インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~ 作:kageto
週末。事前に各所に申請を通して得ていた外出許可でもって学園を出る。
学園側と、外での護衛を手配してくれる政府と、山田先生になので、各所といってよかったか悩むが。
まぁ、とにかく朝一から学園を出て地元に向かう。家には行かないけど。
開店準備中の五反田食堂に声をかけて入り、そのまま2階の弾の部屋に押し入る。
ゴンッ
「なっ、なんだぁ?」
ベッドのふちを蹴ると、弾が飛び起きた。さすがに直接蹴りはしない。
「よぉ。おはようさん」
「んぁ?一夏かよ。来るとは言ってたが早くねぇか?何時だよ。・・・ちっ、9時過ぎたばっかじゃねぇか」
「休日にアレと遭遇したくなかったからな。早々に出てきたんだよ」
「あぁ。千冬さん(アレ)ね。まぁいいや。朝飯まだだろ?食ってけよ」
「おう。そのつもりでさっき下で頼んで来た。先に下行ってるぜ」
「顔洗ったらいくよ」
厳さんの作った朝飯を平らげて弾の部屋に戻る。蓮さんと蘭は買い物に出かけているらしい。
「飯食ってすぐだらけると体によくない」なんていいながらも、二人ともだらけて動こうとはしない。
「そういやよぉ。一夏」
「ん?」
「結局IS学園に通い続けるのかよ。IS興味ないんだろ?」
「興味はないさ。けど、逃げ道ないしなぁ。現状世界で一人しかいないんだぜ。男で動かせるの」
「まぁ、世界の3分の2はお前のこと知ってると言ってもいいしなぁ」
「まっとうなとこはともかく、『解剖してすべての男が動かせるように~』とか考えるとこ絶対あるぞ」
「ありそうだなぁ」
実際、発覚直後にそういった電話が腐るほどかかってきたが。途中からかかってこなくなったのは政府が何とかしたらしい。
「IS学園に通ってる限りは安全を保障してくれるからな。逆に考えれば、通わなかったら安全ないって」
しかも狙ってくる筆頭が日本政府になるって特典付きだろうしなぁ
「おっそろしいなぁ」
「ホント、あの災害兎のせいで、ろくなことにならないな」
兎だけじゃなくて一家揃ってろくでもないからなぁ。
「言っても仕方ねぇだろ。で、今日は『アレ』見てくか?」
「いや、買い物行かないといけないし、やめとくよ。弾は昼から行くだろ?数馬によろしく言っといてくれ」
「そういや、寮だもんなぁ。女子も同じ寮なんだろ?うらやましい限りだ」
「眼福だぞ。俺以外みんな女子だからな。ガードが甘い。夕食に食堂行くとさ、風呂上りのラフな格好ばっかだよ。ノーブラキャミ一枚とかわんさかだ」
しかも下はホットパンツとか『ざら』だ。誘ってんのかってんだ。
「どこの桃源郷だ。代われ」
「代わろうか?」
代われるもんなら代わってやる。いや、マジで。
「・・・やめとく。いろんな意味で死にたくねぇ」
「そうしとけ。学祭の入場チケットやるから」
「楽しみにしとくさ」
「あと、クラスの子と遊びに行くときに呼んでやるよ。ってか、来い。デート以外は複数人で行くはずだから、男一人はつらい」
「デートって、おい。学校始まって一月経ってねぇのに、もうそんな子いるのかよ。くっそ、うらやましいぜ」
「まだいねぇよ。そのうち作るさ」
「あぁ~。ちくしょう。うらやましい。代わりたかねぇけど。っといけね。お袋たち出てっから店手伝わねぇと。もう昼時だ。一夏、お前も手伝ってけよ。んで昼まで食ってから行けばいいだろ」
あぁ、昼の仕込みの追い上げか。飯代浮かしてくか。
「飯以外にバイト代出るんだろうな」
冗談を飛ばしながら、弾のシャツを借りて着替える。
「半月ぶりだが、腕鈍ってないだろうな」
「半月で鈍るほどやわな鍛えられ方してねぇよ。厳さんなめんな」
「知ってるよ。毎日絞られてんだ」
んじゃ、ちっと頑張るかね。