GO!GO!カタストロフィ! 作:renri
毎日投稿する人は凄いですね。
そして、感想が来ていることに気がつきました。
ガバです。
早速返信していきます。
「強かった。強かったけど、予想を超える強さじゃなかったなぁ」
第3の厄災
大体何か会話が始まる時は【勇者】からである。
「私も言いたいことは分かるよ。なんせ、先代【勇者】を殺した厄災だったし」
「拙僧も単独で祓滅は厳しいですが、逃避は十分可能」
変に玉砕するより、情報を持ち帰った方がアドバンテージが高い。
その辺りの判断を、数多くの迷宮を攻略した先代【勇者】が誤るとは思えない。
「俺は先代【勇者】が実は何かしていたんじゃないかと思っている」
「【王者】が言う何かって言うのは、先代【勇者】が命懸けで第3の厄災が持つ能力をいくつか封じた…とか?」
「俺の雪だるまプロージョンみたいな?【勇者】なら迷宮産の装備で似たものを持っていない?」
「雪だるまに疑似的な生命与えて自爆させる装備はないけど…「魔装」系統の装備を持っていたのかもしれない」
「「魔装」…?そんなものあるのんだ」
「少なくとも拙僧は知りませんな」
魔装とは、何かを代償に捧げることで強大な効果を発揮する装備。
生命エネルギー、精神エネルギー、記憶、物体など捧げるものは割となんでも良いとのこと。
入手方法は迷宮の最深部ボスを倒すと稀に出てくるらしい、およそ2%らしい。
「え、何でドロップ率も分かるの試行回数いくつよ」
「200以上かな…複合迷宮の方が出てきやすい気がする」
「おかしいですな…拙僧の記憶では【勇者】殿の迷宮攻略数は27のはず」
「え、うん。正確には国に報告して攻略した迷宮数は27。後の257の攻略済みの迷宮は未申請」
「犯罪だぁ!!!脱税!資産隠し!【雪だるま職人】の俺でも知っている!」
冗談で済まない犯罪である。
迷宮ボスが落とす装備類は1つの都市を綺麗さっぱり焼失させるレベルのものもあるので、殲滅兵器を隠し持っていると言っていることに等しい。
「…もしかして『迷宮1日攻略法』か?」
【王者】の言う『迷宮1日攻略法』とは?
ざっくり説明すると、以下に該当するものは申請不要であるという法律
①未発見の迷宮または発見から1週間以内の迷宮である。
②1日で攻略可能が行えるまたは行った迷宮。
実は迷宮には初期段階、あっさりと攻略可能な無防備な状態がある。
攻略することによるメリットは迷宮発生による被害を未然に防げること。
「うん、1日で攻略したなら問題ないよね」
「・・・・・(呆れ)」
「・・・・・(納得)」
「・・・・・(苦笑)」
「・・・・・(啞然)」
「?」
上から、【聖女】、【賢者】、【王者】、私、【勇者】
なんだこいつ…本当に人類か?
確かに理論上、1日で攻略できればどんな迷宮も申請不要になるけど、迷宮だぞ?
攻略に一生どころか一族の悲願とかのレベルのところもあるのに…
「そんなに難しくないよ。まずは迷宮のボスを倒します」
「初手から最終ステップを紹介されたのですが」
【聖女】のツッコミがごもっともすぎる。
「あ、ボスまでの道中は経験で何となくで辿り着いてください」
「貴殿は【RTA走者】ですかな?」
「RTA走者」とは、一般的にはゲームを「最初から最後までを、どれだけ“リアルタイム”で早くクリアできるか」を競うプレイヤーを指すが、【賢者】が言う【RTA走者】は「Rapid(素早い)・Technician(テクニシャン)・Artist(芸術家)の走者」である。
とにかく素早く芸術的な作品を造り上げるのに人生を捧げている狂人。
芸術作品を仕上げるための素材のために、例え火山の中、深海の底、密林の最奥、迷宮の中にも現れる。
最悪なケースだと王族の墓や宝物庫も荒らしたこともあるやべーやつ。
大体のやらかしている、やらかした時の言い訳は「そこに何となく素材があると思った」で、実際にあるからヤバイことで有名。
つまり、お前はそんな狂人レベルだぞ、と暗に言ったのである。
なお、世界芸術大会の3年連続優勝して殿堂入り。
「これは経験則だと思うよ?」
「普通、迷宮を攻略すること自体経験できないと思うのだが」
それはそう、【勇者】は【勇者】で頭おかしい。
「迷宮ボスを倒したら、攻略完了です」
「な、何の説明にもなっていない…」
きょとんとする【勇者】を見て、【勇者】以外の全員慄く、こいつ本気で言っている、と。
迷宮攻略に関して、【勇者】以上にやばいやつは今後誕生しないだろう。
こいつ1人で全世界の迷宮狩り尽して後世に残さない。
「話が脱線しましたね。あれ...何の話をしていましたっけ」
「先代【勇者】と第3の厄災ですぞ」
【聖女】と【賢者】が話の路線を修正。
「しかし、
「いや、何でも破壊する触れたら即死の手が気持ち悪いほどの数で襲い掛かってくるのは普通はどうにかなるものではないのだけど」
「私は普通に≪神兵≫で何とかなったし」
「僕は普通に装備で対処できた」
「拙僧は普通に魔術で一掃できましたぞ」
「俺は普通に全部壊せる」
俺以外全員何とかしていた。
普通は無理だろ、本当に人類か怪しい。
【王者】の普通に壊せるってなんだよ、触れたら死ぬんだぞ。
「まだ【雪だるま職人】殿が作った雪だるまの方が強かったですな」
「棒の代わりに
「それそれ。確かに
「【勇者】の装備を貫通か…何それ、そんな仕様は知らない」
そんな雪だるま作れるなら最初から作っているわ…あれ?なんの話していたっけなぁ。
ワイワイと謎の激強雪だるまで当初話していた、先代【勇者】の件はすっかり忘れていたが後日報告で全てを知ることになる。
◆とある会議室
いつもの重鎮、専門家に加え、神からのメッセンジャーである【巫女】と【
議題は第3の厄災である
「『第1,第2に続き、第3の厄災も祓滅されたことは喜ばしいことです』と神は言っておられます」
神の言葉を踊りながら【巫女】が伝える。
なんでも神の言葉を受信するには儀式が必要なため、踊り続けないと受信できないとのこと。
シュール過ぎる。
初見で腹筋割れたムキムキのアスリートみたいな人が【巫女】だとは思うまい。
趣味は素手で狩猟らしい。
「まずは彼らの報告を見ましょうか」
感想(報告書)
【勇者】
物質、魔術問わず触れるだけで破壊する手を1000本以上で襲い掛かってきた。
迷宮攻略(迷宮ボスの討伐)で得られるレベル装備でないと触れられたら装備越しでも即死だと思われる。
【聖女】は多数の≪神兵≫を盾に、【賢者】は魔術で手を一掃、【雪だるま職人】は雪だるまを大量生産して盾にすることで対応していたことから、物量が有効だと考えられる。
例外として【王者】は触れられていても普通に振り払っていたので、第3の厄災の本質は自分より「強度」の低いものを破壊するのではないかと思われる。
それ以外の能力などは確認できなかったので、一定以下の相手に滅法強い厄災ではないかと考える。
しかし、先代【勇者】がこの厄災を祓滅できなかった以上、我々の知らない何かがあったのではないか。
【聖女】
私の≪神兵≫は前々回の第1の厄災である超銀河系の巨人とは違い、相性は悪くなく、1人でも祓滅できたのではないかと思いました。
また【雪だるま職人】少なからず対応はできていたので強い厄災とは思えませんでした。
先代【勇者】がこの厄災に殺された以上、何かあったのでしょうが私たちにそれをしてこなかったのは理由があったのでしょうか。
【賢者】
今回の結果だけを見ると、一定の実力があれば単独で祓滅可能な厄災であったと思われる。
ただ、羽化前の蛹のような印象を受けた。
その根拠として、魔術を分解、吸収された後に僅かだが、厄災の出力が上昇した。
相手を技を吸収して、適応、成長する厄災と考えていたのだが、予想に反して特に何事もなく祓滅が行われた。
先代【勇者】が封印なりをしたのだろうか。
【王者】
最初に戦ったときは本物はいない様に感じた。
そして、いつの間にか本物も居なくなっていた。
おそらく先代【勇者】は私たちが気付かずに倒した何かにやられたのだろう。
【雪だるま職人】
雪だるまに厄災の腕を付けて遊んでいたら1体に叛逆されました。
「1名遊んだ報告でしたが…厄災は本当に祓滅されたのかを彼らは気にしていましたね」
「その割には緊張感はなさそうだが…注意した方が良いのでは?」
「いや彼らの前の【異名】を考えれば、これ以上要求で厄災の祓滅をボイコットされかねない」
「今の【勇者】も、最近何もなくて忘れているのでしょうが先代【勇者】が厄災に殺された時、『【迷宮殺し】が謀殺した』という噂が広まるほど素行は悪かったですからね」
「【迷宮殺し】、【魔女】、【
「【迷宮殺し】時代の有名な事件と言えば、『霊峰大崩壊』、『真夏の氷点下』、『太陽墜落』、『絶滅の1週間』、『森林浸食』…何で捕まっていないんですかね」
「【魔女】、【
ごほん、と【預言者】が咳払いする。
「そろそろよろしいですか」
話が脱線していたところを修正される。
人の形をした厄災が奇跡的に言うこと聞いている状態だし不安にはなるよな、と【預言者】、【巫女】、『神』は思っていた。
「こちらが本来の第3の厄災の能力となります」
【預言者】が『神』から送られたデータを印刷機で人数分プリントする。
第3の厄災:
掌握進化の厄災
自らの手を切り離し、本体は異空間に潜む
異空間に潜む本体を何らかの手段で引きずり出して倒さない限り祓滅は不可能。
能力
・自分の強度以下のものを掌握する。
・掌握したものは分解、解析して自分の成長のリソース(経験値)へと変換
・掌握、解析が完了したものは再現可能
・自分の核を異空間に隔離して復活が可能
「……は?」
「つまり、あの無限の手に本体はない、なかった?」
ざわめく会議室。
「『その本体ですが、こちらをご覧ください』と神はおっしゃっています」
【預言者】が拡大写真をスクリーンに映し出す。
そこには映っていたのは雪だるまだった。
「『これが本体です』」
シーン、と先程とは逆に沈黙に包まれた。
見間違いかと自分の目を疑う者、そもそも映像間違えていないかと不備だと思う者が大体の反応だ。
1人何かに気がついた。
「まさか...手を雪だるまの素材にしたから雪だるまに第3の厄災が宿った?」
言った本人も半信半疑であった。
「『はい。その通りです』」
無情にも肯定される。
再びざわめく会議室、嘘だろおい…という感じだ。
「『ちなみに雪だるまが無かった場合、【勇者】【聖女】【賢者】【王者】によって5年ほど天変地異が発生していましたね』」
【預言者】によって様々な未来予測の資料が映し出される。
全員があいつらならやりかねない、いや絶対やるという負の信頼から納得された。
「『【RTA走者】、【ボカロ画家】、【雪だるま職人】の3名は芸術を極め、奇跡に近い現象を起こせるものたちですが…』」
比較的まともなのが【雪だるま職人】という…ね、ごにょごにょと濁した。
気持ちは分かる。
「『また、先代【勇者】は複数の自身を再現されて勝てずに…』」
映し出されたのは、倒れ伏す先代【勇者】と再現体と思われる先代【勇者】
実は生きているのではないかと希望を持っていた者たちは突き付けられた事実に目を伏せた。
「『【巫女】の体力が限界ですので、私はこの辺りで。第4の厄災『
そう言って神の交信が切れて、【巫女】がぜぇぜぇと汗びっしょりで肩を大きく上げ下げして呼吸する。
「次は第4の厄災『
【預言者】が配る資料に第4の厄災『
曰く、≪原初の色彩≫であると。
次回:第4の厄災『
【巫女】
そろそろ27歳になるけど未だに彼氏がいたこともなくて、焦っている。
【預言者】
神からの情報を資料にする人。
21歳の喫煙者。
【ボカロ画家】
歌って描ける芸術家。
音楽を求めて放浪する自由人。