また再開致します。
後、数話で終わります。
オール・フォー・ワンが左手を上げる。
突然腕が膨れ上がり、そのパワーはまともに当たれば超電磁正拳突きすら上回る、凄まじい破壊が実現するだろう。
現実に僕は回し受けをしながら、歩法でもかわしていたのだが、僅かに掠っただけでも意識が飛びそうになった。
「「空気を押し出す」+「筋骨発条化」+「瞬発力」✕4「膂力増強」✕3。この組み合わせは楽しいな…。」
オール・フォー・ワンは個性を奪い、複数の個性を同時に使用する事ができると聞いていた。そのパワーは足されると言うより、乗算されている様に感じるよ。
だが、問題ない。
オール・フォー・ワンの後ろから爆発が起きる。かっちゃんが僕の闘いに参戦しようとして、他の
オール・フォー・ワンが腕から触手を出して邪魔しようとする。
その一瞬、左の掌底を突き出して衝撃波を作り、それに乗って一気に距離を詰め跳び蹴りを食らわす!真空蹴りだ!
「おお…。攻撃の感知ができないね、緑谷くん」
オール・フォー・ワンの巨大化した腕が、僕の
「先ほども言ったが…それほどの力を持ちながら、君達は常に行動を制限させられる。今も僕を戦場から離そうとしているのは、オールマイト達に被害が及ばない様にしているのだろう?」
オール・フォー・ワンも連打をして反撃するが、僕も手の甲で弾き、流し、打ち返す。
「ここで僕を倒す事は出来るだろう。だが、それ以降は敵がいなくなるよ?その拳を振るう事もなく、磨いた技術を使う事もなく、ただ腐らせていくだけだ」
オール・フォー・ワンの右手が肥大する、さっきの衝撃波の個性を使うのか!?
「超電磁…正拳突きぃぃいい!!」
拳と拳がぶつかり合い、その破壊力は周りの建物の残骸を更に細かく砕き、更地を増やしていった。
「…強引に打ち消したね」
「オール・フォー・ワン…。あなたは…あなたは空手を知らない」
僕は奴の腕を掴み、締め上げてやる。ミシミシと骨がなる音が聞こえる。
「ほう…空手を知らない、とは」
「空手は敵を倒す武術じゃない!超人へ至るための修行の道だ。敵がいなければ岩を叩き氷を割り、牛と会えば牛を、熊と会えば熊を殺す。空手とは、どこまでも精神錬磨し極限を超えて飽くことない武術!」
だから相手が居なくなるとか、関係ないのだ。
…砕く対象が惑星規模な御仁が約1名いるのは、今は忘れる!
超音速のパンチがオール・フォー・ワンを、地面まで撃ち抜く。ドゴンと鳴る音と共に、奴を地中まで埋め込んだ。
「つまり、独りよがりな武術じゃないのかね?」
自分と向き合う武術を、独りよがりと約されては…。
しかしまだオール・フォー・ワンは健在。カウンターを食らって、僕は空高く打ち上げられた。報道ヘリの近くまで。
見守る師匠達
『悪夢の様な光景!突如として神野区が半壊滅状態となってしまいました!現在道着を着た少年が、元凶と思われる
闘いを緑谷出久に任せて、4人の空手家達はラジオを聞きながら、その死合いを見ていた。
「中々、強えな〜!!あの
「我々が出向かなくても、本当に宜しいのでしょうか?」
「けっ、あんな
ゼッカはそう言いながらも、出久の闘いをつぶさに見ている。そしてぐいっと一杯飲み干すと、その鋭い聴覚で出久達の会話を捉えた。
ワン・フォー・オールの言葉も聴こえてくる。
「弔がせっせと崩してきたヒーローへの信頼、決定打を僕が打ってしまってよいものか…。しかし、仕方ないね」
再びオール・フォー・ワンの腕が肥大化する。出久は避けようとして…。
「これでも受け給え。それと、避けて良いのか?」
オール・フォー・ワンが衝撃波を放とうとする先に、逃げ遅れた民間人が倒れているのが、ゼッカからも見えた。チッと舌打ちして動き出そうとした瞬間、別の人物が高速で向かうのを感じ取った。
衝撃波が来る直前、その人物が出久の前に立ちはだかる。
「超甲殻三戦法!!」
「タ、タラバ師匠!?」
激しい閃光と爆音が収まると、タラバを頂点にして三角形の衝撃波跡がくっきりと残った。
「ほう…緑谷くんに任せるのではないのかね?」
「死合いは任せる。が、民間人を巻き込むのは無粋!!出久よ、周りを良く見るのだ」
その時、爆豪が出久の横に来る。オールマイトと共に死柄木を、他の
「周りはオールマイトや他のヒーローが救助している。後はラスボスを爆殺するだけだ。いくぞデク!!」
「…分かった、かっちゃん!!」
出久の身体に緑電が走る。爆豪の爆発がオール・フォー・ワンの背後に迫る。出久が持てる技術の粋を集めて、正拳突きが炸裂する。
いや炸裂しようとした時、オール・フォー・ワンの前に黒い液体が噴出し、ゼッカが出てきた。
「「「「「「「あ」」」」」」」
出久はパンチを止める事が出来ず、むしろ加速した様な気もするが、ゼッカごとオール・フォー・ワンを撃ち抜いたのであった。