あの人、勇者の物語にはいない。【AI翻訳】   作:ゼリ_Xerionic

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第10話 1-10 鉄蜂作戦 1

グレイモアが空の魔石を訓練用に渡してくれたものの、リースはまだ納得がいかなかった。学んだ回復魔法と実際に見てきたものとは、あまりに違いすぎる。

 

グレイモアが力を鍛えろと言っても、心を落ち着かせて師の指示に従うことができなかった。

少年はベッド脇の椅子に座り、一方の手で回復ポーションの瓶を持ち、夜の窓辺に翳した。淡い青い光が、夜明け前の空のように柔らかく輝く。

 

「ヒール」

 

小さな声で呟き、手を瓶の上に掲げる。回復魔法の青い光が輝き始め——

 

ぱん!!

 

瓶が軽く爆発し、ひびが入った。治癒の液体が流れ出し、臭い悪臭を放つ。

液体の色は薄い青から、腐った草のような緑に変わっていた。

言うまでもなく、毒だ。

 

『残念だけど、訓練に近道はないよ』

 

グレイモアの言葉が頭の中で響く。彼はひび割れた瓶を睨み、片付けると新しい瓶を手に取り直した。

 

気づけば五本目を失っていた。そこでようやく手を止めた。

 

 

翌朝、少年は爽快とは程遠い目覚めだった。頭痛が昨夜の残りで残っている。おそらく、魔力が尽きているのに無理に回復魔法を使ったせいだ。

 

太陽が高く昇り、少年が遅く起きたことを告げている。いつものように軽い鉄の胸当てを着け、顔を洗って二階から降りてきた。

 

「今日、顔色悪いわよ。一日休みなさいよ?」

 

ニシャが近づいてきて尋ねる。立ち止まって顔を覗き込み、手を額に当てるが、熱はない。

「今日は楽な日です」

 

「こんなに顔色悪いのに楽なわけないでしょ」

 

「そうですか。それじゃ仕事量を減らします」

 

ニシャがそう言うと、リースは乾いた笑みを浮かべて答えた。ニシャは彼の背中を叩く。

 

「無事に帰ってくるだけでいいわよ」

 

「はい」

リースは街を抜け、冒険者のギルドへ向かった。遅い時間だが、人はまばらだ。急いでカウンターへ直行すると、受付嬢の姉さんがいつものように声をかけた。

 

「こんにちはリース。顔色悪いわね」

 

「ニシャもそう言ってました」

 

「休んでもいいのよ」

 

「一日で終わる簡単な仕事をお願いします」

 

そう答えると、受付嬢は立ち上がり、奥から何か飲み物の瓶を取り出した。

 

「これ、二銀貨よ」

 

「これは」

 

「魔力回復の薬」

 

リースは突然ギルドの受付嬢がこんなものを出すことに驚いた。

 

「どうして姉さんがこんなものを持ってるんですか?」

 

「私も昔冒険者だったのよ。君の症状が何かわかるわ」

 

「ありがとうございます」

 

少年は頭を下げて礼を言い、受付嬢に銀貨を払った。すぐに飲み干す。魔力回復の薬は飲んですぐに魔力を補充するものではなく、体が魔力を生成しやすくするものだ。

今飲めば、体が徐々に回復する。

 

「今日の仕事は…マリーナ教会の補助よ」

 

手元の依頼書一枚に、受付嬢の笑顔が消えた。視線がリースと依頼書を交互に行き来する。彼はマリーナの人間だ。あいつらの命令は何でも聞く。きっとまた森に入らせる気だ…

 

そうなら叱られる。でも彼に仕事を断ったら、自分も叱られる。

どっちを選んでも叱られる。そんなの嫌だ。

どうしよう…受付嬢は決めかねた。

 

しかし、待たずに答えたのはリースだった。少年は受付嬢から依頼書を奪うように取った。

 

「この仕事、喜んでお受けします」

 

「ちょっと!! リース!」

 

「大丈夫です。早く終わらせて午後はそこで休みます」

 

「待って!」

 

ギルドの受付嬢が立ち上がったが、もう遅い。少年は背を向けて冒険者のギルドを出て行った。今はマリーナ教会が彼を毎回のように森に送らないことを祈るしかない。

 

そして、それは受付嬢の恐れた通りだった。

 

「いつもの通りだ、リース。薬草だ」

 

グレイモアの短い言葉に、意図的な狡猾な響き。

 

リースは街の門を出て、隣接する村を抜け、壊れた家畜小屋はまだ修理されていない。

彼は壊れた柵に近づいた。

引きずり跡。

 

アッシェンブルクに大型モンスターがいないなら、何が牛一頭を簡単に引きずれるのか。

 

「西の森?」

 

少年は強く息を吐いた。行かないべきだとわかっていても、心は熱く焦る。足を踏み出し、跡を追って西へ深く入る。

 

引きずり跡は森のほぼ中央まで続いていた。短剣で木に印を付けながら進むが、それでも迷いやすい。跡を追い続け、ついに死体に辿り着いた。

 

それはバラバラに散らばっていた。頭はなく、脚は一本だけ。残りは骨が見えるほど食い荒らされていた。

 

何が牛をこんなにできるんだ? グレイモア様に報告すべきだ。これ以上大きくなる前に。

リースは心の中で思い、立ち上がりながら丸い盾を構えた。空気を裂く羽音と共に、茂みを突き破る影。

 

盾で叩き飛ばし、木にぶつかる。少年は慎重に盾を構え、もう一方の手で短剣を抜く。ゆっくり近づく。

 

それは鉄蜂だった。よろよろと立ち上がり、翼を激しく振るうと再び空を舞う。彼はまだ浮ついているうちに駆け寄り、全力で斬りつけた。

 

頭が飛んだ。体が地面に落ちるが、まだ暴れる。盾で押さえ、短剣で腹を中ほどから裂く。

強烈な臭いが広がり、何かが空を飛んでくる。

 

丸い盾を上げて防ぐが、一匹だけではない。もう一本の針が別の方向から右脚をかすめ、擦り傷だが痛みが走り、脚全体が震える。

 

鉄蜂の毒は致命的ではないが、痛みと筋肉の震えを引き起こす。直撃なら一時麻痺。その隙に鋼のような顎で噛み砕く。

 

今、リースにできるのは逃げ場なく立ち向かうだけ。歯を食いしばり、右脚を必死に支え、息を整えて霧を払い、音を聞く。

 

羽音が再び迫る。今度は一匹から二匹へ。少年は盾で防ぎ、短剣で反撃し、二匹を別方向に吹き飛ばす。

がぶっ。

 

鉄蜂がもう一匹、死角から飛びかかり、右腕を噛み砕く。薄い鉄板のグローブを潰し、鋭い牙が肉に刺さる。

 

すぐに短剣を左手に持ち替え、頭を繰り返し刺して顎を緩め、虫の体を振り払うが、羽音の波が再び来る。

 

くそっ、巣ごと来てるのか!!

少年は盾を向け、飛びかかる鉄蜂に向ける。

 

「うっ」

 

盾で防いだが、毒の脚が安定せず、盾が手から滑り落ちる。

再び飛びかかってきた時、空いた腕で誘い、満身で噛ませる。顎が肉を貫通し、短剣で刺すが、鉄蜂も腹に針を刺す。

 

「うっ…」

 

体が即座に硬直する。リースは最後の力で死んだ鉄蜂を投げ飛ばし、倒れ、体を硬直させ、よだれを吐く。

 

羽音が大量に近づく。

 

「くそ…」

 

少年は苦々しく目を閉じ、死を受け入れる。

 

「モオ!!」

 

森の中央から牛の鳴き声が響く。羽音が徐々に遠ざかる。新たな餌に救われたようだ。

歯を食いしばり、息を止め、手をポケットに突っ込み、回復ポーションの瓶を一本取り出す。

 

息を吸って止め、歯を食いしばり、最後の集中を。

 

「ヒール…」

 

瓶の青い光が輝き、星のようにきらめく。ランタン司祭のようには美しくないが、成功した。

 

「ははは、面白い…なんでこんな偶然で成功するんだよ…」

 

少年は涙を浮かべて自嘲し、腹の傷に注ぎ、残りを飲み干す。毒は残るが、傷は塞がる。

 

「せめて…生き残った…」

 

長く休んだ後、毒が解け、リースは弱々しく立ち上がった。鉄蜂の死体を籠に入れ、布で覆い、肩に担ぐ。

 

街に戻ると、空は暗くなっていた。

少年は息を吸い、足を引きずりながら教会へ。

 

「グレイモア様」

 

大きな扉を押し開けると、グレイモアが座っていた。狐のような乱れた顔が、リースを見て即座に安堵する。

 

「おお、マリーナに感謝だ。無事か? さもないとレオ様にまた叱られるよ。あれ…」

 

狡猾な笑みが乾き、弟子の様子に気づき、すぐに駆け寄って支える。

 

「お前、何にやられたんだ」

 

体はボロボロ、服は破れ、右腕のグローブは潰れ、噛み跡だらけ。

 

リースは籠を下ろし、開けて見せる。

 

「うわっ、何やってんだよ。五匹も!!」

 

グレイモアはリースと籠を交互に見る。一匹なら危なくないが、五匹は違う。

 

「ここに座れ」

 

グレイモアはリースを椅子に導く。息は荒く、体は不安定。グレイモアは回復ポーションと解毒剤を渡す。

 

「お前は災厄を引き寄せる才能があるな」

 

言いながら右グローブを外し、手を上げて祈りを唱え、回復魔法を使う。温かい光が腕を癒し、噛み傷はすぐに塞がり、小さな傷跡だけ残る。

 

「グレイモア様、ギルドに何か対策を依頼すべきです。これ以上広がる前に」

 

少年は真剣な声で、向かいの椅子に座るグレイモアに言う。

 

「私もそう思うが」

 

グレイモアの顔は明らかに困った様子。視線が籠の鉄蜂へ。

 

「こいつら、巣を焼いて女王を殺さないと、短期間で復活する。根絶するには調査チームで大巣を探し、多くの冒険者で戦う必要がある。教会にそんな大金を払う余裕はない」

 

二人の会話が止まる。リースが再び口を開く。

 

「私は急務だと思います。理解させれば、市長様と商工会が助けてくれるはずです」

 

それを聞き、グレイモアの目が輝き、手を顎に当て、悪巧みのように目を細める。

 

「素晴らしいぞリース。それを急務にすればすべて終わる」

 

手が悪辣に擦れ、弟子の前で。まるで大事件を起こす計画を宣言するようだ。

 

「ありがとうリース。明日準備しろ。特別なものを教えるよ。約束だ」

 

言い終え、満足げに回復ポーションを何本か渡す。

教会から帰る道中、リースの心は落ち着かない。予感が、何かが起こることを告げていた。

 

 

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