GO!GO!カタストロフィ! 作:renri
なので初投稿です。
「なんか、心が痛い」
【勇者】【聖女】【賢者】【王者】も心なしかしょんぼりしていた。
第2の厄災は無事に祓滅した、したのだが…
「【雪だるま職人】…僕は君のことを恐ろしく思うよ」
「いやいやいやいや!俺もここまでとは思わなかったんだ」
「まぁまぁ…【勇者】殿もそこまで本気で言っている訳ではないと思いますぞ」
「結果的にああなっただけで、本来なら…うん」
【賢者】と【王者】に慰められ、次の厄災へ向かう。
まさかあの儀式があそこまで効くなんて...
「私、ダブル・アンデッドキャットが野菜(呪術師)で倒せるとは思わなかったわ」
「降霊術、いや精霊術でしょうか。【賢者】として様々な術に触れてきましたが初めての経験でしたな」
「僕は農家の方々から貰った大量の野菜が喋って呪術を使うのに目を疑ったね」
「俺、食事するのが怖くなったんだけど」
説明しよう【王者】も恐れる儀式、それは「食わず嫌いはダメダメ!野菜を食べないと呪われちゃうぞ☆」という、とある村の呪術師が開発した野菜を呪術師にする儀式である。
効果は「野菜を、自身を無理やり食わせる、拒否するといつの間にか対象の口に入っている呪術を使う野菜にする」という、なんとしても野菜を食わせるという儀式。
解呪方法は野菜を食べること、そして感謝すること。
悪用すれば、毒入りの野菜とか無理やり食わせることができるのでは?となるが、よくわからんセーフティが発動するみたく、本当に美味しい野菜を食べさせることだけにしか効果がないとのこと。
「誓って動物に使ったことはない。というか使えないようになっているって聞いた!」
「人には使ったことあるのね」
「うん、だって食べ物残すのはダメだろ。食に感謝しないと」
ちょっと引いた【聖女】に【王者】と【賢者】がフォローしてくれる。
「【雪だるま職人】は寒冷地の出身だから、その辺厳しいんじゃないかな」
「拙僧は良いと思いますぞ。食のありがたみを知らない若者が多くて...」
【賢者】は飢えを見たことがあるらしく、肯定的だ。
そんな感じで話が脱線したところで【勇者】が話を戻す。
「仮に野菜の呪術が無かったら、かなり苦戦したと思う」
「あれでは10分の1...いや100分の1の実力も出せていたか分かりませぬな」
「ネギ、アボカド、トマト...猫って繊細な生き物なのね」
「俺は人間が色々食べれるだけだと思うが」
そう、我々は野菜を第2の厄災に喰わせたのだ。
きっかけは第1の厄災で雪だるまが有効だったので、ならあの野菜を食べさせる呪術も有効ではないのだろうかと試しに使ったところ、食中毒を起こしてあっさり祓滅できたのである。
「私は動物を虐待しているみたいで辛かったわ」
「その割には≪神兵≫でボコボコにしていたな。俺もだけど」
「それを言ったら拙僧達は猫を食中毒にさせてボコボコにした悪逆非道の集団ですな」
わっはっは!と笑う【賢者】
そして、スッと笑みを引っ込めて
「さて余興はこの辺にして、【勇者】殿の言った通り苦戦は免れなかったでしょうな。拙僧達が聞いていた話では、本来第2の厄災は呪術を使っていたはずですな」
「そうだね。僕の装備、≪臆病な竜鱗≫の反応から何かしら攻撃的な呪術...予想だけど『自分にダメージを与えてきた対象が範囲内にいるなら、対象にもダメージを与える』かな?」
「『自傷して対象が範囲内にいるなら、対象にダメージを与える』ではないか?近距離格闘をしていたしていたが、ダメージを感じなかったぞ」
「両方の可能性は無いかしら?【雪だるま職人】は、どう思う?」
「あり得ると思う。かなり集中力を使うって言うのもあるけど...ほぼ無抵抗というか、いかに【王者】が強いとも言っても何か感じることはあるだろうし...」
ほぼ無力化した状態で不死を解読するのに1時間ほどかかったので、それが無かったらかなりの難敵だっただろう。
まさか生存能力が高いだけで攻撃性能が疎かになっているのは考えにくい。
普通は一番ダメージを与えてきた相手に...うん?
「あ、まさか」
「どうした【雪だるま職人】」
「いや呪術のダメージって野菜に行ったんじゃ...」
「「「「あ~!!!」」」」
「確かに口から野菜の汁が溢れていたな」
「え、そうなると余計に吸収されやすくなるわよね?」
「なんと!このようなことが」
「いやでも野菜だよ?そうなったら剣とかにダメージが行くってことになるし…」
「【勇者】よ。あの野菜は野菜(呪術師)だ。疑似的に生き物になっているとすれば説明が付く」
【王者】の言う通りなら、もはやあの厄災に対して開発された儀式と言っても過言ではない。
全員が何とも言えない顔をして、これなんて報告書に書くんだよ、と思っていた。
◆とある会議室
今回も各国の重鎮、専門家が集まっており、第2の厄災である
「倒せるとは信じていましたが、こんなに早く祓滅できるとは思っていませんでしたね」
「ええ、それにしても安心しました」
「
多くの人が顔を青くして、写真を見ている。
そこには顔が腐った者、眠れないのか隈を作り血走った目をしている者など、全員生きているが人によっては死ぬより酷い目にあっているともいえる。
「一番生存者が多い厄災でしたが、生きて帰った者は全員まるで遊びに飽きた玩具のような状態…」
「これ以上、犠牲が出なくてホッとしました。生存者も治ればよいのですが…」
「身体と違い精神に負った傷は時間と本人次第。治ることを信じましょう」
「しかし...今回は前回以上に...こう...嘘みたいな、いえ、決して嘘だとは思っていないのですが」
ここにいる全員、報告書は既に一通り確認しているが、その内容に頭を抱えていた。
第2の厄災:『
ギミック型の厄災
9つの命を持つ双子の猫を同時に倒さないと倒せない。
普通の猫と一緒で一部の野菜で食中毒を起こす。
能力
・双子の猫を同時にかつ9回連続で殺さないと倒せない
・自分にダメージを負うが相手にダメージを負わせる呪術を多用する(推定)
「野菜で食中毒を起こす...確かに猫はそうだが、だからって食わせるやついるのか!?」
「居たからこうなっているのでしょうね」
「本人たちも困惑しているのが分かります」
感想
【勇者】
不死身のギミックと呪術で本来なら苦戦はずだったが、野菜で解決してしまった。
ただし、当初の予定通り呪術耐性のある装備と【賢者】のサポートで対処できると考える。
試していないが、【王者】は素で呪術を弾くだろう。
迷宮ボスによくいる正しい攻略をすれば、比較的倒しやすい厄災だと考える。
【聖女】
猫に限らず、動物に何かを与える時は良く調べないといけないという実例を見た。
野菜無しで戦った場合、【勇者】【賢者】で勝てたと思うが、戦闘時間が長引いただろう。
【王者】は呪術耐性が高いようで、もしかすると単騎で祓滅できた思われる。
【賢者】
【雪だるま職人】の柔軟な発想によって何事もなく祓滅ができた。
今後厄災の意外な攻略法が見つかるかもしれない。
仮に野菜が無くても勝てただろうが、戦闘中に厄災が我々以外に呪術を使わないという保証が無かった。
そのため、今回の野菜は被害を大きく減らしとも考えられる。
【王者】
実際に戦ったわけでは無いが、単騎で勝てたと思う。
何か奥の手を隠していた気もするので、その場合は甚大な被害が出たと予想している。
厄災が野菜で苦しむのを見て、野菜を怖く感じた。
【雪だるま職人】
こんなにも野菜が効くとは予想外だった。
猫に性質が寄り過ぎだと思った。
「自然災害が動物に似ているから野菜を放り投げたって感じですかね」
「もっとも世界を滅ぼす災害ですが」
明るい雰囲気の中、比較的若い専門家がふと呟く。
「もし...彼らが最初から動いていれば【
沈黙が会議室を支配する。
攻めるような空気はなく、誰もがそう思っていたのだろう。
「結果論だろう。今でこそ結果を出したが、全員が相当癖のある人物だ」
会議室に設置されたディスプレイに【勇者】のプロフィールが映し出される。
赤文字で協調されているのは今まで攻略してきた「迷宮」の数...27
1つでも迷宮を攻略すれば世界的な実力者の証明とも言えばその実力は分かるだろう。
参考までに破られるまで先代【勇者】の14の迷宮踏破が歴代最多だった。
「礼儀も正しく、常識もあるが…どうしても合わない欠点があった」
欠点:マイペース、気分屋と表示される。
「基本的に彼は自分のペースを乱されるのを極端に嫌う。そもそも依頼するのに随分手間取ったんだ」
勧誘:1回目失敗
理由:アポイントメントが無かったから
一言:普通、○○についてお話したいことがありますとか、アポイントメントがあると思います。
勧誘:2回目失敗
理由:長期拘束が嫌だから
一言:人に合わせるの苦手なので…
勧誘:n回目成功
理由:迷宮攻略の手続きや申請が楽になるから。後は報酬
一言:そもそもこっちが命がけで攻略して得た財産に課税してくるの、だいぶムカついていたんだよね。
「改めてみると問題児ですね…」
「そもそも、先代【勇者】が第3の厄災に殺されるまでの異名は【
「さて、次は先代【勇者】でさえ祓滅できなかった第3の厄災」
「無事に祓滅できることを信じよう」
ここからは未知の領域である。
次回:第3の厄災『
【堅王】
第1の厄災に10万の軍勢(非戦闘員含む)を率いて挑むも敗北。
初撃で半数が死に、すぐに勝てないと判断して5万人弱を逃がすために殿を務めて死にました。
【天輪】
少数精鋭で第2の厄災に挑みましたが、良い反応する玩具として遊ばれました。
全員生存はしましたが、重度の呪術汚染で生きながら地獄を体験中。
先代【勇者】
人柄も人望もあり、多くの迷宮も攻略した世界に名を轟かせていた大英雄。
初の複合迷宮の複数攻略、悪竜の群れの討伐、多くの賞金首捕縛などの偉業があった。
第3の厄災によって死亡。
迷宮
よくあるRPG的な空間。
最深部にボスが居て倒すとお宝を得られる(1回のみ)。
ボスを倒さないと魔物の活性化など周囲に悪影響を及ぼす。
複合迷宮
複数の迷宮が合体すること。
階層毎に異なる環境や魔物、また両方の環境に適応した新種の魔物が出てくる。
先代【勇者】が3つ攻略した。