インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~   作:kageto

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たぶん今日の最後の投稿。
今日の更新の一番最初は第16話です。読む際はお気をつけください。
一夏と簪の会話回。
一夏の推理は素人推理。だけど余りつっこまないで。


第20話

「…………。マジで?」

 

「マジで」

 

 事情を説明して実物を見せた反応がコレだった。簪の目に力が無くなってる。

 

 ちなみにのほほんさんはいない。先程うつほ先輩が生徒会の仕事と言って連れて行ったそうだ。生徒会。のほほんさんが生徒会。考えないようにしよう。

 

「ウチが使うヤツの一つだと思う。うん。私、ソッチ関係はほとんど関わってないけど、いつだったか家で見たことがあったはず」

 

「更識の家的に俺って観察対象になるもんなのか?」

 

「ごめん。わからない」

 

 憔悴しきってる。無理もない。俺も自分の家族が俺の友達の部屋に盗聴器なんて仕掛けてたら申し訳なくてへこむ。

 

「けど、何でこのタイミングなんだろう。もし一夏を観察するなりするんだったら、入寮前に仕掛けておけばいいはずなのに」

 

 確かに。入寮時からずっとノイズが聞こえてたら絶対に気にしなかった。そういう場所だと思ったろう。

 

 会長が俺を盗聴する理由ねぇ。あれ?そういや会長って。

 

「な、なぁ簪さんや。ちょっと確認したいことがあるんだがねぇ」

 

「な、なに?急に変な口調で」

 

「この部屋も盗聴器探してみてもらえないか」

 

「え?」

 

 

 

 

 

「ごめん。かける言葉が見つからない」

 

 部屋の角で膝を抱える簪。その目の前に置かれた盗聴器。俺の部屋で見つかったのと同じ型のもの。量は俺の部屋より多い。そして何より簪の心を折ったのが、俺の部屋同様にトイレとシャワー室にもあったことだ。

 

「……なんで」

 

 簪がぼそりと呟いた。

 

「何で私の部屋にもあると思ったの」

 

 こっちを見上げた簪の目がやばい。虚ろすぎる。

 

「あー。落ち着いて聞けよ」

 

 簪の正面にあぐらで座る。

 

「簪が爆発した日に言ってた言葉で『過保護』って言ってたろ?それでちょっと考えてみたことがあるんだ。なんで簪とのほほんさんが一緒の部屋なんだろうって」

 

「え?」

 

「基本的に寮の部屋って同じクラス同士での相部屋になってるのに、簪はクラスの違うのほほんさんと同じ部屋だ。それと合わせて山田先生が事ある毎に寮の部屋割りを組み直してる。おかしいんだよ。そこまで気を配ってするものじゃないだろう。1年の頭だ。まだ仲が良い悪いがそこまで分かれてない時期だぜ。適当に放り込んでも割りとどうとでもなる。なのに部屋割りが難航するのは」

 

「横槍が入ったから」

 

「そういうことだ。過保護すぎる姉が付き合いの長い子を妹と同じ部屋にするように要請する。更識家当主の妹に対する護衛とでも言えばいいんじゃないか。で、予定通りの部屋割りになる。でも過保護すぎる姉はまだ心配だ。学年が違うから眼の届かないこともあるだろう」

 

「だから盗聴する」

 

「そういう風に考えたわけだ。さらに言うなら、この間愚痴大会もどきしただろ。そのときに俺が『隠居するなら簪も道連れ』みたいな事を言っただろ」

 

「う、うん」

 

「で、過保護すぎる姉は考えたわけだ。仲がいいのは知ってるが、そこまで進んでしまったのか?簪の部屋は盗聴してるから、そういったことをしてないのはわかる。じゃあ織斑一夏の部屋なんじゃ?それなら確かめないと」

 

 おそらくあのふざけた行動も、そうすれば普段やってるようにからかいに来ただけだと思って盗聴器の事を隠せるとか考えたんだろう。

 

「それでこのタイミングで一夏の部屋に盗聴器を仕掛けた」

 

 よし、顔を真っ赤にするのは良いが、喋ってた俺も恥ずかしいことを覚えてろ。

 

「そういう感じなんじゃないかって考えたわけだ。だから簪の部屋にもあるんじゃないかって」

 

 あ、目に力が戻った。って戻りすぎてる?

 

「まてっ!はやまるな!」

 

 突如部屋を飛び出そうとした簪を羽交い絞めにして抑える。

 

「早まってない!ただ一発殴って絶縁を突きつけるだけ!こんなことされておとなしく黙ってなんかいられない!」

 

 そういうのを早まった行動って言うんだっての。

 

「だから待てって!はーなーしーをーきーけー」

 

「なに?」

 

 やっと止まった。意外と力が強いから苦労したよ。

 

「はぁ。このまま殴りに行くだろ。そうすると理由を聞いてまともそうなうつほ先輩はどうする?」

 

「たぶんあの人を監視するかそれに近いことをするはず」

 

 うん。予想通りだ。

 

「けど、あの人一人じゃどう考えても抑えきれないだろ」

 

「確かにそうだけど、なら泣き寝入りしろっていうの」

 

「いんや。もっと大勢に監視させればいいんだよ」

 

「先生達に報告して、先生達も巻き込むの?」

 

 それもあるんだが。

 

「それだけじゃなくてさ。今回のコレを理由に生徒総会を開かせる。内容は生徒会長のリコール。いくら最強が生徒会長になるからって、コレは生徒の代表としてどうなのかを生徒全員に問う」

 

「へ?」

 

「リコールは成功しなくてもいいんだ。会長は仕事もせずにそんなことをしてた。そう生徒全員に知らしめれば。そうすればみんなが会長を監視するだろ。普段からさ」

 

 人を監視するようなやつは、人に監視されればいいんだよ。

 

 

 

 

 

 

 やられたらやり返さないとな。全力で。




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