僕の超電磁ヒーローアカデミア   作:アールエー

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その36 原点

 

全員、クタクタになった夕方。

本日は自分達でカレーを作れという事で、これも救助の一環だと張り切った飯田君を中心に、順調に作ったよ。

この手のカレーは、材料の煮込み不良とカレールーの溶かしミスが無ければ何とか食べられるものだし、やっぱり皆で一緒に作ってワイワイ食べたら美味しいよね。

 

そうしていたら、目の端にそっと抜け出していく洸汰くんの姿が見えた。少し気になって、カレーを食べてない様だったから一杯分のカレーを持って追い掛けてみた。

到着した場所は、訓練場から少し離れた隠れ家みたいな洞窟だった。

 

「お腹すいたよね?これ食べなよ、カレー」

 

「てめェ!何故ここが…!」

 

驚いた洸汰くんだったけど、ずうずうしく僕が隣に立つと追い出しはしなかった。

 

話を聞くと、やっぱり個性を伸ばす事、いやヒーローそのものへの不信感が滲み出ていた。

 

「君の両親さ…ひょっとしてウォーターホース…?」

 

「…マンダレイか!?」

 

「うん…流れで聞いちゃって…。情報的にそうかなって…」

 

洸汰くんは悔しそうに、個性なんてひけらかして、ヒーローだ(ヴィラン)だの殺し合って馬鹿らしいと話した。

両親を殺されて(ヴィラン)に復讐に走るのではなく、殺された事が素晴らしいみたいな話をされて、この個性、超人社会そのものへの憎悪になりつつあるのかも知れない。

 

両親が殺されたと言えば、星の保育園のエーリカちゃんもそうだったけど…。エーリカちゃんの場合は、何故か少し違和感を感じたけど、それでも両親が殺されて素晴らしいなんて事は言われていない筈。

 

「僕は、無個性だったんだよ、1年前までは」

 

「はぁ!?そんなわけ…」

 

「本当だよ。個性が発現したのは、ほんの1年前。それまではヒーローを目指しつつも、無個性として生きていたんだ」

 

僕はあの頃の、孤立していた事を思い出す。

 

「無個性はヒーローになれなくて、それでも受け入れられなかった。たまたま、師匠達に出会えて、無個性でも強くなれたんだけどね…」

 

師匠達にかかれば、無個性なんて何の言い訳にもならなかったしね。

 

「洸汰くんも色々ショックな事があったと思うけど、両親から頂いた自分の個性まで否定しちゃうと、君が辛くなるだけだよ」

 

「うるせぇズケズケと!出てけよ!!」

 

「ごめん…カレー、置いとくね」

 

 

 

やっぱり…両親を亡くした子供への言葉なんて、僕から言える事じゃないかな…。

次の日、個性伸ばし再びの修行で、あちこちから絶叫が飛び交う中、僕はワン・フォー・オールの率を上げながら黒鞭の多重使用をやらされていた。

 

周りを見ると、特に補習組が疲れ果てていたよ。あれだけの訓練をした後、深夜まで勉強していたらしいし…。

 

そして相澤先生の言う、原点を常に意識する事。僕の原点…。

最初は、オールマイトへの憧れだった。それは、ワン・フォー・オールを継承するしないに関わらず、変わっていない。

同時に、僕を強くしてくれた空手、武術への感謝の念もある。師匠達には、感謝してもしきれない…いやでも、何度も殺されかけたからなぁ…。

僕は、ナンバーワンヒーローになりたい。それと同じかそれ以上に、武術を伝えたい。

無個性でも、鍛えたら強個性と同じく活躍できるヒーローになれると言いたい。

憧れを目指し、憧れになる。それが僕の原点!

 

そうと思い直せば、より武術を磨かなければ!この前習った…無理矢理修行させられた、屠龍破骨の技を…。えっと、牽制技から入って相手のバランスを崩し、トドメの反物質パンチ…。

 

……??反物質パンチ?

 

これって、ゼッカ師匠の個性?いや、反物質なんて出したらゼッカ師匠もただじゃ済まない…よな?

 

とりあえず反物質なんて出せないから、普通に訓練するかな…。

 

 

 

その日の夕飯作り。かっちゃんの見事な包丁捌きに驚きつつ、作業を続けた。

その途中で、丁度通りかかった轟くんと話をする事になり、洸汰くんの事を相談したんだ。

轟くん曰く、「場合による」。…そうなんだけどね。

 

「大事なのは″何をした・何をしている人間に″言われるか…だ。言葉には常に行動が伴う…と思う」

 

しかし続く轟くんの言葉に、考えさせられた。そうか、何にもしてない他人に言われても、何も心に響かないんだ…。

 

夕飯を食べた夜、ピクシーボブから宣言されていた恒例の肝試しを開催する事になった。

なったんだけど…。補習組は補習があると言う事で、泣き叫びながら引き摺られていった…。可哀想に。

 

が、奇数人数が連れて行かれたもんだから、くじ引きで誰ともペアを組めない人が出てきた。そう、僕だ。

…………何故…………(泣)

 

その時、超電磁レーダーに感アリ。建物からそっと出ていく影が数名。

不審者か!?と思ったけど、レーダーに感じるのは…プレゼントマイクと…ミッドナイト!?あれ?相澤先生は昼間、応援の先生は居ないと言っていたのに…。気のせいか!?

肝試しで少しドキドキし過ぎているせいかも。

落ち着いて肝試しに臨むとするか!!





エーリカちゃんの違和感は、銃夢火星戦記を見て貰うと分かって頂けるかも。
この物語では、エーリカちゃんは両親愛犬をヴィランに殺されて、素直に努力してヒーローを目指す健気な女の子です。

…あの世界観は、読んで楽しむ事は出来ても、書く事は私には無理かなぁ…。
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