魔法少女リリカルなのは~よくある転生記~   作:春夏冬 秋人

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すいません作者の厨二病が暴走しました。
生暖かい目で見てやってください。


第九話 化け物の条件~俺、月村家にご招待~

「デケー・・・」

 目の前に聳える立派な邸。

 誘拐事件から数日が経ち週末の今日俺は月村達にここに来るように誘われた(脅された)からしぶしぶここに来た。本当なら今日は家でゴロゴロしてようと思ってたのに・・・。

 

 

 

 

 それにしてもあの誘拐事件から後は大変だった。

 家に帰るとテスタロッサ達が待っていて、折れた俺の腕を見て発狂した。いやまぁ発狂は冗談だがかなり心配され治癒魔法を掛けられながら尋問され、しかたなく今日あったこと一部除いて(月村のこととか)話した結果、バルディッシュだったか?――あのやけにメタリックな魔法の杖的な奴――をもってスク水に早着替えをして飛び出そうとしたからあわてて、もうそいつら潰したから、っと説得した・・・、のまではよかったんだが飯食ってテスタロッサ達が帰った後またすぐに戻ってきた。どうしたと訊くと。

「私もここに住みますっっ!」

 なんて真っ赤な顔で言われたから思わず頷きそうになった。まぁギリギリ堪えたけど。

 とりあえず理由を訊く。

「ジンを護るため」

 やだ・・・かっこいい・・・!

 じゃなくて・・・、もっと詳しく聞いてみると、短期間で命の危険がある事件に巻き込まれてるから一人にするのは危険だということ、また何かあったときに直ぐに駆けつけられるようにしたいから。

「あと料理おいしいからね!」

 アルフはどうやら俺の身より飯の方が大事らしい。

 まぁ一時的に泊めるのはかまわないっちゃかまわないんだけど・・・今回は嫌だ。というわけで深夜遅くまで生討論。

 結果勝ったが俺の受難は終らない。

 眠い目こすって次の日教室に着くと・・・・・・ここから先は思い出したくない。とりあえず修羅と暗黒神が居たと言っておく。

 

 

 

 

 

 

 

 それにしても本当にでかいな月村でコレだったらバニングスの家はどうなんだ?知りたいけど知りたくないな・・・。

 とりえずインターホンを押す・・・。

「このまま逃げちゃダメだろうか?」

「ダ・メ」

 なんでインターホンじゃなくて後ろから声が聞こえてくるでせう?

「ちゃんと来てくれたんだね」

 振り向くと私服姿の月村が立っていた・・・だからなんで?

「ん?・・・ああ、うんちょっと買い物に行ってたの」

 よほど俺が不思議そうな顔をしてたんだろう、訊いてもいないのに応えてくれる。

「それより早く中に入ろう?」

「それもそうだな」

 月村に先導され中に入る、中も外見からの予想どうり立派な和風で俺の場違い間すごい。貧乏人にはつらい空間だ・・・なんか帰りたくなってきた。

 

 

 

「あら、おかえりすずか。・・・その子が一人で帰っちゃった子?」

 

 

 

 本気で帰ろうかと本気で考えてたらそんな声が降ってきた。

「だたいまお姉ちゃん。うんコレが一人で置いて帰っちゃった残念勇者君」

 ・・・ざ、残念勇者。魔王(誘拐犯)を倒したのに囚われの身のお姫様を助けず帰ってしまい、勇者の仕事はちゃんとしてるのにお姫様を忘れたことで王様から結局怒られた残念な勇者(おれ)のことを言っている。

 まったく失敬な。もともと助ける気なんかなかったんだから通りすがりの素行不良少年だよ、俺は。

「はじめまして。おじゃまします」

 とりえずもろもろ言いたいことは飲み込んで思うだけに留めて挨拶する。人間関係を円滑にする鍵は挨拶だからね。

「いらっしゃい。私は月村忍(つきむらしのぶ)すずかのお姉ちゃんよ。忍義姉ちゃんって呼んでいいからね」

「お断りします。俺は風切刃です」

 というかなんかおねえちゃんが変なニュアンスじゃなかったか?

「あらあらざんねん。ところですずか」

「なに、お姉ちゃん?」

「ちょっとお話があるから刃君借りていい?」

「え?うーん・・・いいよ?刃君約束より早く来ちゃったからまだ皆来るまで時間あるし」

 あー?俺はちゃんと言われたとおり来たはずだぞ?どういうことだ?

「予想外だったよ、刃君なら遅れてくることはあっても早く来ることはないって思ってたから。・・・そんなに私のお家た、楽しみだったのかな?」

「いや別に。というかどういうことだ?時間どおり来たはずなんだけど?」

「え?」

「いやだってメイドさんにこの時間にって言われたぜ?」

 こちらをちらちら見ていた月村の顔が固まりすまなそうに眉を下げる。

 それを見かねたのか月村姉が月村の代わりに口を開く。

「あらそうなの?・・・ごめんなさいね何か手違いがあったみたい。でも、むしろちょうどよかったわね、こうして話せる時間ができたんだから」

 ・・・まさか、仕組まれた?

「じゃ、行きましょー」

「・・・・・わかりました」

「またあとでね、刃君」

 釈然としないものがあるけどここは大人しく付いていく。どうせ話の内容は予想がつく、呼ばれたときから分っていたこと、ならさっさと終らせたい。

「ここよ。どうぞ入って」

 言われるまま部屋に入る。するとそこには先客が一人。

 

 

 

 

 高町恭也(たかまちきょうや)

 

 

 

 

 高町なのはの兄。

 そういや高町が「お兄ちゃんとすずかちゃんのお姉ちゃんは恋人さんなの!」なんて言ってた気がする。――つまりこいつも知っていると。

「まず始めに言っておくわね?すずかを、妹を助けてくれて本当にありがとう」

「俺からも礼を言う」

 腰掛けた月村姉と、俺との間にいつでも割り込める位置に控える高町兄が頭を下げる。

「別に礼を言われるようなことはしてないですよ俺は別に助けてないんですから」

「まぁたしかに放置して帰るのはどうかと思うけどそれでも――」

「そうじゃなくてですね?あいつらが勝手に助かっただけで俺は別に助けてないって言ってるんですよ」

「・・・どういうことかしら?」

「なんかあの誘拐犯も勘違いしてましたけど、俺はただあの誘拐犯達が気に入らないから潰しただけです。俺は助けようなんて思ってませんでした、だから倒した見張りはそのまま拘束もせず放置でしたし。つまりあいつらは運良くたまたま勝手に結果的に一人で助かっただけですよ」

 なんでみんな俺をいいやつみたいにしたいんだ?そもそも良いも悪いもないだろうに。自分の願望を押し付けないでほしいねまったく。

「・・・・・・それでもよ。あなたが起こした行動によって結果的に無傷だったのには変わりないわ。だから――ありがとう」

「そうですか。どういたしまして」

 俺が言ってなお感謝したいんなら受け取ろう。別にどうしてもいらないわけじゃないし。受ける理由もないならその逆拒否する理由もないしな。

「それで?ここから本題なんですよね?」

 礼を言うだけだったらわざわざ俺を月村から遠ざける必要はないからな。

「・・・・・・私達の正体は知っているのよね?」

「吸血鬼でしょう?」

 こともなげに言った瞬間空気が少し変わった。

「――ええそうよ。貴女は私達をどれくらい知っているのかしら?」

「知らないですよ。俺はただあの誘拐犯の一人に教えられただけですから。まぁ強いて言うなら――

 

 

血を吸う化け物ってことくらいですね」

 

 

 

「――そう。あなたはソレを聞いてどう思ったの?」

 俺が化け物と言った瞬間さらに空気は変わる張り詰めたように低く冷たくなっていく。

「別に――どうでもいいな」

「――どうでもいい?」

 どいつもこいつも同じようなくだらない質問しやがって。しかも帰ってくる反応まで一緒とかどこまで3文だよ。まったく敬語使う気も失せるくらいくだらない。

「おまえらなんか勘違いしてるだろ?吸血鬼(じぶん)達は化け物で人間(おれ)達は普通だって」

「・・・少なくとも人間(あなた)達からしたらそうでしょう?何が勘違いなのかしら?吸血鬼(わたし)達も同じ『人』だって言いたいの?」

 

 

 

 

「んなわけねーだろ化け物。おまえらが勘違いしてんのは人間(おれ)達が化け物じゃないって部分だよ。――まったくどいつもこいつも何様だ吸血鬼(三下)が」

 

 

 

 

 

「――どういう意味かしら?」

「どういう意味もただそのままだ。吸血鬼(おまえ)達は確かに人間(おれ)達よりか確かに肉体性能は上だよ。――でもそれだけだろう?血を吸う?蛭や蚊となにが違うんだ?共食いの食人(カニバリズム)でもねーだろ?」

「・・・・・・せめて蝙蝠と言ってほしいわね」

「あーそいつは失礼蝙蝠(はんぱもの)

「・・・・・・」

「化け物ってのはな?そんな肉体スペックや異能や強さなんかで決まるもんじゃねーんだよ。どれだけ異常かで決まるんだよ、どれだけ気持ち悪いかで決まるんだよ。おまえ人間より気持ち悪い異常な生き物知ってるか?」

「・・・・・・」

「知るわけねーよな。自分達の正体を隠すくらい恐怖してんだから。見つかった瞬間どうなるか知ってんだから」

「・・・・・・・・・」

「肉体性能からして必ず勝てるはずなのに、吸血鬼(じぶん)達は負けるって知ってんだから。――そこにいる人間がいい例だろ?」

「――っ!」

「・・・・・・」

吸血鬼(あんた)はそこの人に勝てない。異能もある肉体性能も上なのに勝てない。もちろん俺だって吸血鬼(あんた)達が人間(おれ)達にだれ一人だって勝てないとは言わないよ?むしろ大多数には勝てるだろうよ。でもさどっちが滅ぶかっていったら吸血鬼(おまえ)達だろ?ソレを知ってるから分ってるから吸血鬼《おまえ》達は隠れて半場無理やり人間社会(おれたちのせかい)に適応させた。バレたら死ぬし人間がいないと生きていけないから」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・っふふふふふふふ」

「忍?」

 

 

 

 突如笑い始めた月村姉を訝しげに高町兄は声をかける。

「大丈夫よ、ちょっとあまりにもおもしろい答えが返ってきたからつい笑っちゃっただけ。――であなたは吸血鬼(わたし)を恐怖しないのね?否定しないのね?化け物だとは肯定するのに、吸血鬼(わたし)達の方が人間(あなた)達より強いと知っていて自分達より化け物ではないから」

「ああ、だって殺せば死ぬだろ?」

「ええ」

 そしてまたくすくすと笑い出す、実に愉快そうに。

「――ああ、気持ち悪いわね。私はには到底肯定できないわ。だって殺人鬼のとなりで無防備に勉強してるような物よソレ。私はそんな状況とても肯定できないわ」

 笑いながら。

「――人間(あなた)は化け物ね」

「それが?」

 哂った。

「当初のの予定とは違ったけどこうなってはこう言うしかないわね?――どうか私達の正体は秘匿してください。憐れな化け物にどうか慈悲をください」

「言ったろ?どうでもいいよ、わざわざ吹いて周る必要もねーよ三下」

「感謝します・・・」

 さてこれで終わりかね?つかさすがにそろそろ戻らないと高町達も来るだろうし。

「んじゃもう戻っても?」

 

 

 

 

「いいえ。最後に一つ、――あなた何者?」

「ただの異能もちの素行不良少年だよ」

 

 

 

 

 そう言って俺は部屋を出た。

 

 

‡  ‡

 

 

「よかったのか?」

 少年が部屋から遠ざかるのを見計らって私の恋人が声を掛けてきた。心配してくれてるのがわかりうれしくなる私はいやな女だろうか?そんなことをふと思ったがそれを表に出すことはしないそもそも今回はちょっと不謹慎すぎるしね。

「いいのよ」

「でもアレは普通じゃないぞ?」

「そんなことは分ってる。でもそうするしかないのよ、あそこまでの人間はどうしようもないわ。それにとりあえず周りに話したりはしないでしょうから大丈夫よ」

「まぁそれそうだろうが・・・」

 逆に言えばそこでしか信用できないってことなのだけれどね・・・実際今すぐあの少年が戻ってきて私達を殺しにかかってきても不思議じゃない。

「でも本当におもしろいわね、あの子」

「危ないの間違いじゃないか?」

「それもそうだけど。おそらく彼だけじゃないかしら?人として化け物(わたし)扱ってくれるんじゃなくて、化け物として扱ってそれでも変わらず肯定する人なんて」

 恭也だってソレはできない、化け物(わたし)だと知っても変わらず人して扱ってはくれるだけ。それはとてもうれしいし幸せだけれど、でもアレは私を無条件で全部肯定してもらってるようでとても愉快だった。

「まぁたしかに・・・な。でもだからこそ危ないと思うが」

「そうね・・・でもとりあえずは大丈夫よ。あの子重症にはさせてたけど誘拐犯一人も殺してはいなかったし」

「・・・そうだな」

 すずか?あの子を選ぶのならかなり大変よ?ちゃんと覚悟しないと火傷じゃすまないでしょうね・・・いえ、覚悟が必要なのは私達も同じでしょうけど。お姉ちゃんは応援するからね。

 

 

 




魔法少女を出そうと思ったのに書き終わったらまったく出てなかった・・・。
このままだとタイトル詐欺とか言われるんじゃないだろうか・・・つ、次の話で出てくるはずです!
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