マスキュラーは完全に気を失っていた。念入りにトドメを刺したからね。この巨体を施設に運ぶのは難しいと考え、ひとまずここに置いて行く事にしたよ。
ロープなんて無いし、木の蔦とかじゃ、簡単に引き千切られて終わりだろうしね。
「洸汰くん…無事かい?」
少しよろけながら洸汰くんの元に辿り着く。超音速のやり取りで服はボロボロだし、身体中泥だらけだけど、僕自身は大きな怪我はなかった。
マスキュラーが本気を出した時は
洸汰くんは、泣きながら座り込んでいた。
「何も…!知らないくせに、何でっ…そこまで…」
「ごめんね、怖い思いをさせちゃって…。大丈夫!まだやらなきゃいけない事がある。」
「そんなボロボロで、何をしなきゃいけねんだよ…!」
「あちこち打ち身はあるけど、大きな怪我はしてない。もし
僕は膝をつき、目線を洸汰くんと合わせた。
「この
「え?」
「森に火をつけられている。君のその″個性″が必要だ。僕らを救けて」
そう言って、洸汰くんをおぶって宿泊施設へ帰ったんだ。
森林を飛び越え、宿泊施設近くに辿り着くと相澤先生が走っているのを発見した。近くで、火災が発生しているから、宿泊施設の生徒達を護りに戻る途中で
「先生!良かった!伝えたい事が沢山あるんです…」
「おい…緑谷、またやりやがったな」
「あ…申し訳ありません、今回の
「だから、彼女にこう伝えろ」
相澤先生は、僕にマンダレイへの伝言を頼んでくれた。
プッシーキャッツ三人と
「超電磁…真空蹴り!!」
空から一直線に蹴りを入れる。こっちは忙しいんだ、邪魔するな!
異形系の
「マンダレイ!洸汰くん!無事です!相澤先生からの伝言です!A組B組総員ープロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて、戦闘を許可する!!」
よし!これで皆戦える。でも、もう一つの伝言が。
「すいません、もう一つ…伝えて下さい!かっちゃんが狙われている!テレパスお願いします!」
「かっちゃ…誰!?待ちなさい、ちょっと!」
マンダレイは止めてくるけど、かっちゃんの元へ急がなくては!森の奥へ向かおとしたその時、虎さんと闘っていた
「これは…本ト捕縛よりも、殺しといた方がイイ!あなた、血狂いマスキュラーを倒したの!?」
ああ、もう!かっちゃんの元へ行きたいのに、邪魔してくるなぁ!
「マスキュラーなら、蹴ったら足が折れて気絶したんで、そのままにしているよ!」
「…な!?」
一瞬、動きが止まった隙をついて、縮地法にて近付き、拳法の技の一つ
「すみません!後はお願いできますか!?」
呆然と見ていたプッシーキャッツの三人に、そう言い残して僕は再び森の中に跳躍していったんだ。
遠くから響く音、銃声…!?
皆どうなってる…!?かっちゃんたちは動いてないなら、そう遠くにはいないハズ…。
と、そこに黒くて巨大な手が襲ってきた!新手の
後ろに下がってやり過ごすと、すぐ近くに人が、良く見ると障子くんがこっちに向って来てた。
障子くんの言うには、さっきの手は個性が暴走した常闇くんの分身、黒影のものらしい。
闇が深いと制御が利かない。こんなピーキーな″個性″だったのか…。
くそっ、かっちゃんの元に行きたいのに、ここで足止めか?
「緑谷、俺はどんな状況下であろうと、苦しむ友を捨て置く人間になりたくない。俺が
わかってる。救けるという行為にはリスクが伴う。常闇くんを救けるか、かっちゃんの元へ駆けつけるか…。