あの人、勇者の物語にはいない。【AI翻訳】   作:ゼリ_Xerionic

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第14話 1-14 鉄蜂作戦 4

マリナの教会では、ここ五日間、朝から晩まで激しい殴り合いの音が響き渡っていた。さまざまな噂が飛び交っていたが、実際はリースの強化魔法訓練が、苦戦しながらも進められているだけだった。

今日もまた、彼は朝からレナと訓練を始め、太陽が真上に来るまで続けていた。

 

「固まれ!!」

 

青い光が少年の木製盾を覆い流れる。彼はそれを掲げて標準的なガードを取り、視線をレナと迫り来る拳に固定した。

 

バシッ!!

 

若き冒険者の木製盾に拳が激突し、大きな音を立てる。彼は拳の軌道を読み、払いのけた。

 

「速くなれ、強化!!」

 

もう一方の手にある木の棍を振り回して反撃するが、レナは顔をわずかに逸らしてかわす。

 

「足が開いている!!」

 

彼女の脚が低く掃き、少年の足首を蹴る。強化魔法がかかっていても体重が増えないため、体が浮き上がる。

 

「触れを保て!!」

ドン!!

 

隠していたもう一方の拳が、まだ空中に浮かんでいる彼に直撃し、数体分吹き飛ばされる。

 

「まだいけます!!」

 

リースは歯を食いしばって立ち上がる。防御強化魔法をかけていたおかげで、体はあまり痛まなかった。

 

訓練は一方的に殴られるものから、戦闘訓練へと変わっていた。実力差はまだ大きいが、リースはレナに少しは反撃できるようになっていた。

 

一般的な強化魔法は三種類ある。攻撃強化、速度強化、防御強化。体に直接かける場合、一つだけだと問題が生じる。

防御強化は筋肉を硬くし、動きにくくなる。

攻撃強化は体を強くするが、動きが遅くなる。

速度強化を過度にかけると、筋肉が裂ける。

だからこそ、三つの強化魔法を常にバランスよく使う必要がある。

 

それでも防御強化は特別で、盾、鎧、衣服にかけられるため、それらを硬くできる。これで体の問題をある程度軽減できる。

 

「悪いね、子供たち。でも時間切れだよ」

 

老狐の狡猾な声が庭に響き、続いて素早い足音が近づいてくる。

 

「グレイモア様」

「頭領」

 

二人は声の方向を向き、やってきた人物に頭を下げて敬意を表す。表情は穏やかだ。

 

「ギルドからリースを呼んでいるよ。急ぎらしい」

 

「僕ですか?」

 

自分を指差すと、グレイモアは頷く。少年はギルドが自分をなぜ呼ぶのか、戸惑う。

 

体を洗い清めた後、リースは服を着てすぐに教会から冒険者のギルドへ向かった。道中、両側に商品の馬車ではない馬車が何台も停まっているのに気づく。

 

「他都市からの冒険者か」

 

リースは左右を見回しながら小さく呟く。馬車にランタナの街の紋章が見え、心臓が胸から飛び出しそうになる。

 

「アンジェ」

 

渇望する心が脚を走らせる。

 

「速くなれ、固くなれ」

 

二つの強化魔法を唱え、速度を上げて心臓の鼓動を速くしながら冒険者のギルドへ駆け込む。

 

正面の扉は開かれ、多くの人々が忙しなく行き交う。この静かな街の冒険者のギルドでは珍しい光景だ。

視線を巡らせ、炎のように鮮やかな赤い髪を探すが、そんな髪の人はいない。

リースは長く息を吐き、もう一度遠くを見渡す。

 

「よおリース、久しぶりだな。まだ辞めてなくてよかったよ」

 

少し苛立つような明るい声が響き、後ろから腕が少年の首に回される。

 

「こんにちは、スレスさん。本当に久しぶりですね」

 

「はは、二ヶ月くらいか」

 

リースが丁寧に挨拶すると、スレスは引きずるように彼を自分たちのテーブルへ連れて行く。

 

「こんにちは、皆さん」

 

リースは挨拶する。魔術師の姉さんやハンサムパーティーの他のメンバーたちが、皆笑顔で友好的に返事する。初めて会う新メンバーも笑って挨拶した。

 

「今、私たちは中規模パーティーに昇格したよ。現在メンバーは十二人、頭領込みで」

 

スレスは親指で後ろに座るメンバーたちを誇らしげに指す。

 

「素晴らしいですね」

 

リースはすぐに笑顔で返す。

冒険者パーティーを結成する際、ギルドは最大八人までしか許可しない。

だが実績が良ければ中規模パーティーに昇格し、最大十六人になる。高規模パーティーになれば四十人まで可能だ。

しかし高規模パーティーは少なく、彼らはギルドから独立した組織になることが多い。

 

ハンサムパーティーがここまで成長したのは、ハンサムと初期メンバーの努力のおかげだ。

 

「それで、ハンサムさんは?」

 

リースは周囲を見回すが、スレスのパーティーリーダーは見当たらない。

 

「今、リーダーたちはギルドマスターと会議中だよ。時間がかかりそうだ」

 

スレスは答え、親指で肩越しにギルドの反対側に座るグループを指す。

 

「ランタナから三パーティー、合計二十四人だよ」

 

リースがスレスの指の方向を見ると、もう二つのパーティーが離れて座っている。一つは重装鎧を身に着けた男女七人のグループ、もう一つは女性だけの三人パーティー。

 

両方ともヴィクターの古い敵だ。

 

鉄の鎧グループはパーティー名を「人間の壁」と言い、重装鎧で強化魔法を活かした戦いをする。

かつてヴィクターがそのパーティーの僧侶を誘い、元のパーティーを捨ててこちらに来るよう誘ったが、他のメンバーを激しく侮辱したため、僧侶は激怒し、それ以来揉めている。

しかし仲裁に入った者が殴られた……それがリースだ。そして後で知ったが、その僧侶はリーダーであり、人間の壁のメンバーたちは長く共に戦ってきた。

 

もう一つのグループは中規模で優秀な実績を持つ。

十八歳だが任務で失敗はほとんどない。パーティー名は「ランタナの美人たち」で、全員がランタナ生まれ育ち。

中規模になっても新メンバーを受け入れないのは、「ここは私たちの場所」だからだ。

 

もちろん彼女たち四人もヴィクターと揉めている。共同任務で完璧に成功した後、ヴィクターが「ランタナの美人たち」を「脇役女パーティー」と嘲笑した。それで即揉め。

また繰り返しの事件で、仲裁に入った者が殴られた。それがまたリースだ。

 

二つのパーティーがリースを睨んでいるのに気づき、スレスは彼の腕を引いてハンサムパーティーの会話に戻す。

 

「君は多くの戦いを経験したよ。あいつらは君があのトラブルメーカー集団から抜けた今でも、君を嫌ってるだろうさ」

 

スレスは肩をすくめ、パーティーの皆が笑う。有些は笑いを堪える。

 

「大丈夫ですよ。あいつらが揉めたいなら、ハンサム頭領が自分で片付けてくれるって約束したんです」

 

パーティーの魔術師姉さんが補足し、リースは気分が良くなる。少なくともハンサムは合理的で、熱くなりやすいタイプじゃない。ランタナを出る時、リースをからかったのも彼だが。

 

「アンジェリカたち……本当に来なかったんですね」

 

リースはテーブルを見つめ下を向く。ハンサムパーティーの面々が顔を見合わせる。魔術師姉さんはそれを見て少年の肩を叩く。

 

「まだ諦めるのは早いよ。後からランタナから来るかもよ。誰知る」

 

「はい」

 

リースはその答えに笑う。魔術師姉さんは正しい。少なくともアンジェリカが来る希望はある。

しばらく話した後、二階から人が降りてくる。

 

最初はクリフ、『人間の壁』のリーダー。高身長の僧侶で、女性のように美しい顔立ち。胸の銀の徽章が輝き、光の教会ルセリアの中級僧侶を示す。

 

二人目はダリア、『ランタナの美人たち』のリーダー。長い赤髪のハンター美女だが、アンジェリカの髪とは全く違うトーン。アンジェリカは炎のような赤、彼女は血のような深紅。額の首飾りが前の勇者の直系血統を証明するそうだ。

 

三人目はハンサム。

 

ギルドマスターレオは階段の上に立ち、降りてこない。彼はリースの座る場所を見て、大声で言う。

 

「リース、この任務はお前に期待してる。失望させるなよ」

 

ギルドマスターレオは言い終えると背を向け、部屋に戻る。他の者を無視して。

リースは先ほどの威勢のいい背中を見送る。冒険者徽章をもらって以来、初めて誰かが大声で自分に期待を寄せた。少年は目を閉じ、最善を尽くすと誓う。

 

「チッ」 / 「チッ」

 

クリフとダリアはそれを聞き、顔をしかめ同時に舌打ちするが、それ以上は何もせず、ギルドマスターを憚ってだろう。各自のパーティーへ戻り、すぐにギルドから出て行く。

 

ハンサム側はそれを見てため息をつく。彼は素早く態度を変え、笑みを浮かべてリースに近づき、友好的に挨拶する。

 

「よおリース、久しぶりだな」

 

「こんにちは、ハンサムさん……みんなヴィクターを心底嫌ってるみたいですね」

 

リースは返事し、苦笑いで続ける。ハンサムパーティーの皆が乾いた笑いで答える。本当だという証拠だ。

 

「まあな。君が抜けてからあいつらの問題が増えたよ。成功は増えたが、モンスター討伐と狩猟だけ。他の任務は大失敗さ。一番問題なのはヴィクター。あいつは何も仕事がないのにギルドに居座り、エスって名前の奴を探して文句ばかり。他人を侮辱する癖も悪化した」

 

パーティーを抜けた後でも、それを聞くとリースは恥ずかしい。彼らは話題を変え、ランタナの他の話をリースに聞かせる。少し雑談した後、ハンサムが手を叩く。

 

「さて、本題に入ろうか」

 

パーティー全員が静かになり、真剣に聞く準備をする。ハンサムは今回の任務について詳細に説明し、地図を広げる。鉄蜂の巣の位置が示される。

 

「これはマリナ教会が雇った調査隊が発見した情報だ」

 

リースは見て思う。あれは五日前にグレイモアがエルウィンにリースの前で命じたものかもしれない。

 

計画の説明が終わると、ハンサムは少年の肩を叩く。

 

「次は君の番だ」

 

「え? 僕ですか」

 

リースは驚いて自分の顔を指差す。ハンサムは大笑いして続ける。

 

「レオ様が言ってたよ。君は鉄蜂との戦闘経験が豊富だって。ランタナではほとんど出会わないだろ? だから鉄蜂について説明してくれ。少なくとも対処法を知りたい」

 

それを聞き、リースはすぐに理解する。ランタナ時代に鉄蜂に出会い、対処法を勉強したのは幸運だった。さもなくば西の森でやられていたかも。

 

リースは自分が幸運だと思う。

 

「はい、わかりました。でも一つ約束してくれますか」

 

「言ってみろ」

 

ハンサムは頷き、リースの依頼に答える。

 

「この情報を残りの二パーティーにも伝えてください。巣の鉄蜂は知らなければ危険です。この任務で死ぬかも」

 

それを聞き、ハンサムはメンバーたちを見る。彼らは頷き返す。ハンサムは答える。

 

「いいぞ」

 

短く答え、リースはこれまでの鉄蜂遭遇を語る。外見、毒の対処、準備すべきもの。

 

すべて詳細に説明し終えると、全員が解散する。

 

リースはニッシャの宿に戻る。今日は疲労の多い日だ。午後は休めたが、過酷な魔法訓練は体と心に良くない。

 

空のベッドに体を投げ出し、一日の出来事を振り返る。

さまざまな感情が絡み合い、混乱する。

本気の訓練で高揚する気持ち。

アンジェリカが来なかった失望。

初めて期待された感動。

 

時間が経ち、暗くなるまで。少年は起き上がり、空の魔石を握り、集中する。

 

ポンッポンッポンッ

「おいリース、美人が来てるぞ!!!」

 

ニッシャの機嫌の悪い声が響き、ドアを叩く音が鳴り響く。リースは驚いて手元の魔石を落とし、空中に飛ぶ。

慌てて飛びつき、なんとか掴む。

 

 

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