インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~   作:kageto

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臨海学校の話に入る前に、初期プロットの予定通りにこのシリーズが入るんです。

口調の違和感があると思いますが、どうかそのまま読んでください。
これから3話は捏造設定と原作崩壊のタグが色濃く出ます。
それと、ここまでの作風ともちょっと毛色が違います。

ですが、ここからの3話はこの作品をシリーズ化した時点で決めていった展開です。
ですので、ここまではこれありきで書かれたと思っていただけると幸いです。


裏01話

 そっか。ちーちゃんの願いも終わっちゃったんだね。しかもいっくんの手によってっていうのは皮肉かな。

 

 じゃあ。私の夢をはじめようかな。ずっとずっと待っていた、私の夢を

 

 

 

 

 

 深夜のIS学園。機械仕掛けのうさみみに、不思議の国のアリスを彷彿させるエプロンドレス。篠ノ之束は一人、歩いていた。

 

「そろそろ出てきなよ。いつまでもストーキングされるのは束さん、好きじゃないんだよ」

 

 束の呼びかけに、背後の闇の中から織斑千冬は姿を現した。その表情は険しく、纏う雰囲気も剣呑だ。

 

「束。なぜここにいる。なにが目的だ」

 

 睨み付け、糾弾するように投げられた言葉に、束は振り返ることなく応えた。

 

「お別れ、だね。あと、会いに来たんだよ」

 

「誰に、会いに来た。答えろ」

 

「まずはちーちゃんだよ。後は誰だっけ?顔はわかるんだけど名前知らないや。ちーちゃんしってる?」

 

 口調にはいつものようなおどけた風はなく、恐ろしいまでに平坦。それが千冬には恐ろしく感じた。

 

「私には顔もわからないのに、わかるわけないだろうが」

 

「そっか。まぁ、いっか。まずはちーちゃんへの用事を終わらせようかな」

 

 そこで初めて、束は振り返って千冬を見た。ただそれだけなのに、千冬の体は恐怖で震えた。目の前にいる束が、見たことのないナニカに見えた。

 

「ねぇ。ちーちゃん。まだ望みは変わらない?あの日から、変わらない?」

 

 束から無造作に投げられた問いかけ。その問いに、千冬の体は束からもわかるくらいに揺れた。理解したからだ。束がここに来た理由を、そしてこの対峙の結末を。

 

「変わって……しまったよ。私の望みはもう理由がなくなった。あぁ。そうだ。なくなってしまったよ」

 

「うん。そうだよね。束さんは知ってたさ。もちろん。けど、ちーちゃんの口から直接聞くことに意味があるんだ。だから、うん。わかったよ。さよならだ」

 

 決別の言葉。

 

 束が一歩、後ろに下がった。それが千冬にはすごく、すごく悲しかった。

 

「じゃあね。ちーちゃん」

 

 もう一歩、下がる。

 

「さようなら。織斑千冬」

 

 さらに下がる。千冬は、動くことが出来なかった。

 

「私は、あの日から、君のことが嫌いだったよ」

 

 束は闇に解けて消えた。

 

 千冬はしばらくの間、その場に立ち尽くしていたが、踵を返して歩き出した。

 

「ありがとう、束。私はお前のことを嫌いではなかった」

 

 千冬の頬には涙の後が一筋だけ、残っていた。

 

 

 

 

 

「終末を告げる鐘はなったよ。だから私は始めに行くんだ」束は闇の中でつぶやいた。

 

 

 




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