ。

 

しかし今はどうだ。かっちゃんは流水制空圏を使用し、オールマイトの攻撃を予知したかの様に躱している。完全に冷静になったかっちゃんは、第二段階の相手の心と同調する所まで達している様だ。

 

僕はと言えば、対個性用八卦掌(アハトマスターデ)と言う中国武術の一つ、八卦掌をクーさんが対個性用に昇華させた武術を使って、オールマイトにくっついて戦っていた。

派手な超電磁空手と違い、この武術は味方に被害をもたらす事はない。安心して戦えた。

螺旋の動きを中心に相手にくっつく事で筋肉の動きを読み、オールマイトの力を受け流してコントロールすらできる技だ。

大人し過ぎて超電磁空手とは相性が悪いけど、動の空手に静の八卦掌は使いこなせたら様々な状況に対応できる。

 

「爆豪少年は私の呼吸を読んでいるのか!?それに緑谷少年は、まるで粘着シートの様に取れないぞ!?」

 

オールマイトは自分の攻撃が先読みされて、そう判断した様だ。

まあ、僕の技は粘勁と似ているから、粘着シートとは言い得て妙だけど…!

 

「デク…!その技は何なんだ!?」

 

「重力に頼る沈墜勁(ちんついけい)を排し、ファンデルワールス力(分子間の間に働く弱い重力)で物体に接着する技だよ!!」

 

「お前…ほんっとうに無個性なんだよなぁ!?」

 

失敬な!無個性だったよ!かっちゃんが一番知ってるくせに!

 

「一番知ってるから疑わしいんだ!クソッ、良いから畳み掛けるぞ!」

 

かっちゃんが流水制空圏から攻撃に移る!僕もぴったり接触したまま急所へ打撃を撃ち込む!

 

「ハハハ!中々やるね、少年達!これは先生、頑張っちゃうぞ!」

 

むん!オールマイトも本格的に反撃、しかしかっちゃんは避ける避ける。オールマイトと息を合わせ、心の同調に成功している様だ。

 

「これは…こうならどうだ!?」

 

しかしオールマイトも只ではやられない。呼吸を合わせてくるなら、態と呼吸を乱してきた。流石のかっちゃんも、僅かに付いていけなくなった。その隙は、オールマイトにとって充分な隙だった。

僕とかっちゃんの攻撃を受けながら、一撃のパンチがかっちゃんに命中、それだけでかっちゃんは吹っ飛んでいった。

 

「か、かっちゃん!?」

 

「油断したな、緑谷少年!」

 

「ぐっ…!黒龍蜷局(ヘイロンチュワンチョイ)!!」

 

とっさに腕を巻き取り、間接を極めようとするもオールマイトのパワーに押し負けた。ズドンと腹に拳がめり込み、向かいの建物まで飛ばされてしまった!

 

「さて…この暴れ馬たち、どう拘束したものか…」

 

強い!圧倒的に強い!

だけど、まだ立てる。向こうではかっちゃんも立ち上がった。

 

「対峙して改めてわかる。そうだよ、この男は世界一高い壁(最強のヒーロー)だ!!」

 

「かっちゃん!さっきのは個別に攻撃しているだけだ!今度は、本気で連携しよう!!」

 

「…スッキリしねえが今の実力差じゃまだ…クソナード、合わせろぉ!!」

 

かっちゃん…!よし、オールマイト、行きます!

怖い時、不安な時ほど、笑って行きます!!

 

「よし、ヒーロー!かかって来い!!」

 

かっちゃんは呼吸を整え、再び流水制空圏にてオールマイトに肉薄する。僕はその前面にて、対個性用八卦掌(アハトマスターデ)を駆使しつつ更に超電磁空手、夫婦手を組み合わせてオールマイトの攻撃を防ぐ!

 

「「おおおおおおっ!!」」

 

オールマイトはまたかっちゃんの呼吸を乱そうとするけど、僕が阻止。かっちゃんは…かっちゃんは遂に流水制空圏の第三段階へ突入した!

 

「これは、私の動きが!?」

 

そう、第三段階に達すると相手の動きを完全に把握して、先の先を取る事で相手の行動をコントロールできるのだ。

僕もそれに合わせて、オールマイトの懐に飛び込む。

 

「かっちゃん!」「デク!」

 

「龍王翻身(ロンワンファンシェン)!!」

 

「榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)!!」

 

僕が下から螺旋の動きにて腹に強烈な絶招を食らわす!かっちゃんは上から特大火力の爆発を叩き込んだ!!

 

流石はオールマイト、瞬時の判断で軸をずらし芯を躱したけれど、遠くの建物へと吹き飛ばす事に成功した!

 

漸く、時間ギリギリとはいえ僕達はゴールに辿り着き、試験に合格する事ができた…。

 

 

 

「おい、デク…。オールマイトの身体は…」

 

かっちゃんがこっちの顔を伺う。僕は頷いた。

恐らく、流水制空圏の心の同調で、オールマイトの身体の様子に気付いたのだろう。

かく言う僕も、八卦掌で筋肉の動きを把握した時に身体の中に気付いてしまった…。

 

「かなり、無茶をしていると思う。このままじゃ…近い将来、ヒーロー活動は…」

 

それ以上、言う事はなかった。

僕はオールマイトの頼みを何でも引き受けるつもりだったが、ワン・フォー・オールを受け渡してからの身体能力の衰えは、どうする事も出来なかった。





オールマイトも覚悟の上で二人の攻撃を喰らっております。
それはそれとして、ちょっと殺意が高いですね(汗)
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