インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~   作:kageto

35 / 51
さぁ、はじめようか。臨海学校編を。
4部構成第1話目。

えっちなのはいけないと思います。


第31話

 バスが揺れるに任せて、座席に体を沈める。あぁ、車酔いしない体質でよかった。いや、車酔いって体質だったっけか?

 

 バスの席割でもめたときはうれしいものだよね。俺の隣をめぐっての牽制しあってるのは、男冥利に尽きるってもんだ。動物園のパンダって考えは、浮かんですぐ捨てたが。結局は。補助席を移動しまくることで話がついた。オルコットと篠ノ之を始め、座席争奪に参加しなかった数人と、酔いやすい生徒が前方の席にまとめられてた。

 俺は後ろの方の席をさっきまでちょろちょろしていたが、今は最後尾の席に座ってる。

 

 クラスメイトの殆どが異様に浮かれている。理由は色々あるんだが、一番大きな理由は、今回の臨海学校での実習の全てが中止になって、特別講義が一度あるだけになったので、実質海に遊びに来ただけになったからだろう。俺も正直楽しみだわー。俺以外の男ってバスの運転手くらいだぜ。

 

 今、IS学園は世界中の混乱の台風の目に一番近いところにいるような感じだ。ISが兵器として使えなくなったことで、世界中の混乱は目も当てられない。戦争なんてしてられない状況だ。本当に束さんは天才だった。犯罪に使用することが出来ないようにロックがかかった。戦闘行為に使用できないようにロックがかかった。ISは本来の目的である宇宙事業以外での使用が出来なくなった。今発表されたのはこれだけだ。ただそれだけで大混乱。世界がどれだけISに依存していたかがわかるってやつだな。混乱の中心に限りなく近いから、逆に穏やかだ。だからこそ、この臨海学校が実施できるんだろうけどな。感謝感謝だ。

 

 男性のIS利用は俺の卒業を待つことになると束さんは言っていた。一度に全てのことを公表すると、混乱が行き過ぎて社会を作り直すどころではなくなるそうだ。それに、ISは宇宙事業に使うものという認識が広まった頃に公表することで、男性の宇宙事業参加を爆発的に増やすんだそうだ。簡単な手段だが効果的だと思う。けど、やり方があくどい。

 

 

 学園長と話をした。あのおじさんが実質の学園トップだったのは意外過ぎだ。用務員さんだと思ってた。

 俺の使ってる部屋は、俺の卒業後は生徒会長が使うことになるそうだ。あと、男子の入学が始まるまでに寮を広げて男子寮も作るらしい。そう、この人、男が使えるようになることを知っていた。束さんに聞かされたそうだ。俺の入学が決まったときに連絡があったらしい。

 寮のことをはじめ、少しずつ男子を受け入れて出来るようにするそうだ。そのため、に俺も色々協力してほしいそうだ。起動実験がなくなるそうなので、その代わりだと思って引き受けた。

 

 ま、とにもかくにも今は臨海学校だな。よし、また補助席回ってくるか。

 

 

 

 

 

 さて、旅館前での学年主任である織斑先生(アレ)の話も終わったことだし、部屋に荷物置いて俺も海に繰り出すか。眼の保養もかねて。

 部屋割りだと山田先生の隣の部屋になるんだよな。逆隣は政府から派遣されてる護衛の人たちになるらしい。こんな所までご苦労様というか、護衛の仕事で旅館に泊まれて役得というか。まぁ、お手数かけますよっと。護衛の人に気を配って部屋にこもるなんてしないぞ。

 

「あ、織斑君。まだ部屋に行ってなかったんですね」

 

 女神降臨。海だからって張り切ったそうだが、学校でよく見る私服より夏仕様ですね。山田先生。白いワンピースとピンクのサマーカーディガンが眩しいです。けど、街中で見かけたら同年代くらいにしか見えませんよその格好。ほんとに眼福過ぎる。

 

「あー。ほら、女子達が一気に入っていったじゃないですか。俺だけエリアが違うから、ちょっと待ってからの方が邪魔にならないかと思いまして」

 

 うん。ガン見はしないぞ。俺も少しは成長するんだ。いや、束さんに言われた『気づいてるんだよ』の一言が重くて。それに山田先生から軽蔑の視線を向けられたら立ち直れない気がする。

 

「あら?うんうん。偉いですね。そういう気配りが大事なんですよね。私なんて、自分のことだけでしょっちゅういっぱいいっぱいになっちゃって」

 

 話しながら一緒に部屋に向かう。隣同士だしな。

 

「けど先生、いつも一生懸命やってるじゃないですか。そういうところは尊敬してますよ、みんな」

 

「あら、ありがとうございます。最近は自分でもちょっと頑張ってるなって思ってるんです」

 

 それにみんな、最近は落ち着きも出てきてかっこいいって話てるしな。なんて話してたらあっという間に部屋だ。女子は割と奥の方に部屋が振られてるのに、俺達の部屋は入り口から近いんだな。

 

「それじゃあ、俺は荷物置いたらそのまま海に行っちゃいますね」

 

「はい。みんなで楽しんでくださいね」

 

 軽く挨拶をしてから、部屋の戸に手をかけた。

 

「あ、そうそう。前みたいに胸をじろじろ見ないのはポイントアップです」

 

 笑顔で爆弾落とされた。

 

 

 

 

 しゃあないんや。男の子やもん。思春期やもん。

 

 




誤字脱字などありましたら報告いただけると幸いです。
感想、評価などいただけるとうれしいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。