僕の超電磁ヒーローアカデミア   作:アールエー

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また再開致します。
後、数話で終わります。


その45 愚

 

オール・フォー・ワンが左手を上げる。

突然腕が膨れ上がり、そのパワーはまともに当たれば超電磁正拳突きすら上回る、凄まじい破壊が実現するだろう。

現実に僕は回し受けをしながら、歩法でもかわしていたのだが、僅かに掠っただけでも意識が飛びそうになった。

 

「「空気を押し出す」+「筋骨発条化」+「瞬発力」✕4「膂力増強」✕3。この組み合わせは楽しいな…。」

 

オール・フォー・ワンは個性を奪い、複数の個性を同時に使用する事ができると聞いていた。そのパワーは足されると言うより、乗算されている様に感じるよ。

 

だが、問題ない。

 

オール・フォー・ワンの後ろから爆発が起きる。かっちゃんが僕の闘いに参戦しようとして、他の(ヴィラン)達に攻撃され、向こうと闘っていた。オールマイトが救けに行く。6対2。…実質的にヒー姉さんを除けは5対2、オールマイトが弱っているとはいえ勝機はあるだろう。

 

オール・フォー・ワンが腕から触手を出して邪魔しようとする。

その一瞬、左の掌底を突き出して衝撃波を作り、それに乗って一気に距離を詰め跳び蹴りを食らわす!真空蹴りだ!

 

「おお…。攻撃の感知ができないね、緑谷くん」

 

オール・フォー・ワンの巨大化した腕が、僕の機兆(きざし)を外した蹴りを受ける。その衝撃で瓦礫が吹き飛び、オール・フォー・ワンは威力を減衰させる様に後方へ飛び退く。が、それでいい。オールマイトの邪魔はさせない。

 

「先ほども言ったが…それほどの力を持ちながら、君達は常に行動を制限させられる。今も僕を戦場から離そうとしているのは、オールマイト達に被害が及ばない様にしているのだろう?」

 

オール・フォー・ワンも連打をして反撃するが、僕も手の甲で弾き、流し、打ち返す。

 

「ここで僕を倒す事は出来るだろう。だが、それ以降は敵がいなくなるよ?その拳を振るう事もなく、磨いた技術を使う事もなく、ただ腐らせていくだけだ」

 

オール・フォー・ワンの右手が肥大する、さっきの衝撃波の個性を使うのか!?

 

「超電磁…正拳突きぃぃいい!!」

 

拳と拳がぶつかり合い、その破壊力は周りの建物の残骸を更に細かく砕き、更地を増やしていった。

 

「…強引に打ち消したね」

 

「オール・フォー・ワン…。あなたは…あなたは空手を知らない」

 

僕は奴の腕を掴み、締め上げてやる。ミシミシと骨がなる音が聞こえる。

 

「ほう…空手を知らない、とは」

 

「空手は敵を倒す武術じゃない!超人へ至るための修行の道だ。敵がいなければ岩を叩き氷を割り、牛と会えば牛を、熊と会えば熊を殺す。空手とは、どこまでも精神錬磨し極限を超えて飽くことない武術!」

 

だから相手が居なくなるとか、関係ないのだ。

…砕く対象が惑星規模な御仁が約1名いるのは、今は忘れる!

 

超音速のパンチがオール・フォー・ワンを、地面まで撃ち抜く。ドゴンと鳴る音と共に、奴を地中まで埋め込んだ。

 

「つまり、独りよがりな武術じゃないのかね?」

 

自分と向き合う武術を、独りよがりと約されては…。

しかしまだオール・フォー・ワンは健在。カウンターを食らって、僕は空高く打ち上げられた。報道ヘリの近くまで。

 

 

 

見守る師匠達

 

『悪夢の様な光景!突如として神野区が半壊滅状態となってしまいました!現在道着を着た少年が、元凶と思われる(ヴィラン)と交戦中です!…あ、今入りました情報によりますと、闘っているのは誘拐されている筈の雄英高校の生徒と…』

 

闘いを緑谷出久に任せて、4人の空手家達はラジオを聞きながら、その死合いを見ていた。

 

「中々、強えな〜!!あの(ヴィラン)は!」

 

「我々が出向かなくても、本当に宜しいのでしょうか?」

 

「けっ、あんな(ヴィラン)相手に本気を出すなんて、カッコ悪いこと、この上ないだろうが!出久に任せとけ!」

 

ゼッカはそう言いながらも、出久の闘いをつぶさに見ている。そしてぐいっと一杯飲み干すと、その鋭い聴覚で出久達の会話を捉えた。

ワン・フォー・オールの言葉も聴こえてくる。

 

「弔がせっせと崩してきたヒーローへの信頼、決定打を僕が打ってしまってよいものか…。しかし、仕方ないね」

 

再びオール・フォー・ワンの腕が肥大化する。出久は避けようとして…。

 

「これでも受け給え。それと、避けて良いのか?」

 

オール・フォー・ワンが衝撃波を放とうとする先に、逃げ遅れた民間人が倒れているのが、ゼッカからも見えた。チッと舌打ちして動き出そうとした瞬間、別の人物が高速で向かうのを感じ取った。

 

衝撃波が来る直前、その人物が出久の前に立ちはだかる。

 

「超甲殻三戦法!!」

 

「タ、タラバ師匠!?」

 

激しい閃光と爆音が収まると、タラバを頂点にして三角形の衝撃波跡がくっきりと残った。

 

「ほう…緑谷くんに任せるのではないのかね?」

 

「死合いは任せる。が、民間人を巻き込むのは無粋!!出久よ、周りを良く見るのだ」

 

その時、爆豪が出久の横に来る。オールマイトと共に死柄木を、他の(ヴィラン)達を捕縛した様だ。

 

「周りはオールマイトや他のヒーローが救助している。後はラスボスを爆殺するだけだ。いくぞデク!!」

 

「…分かった、かっちゃん!!」

 

出久の身体に緑電が走る。爆豪の爆発がオール・フォー・ワンの背後に迫る。出久が持てる技術の粋を集めて、正拳突きが炸裂する。

 

いや炸裂しようとした時、オール・フォー・ワンの前に黒い液体が噴出し、ゼッカが出てきた。

 

「「「「「「「あ」」」」」」」

 

出久はパンチを止める事が出来ず、むしろ加速した様な気もするが、ゼッカごとオール・フォー・ワンを撃ち抜いたのであった。

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