カラミティガンダムを手にして1日が経つ。
俺が
最近では2年、3年の先輩から絡まれることもしばし。感覚的には織斑一夏は堕とすのが難しいから、無難に俺───、みたいな感じもあるんだろう。仮に本当にそうだったとしたら不名誉極まりない。
まぁ、それは棚に置ける。それ以上にカラミティが重要だ。
AFF。調べてみれば大西洋連邦軍の事らしい。あれだ、主人公サイドのとこだ。つまるところ、キラやらムウあたりの怪物たちも存在する可能性が浮上してくる。
何が言いたいかといえば、
まぁ、コーディネイターってワードがヒットしないあたり、いないと信じていいんだろうが。
そして2つ目。何故俺にカラミティが来たかだ。
カラミティもとい悪の3兵器はブーステッドマン専用機であって、その操作難度から常人は操作することすらままならない。なのにわざわざ俺に渡されたところで、両者ともに一利も無い。
であるのに何故俺の手に渡ったのかが、疑問点だ。
だが、ISは脳波操作らしく、バイオセンサーやインテンション・オートマチックに近しいものが搭載されている。
脳波操縦を機体制御、火器管制を完全マニュアルでやると考えれば出来ないことはないし、真人間にも操作はできるであろうが、真人間=常人と限らない訳じゃない。
それこそ努力は当たり前として、才能、センス、脳ミソの回転速度やらが求められる。ほぼ動かせないも同義だろう。
それに、先生にカラミティの事聞いてみても「分からない」「聞いてない」の一点張り。
ISはアラスカ条約で兵器としての研究、開発は禁止されているはずだ。なのに何故カラミティがいるのか。堂々と悪の3兵器って通称もあるし。これならまだZGMF-Xシリーズの方が誤魔化し効くんじゃないのか?
だが……、ここまでグチグチ言っといてなんあれではあるが、テンションが上がっていない、といえば大嘘になる。
めちゃくちゃテンション上がってるし、めちゃくちゃ楽しみにしてる。早く動かしたいくらいだ。
まぁ、専用機貰いたてって理由でなかなかアリーナの使用許可は降りないが、先生からアリーナの使用許可が降りるよう言っておくと言われ、心の底から安堵した。
「あっ、そうだオルガ君。アリーナ、来週の火曜日以降は特段なことがない限り使えるらしいから」
「そうなんですか!?ありがとうございます!」
正直、うちの担任は軽く仏だと思う。
ここに来るまでは、女性の殆どが女尊男卑。そうでなくても男には見向きもしないような人ばっかりだったが、IS学園はあんまりそういうことがない。それどころかこのクラス───3組は治安がめちゃくちゃいい。本当に感謝。
「本当なら今週の水曜辺りから使えたんだけど、色々あって来週に持ち越しになっちゃってね」
「色々?例えばどんなことですか?」
「え、あー。なんか1組に織斑一夏君と《セシリア・オルコット》さんがいるじゃない?その2人がバチバチらしくて、クラス代表を決めるために来週の月曜日に決闘することになったらしいの。それで、来週に持ち越しになっちゃったの」
クラス代表、ねぇ。うちは満場一致で俺になっちゃったけども、あっちはそうなんのか。
セシリア・オルコット。確かイギリスの代表候補でBTシリーズの……、『ブルー・ティアーズ』だったか?ビット搭載機とは聞いていたが、ここじゃ真人間でも色々できるもんなんだな。
ビット、ファンネルタイプかフィンファンタイプか、はたまたそれ以外か。結構気になるな。来週の月曜見に行こ。
「それじゃあ、俺は帰りま「肆三瀬オルガはいるか?」
教室の入口から声が聞こえた。謎に嫌な予感がする。
そこに居たのは……、不動明王像の背後霊が見えそうな雰囲気のスーツを着こなした女性───1組の担任であり、世界最強の女性、織斑千冬さんだ。
「居ますけど……、何かありましたか…?」
正直むっちゃ怖い。今は割と明るいキャラ演じてるけど、根っこは陰キャだ。こういう女性はいつになっても天敵なのは変わりない。
「来週の月曜に私のクラスのクラス代表を決める決闘をする、という話は聞いた事があるか?」
「あぁ、はい、一応……」
「そうか、なら話は早い。どうだ?この際お前も戦ってみないか?」
戦ってみないか?何言ってんだ?俺専用機持ってまもないぞ?いや、そもそもの話、
「期間はある。その内に準備しておけば問題ないはずだ」
「いやいやいや…、自分ISの事なんて多少齧った程度しか知りませんし、何より入学試験の模擬戦だってあれですよ?」
入学試験には実技、教員とのISでの模擬戦がある。
俺も当然それをしたが、結果は敗北。お世辞にもセンスがあるとは言えたものじゃない。
「物は試しと言うだろう。それで、やるのか?やらないのか?」
「そりゃもちろん……」
俺が「やらない」と言いかけた時、織斑千冬さんは近づき、何かを囁いてきた。
「ここである程度戦っておけば、研究所のモルモットにならなくてすむ。勝ち負け力差関係なくやっておけ。その方が身のためだ」
背筋が凍りつくような感覚に襲われた。
たしかに、俺の立場上有り得る話だ。織斑一夏は織斑千冬と言うデカイ後ろ盾を持っている。それに比べ俺は後ろ盾もクソもない一般人だ。
─────やらざるを得ないか…。
「……わかりました。やります」
「そうか。日程は来週の月曜、第3アリーナで放課後行う。くれぐれも遅れるなよ」
そう言って、織斑千冬さんは教室を出た。
……まぁ、初陣が模擬戦、か…。悪くないな。
そんな巫山戯た事を頭の中で考えながら、俺も寮へ帰った。