魔法少女リリカルなのは~よくある転生記~   作:春夏冬 秋人

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第二話 リリカルマジカル魔法で家族は手に入らない~俺、どうやらアニメの世界にひとりぼっち~

 それから一年。

 どうにか生き残り続けた・・・、いや~大変だった!いろんなもん飛んでくるからな、それこそ弾幕の如く。俺は楽園の巫女さんでもなければ普通の魔法使いですらない、ただの二十六歳児で転生者・・・幻想にはまだなれねーよ。

 

 

 

 

 

 

 しかしそんな鬼ごっこも半年前に唐突に終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 珍しく母親(元)精神が安定していたその日、お詫びのために、まるで何も無かった(・・・・・・・・)かのように外食に行こうと俺を連れてったその帰り。

 紅い色とともにその日常は終った。

 なんてことはないただ交通事故で母親(元)が死んだというだけのこと。

 交通事故なんてよく在る話。それこそ世の転生者達のだいたいの死因は交通事故だ・・・。

 ちなみに俺は違う・・・?

 あれ?

 俺の死因てなんだっけ?・・・・・・まぁいいか、それこそ『終った話』だ。

 

 

 

 それからは葬式したりいろいろしたりで忙しかった。

 んで俺は施設に逆戻り・・・はしなかった。

 その忙しくいろいろあった時にどうやら俺は施設からも門前払いされたらしいが、ぶっちゃけどんな話があったのかはよく知らない。

 だって俺、今生四歳。

 どうにもならん。

 そんな施設すら入れない俺を引き取ろうとする変人は居らず――。

 だったら独りで暮らさせればいいんじゃないか?という話になった、幸い生活費等は死んだ『アイツ』の遺産が相当額在る、ならそれを使わせればいいと。

 

 

 

 逆に言えば大金積まれようとも俺を引き取りたくないということである。

 

 

 

 

「おまえは気持ち悪いほどに大人びた子供だ。なら一人でも生きていけるな?」

「うん」

 

 

 

 ちょうどいいし願ってもない条件なので、俺は子供のように大人しく頷いた。

 そしてさらに半年過ぎ現在に至るというわけである。

 

 

 

 

 

 最近はなんとか慣れたが最初はかなり大変だった。前世で一応自炊の経験はあったけど・・・、身体が小さいから勝手が違う。 

 ほんとよく火事が起きなかったなー。

 

 

 

 

 まぁいいや、そろそろいい時間だし買い物行かねーと。

 考え事をやめ、仕度をして外に出る。

 子供が出歩くには少し遅いけどここ『海鳴』は治安がよく、不審者に襲われたりとかはしない。

 ・・・まぁ金持ちとか、人外とかは別だろうけど。

 しかし『海鳴』ってどっかで聞いたことある気がするんだよな・・・、現世じゃなくて前世で。

 

 

 

 何処で聞いたかなー、と思い出そうとしながら近道の為に公園に入る。

 黄昏色の公園には当然ごとく子供は――いた、一人だけ。

 親が迎えに来ないのか、それとも家出したのか・・・事情は分からないけど栗色髪の同い年くらいの女の子が一人泣いていた。

 嗚咽でツインテールにした髪がピコヒョコ揺れている。

ここでラノベ主人公なら理由聞いて慰めて幼馴染になっちゃったりするんだろうなーと思いながらスルー。

 泣いてる知らないガキより晩飯の方が大事なんです。

 

 

 

 今日はにくじゃがだー!!

 食材がちょうど安売りしていた、そろそろ煮物系にチャレンジしようと思ってたから即買い。

 前世では煮物系は作るのがむずかしいと聞いてたため作ってなかった。現世(ここ)には飯をたまに作りに来てくれていた幼馴染もいないから、自分で作らなければ食べられない、でも俺の料理スキルは高くなかった・・・、だが!半年の修行を経た今なら作れるはず!!

 そんな感じにチャレンジ精神に燃えながら早く帰ろうと近道の公園に再度入る。

 

 

 

 

 行く時にも居た少女がまだそこにいた。

 

 

 

 

 もうさすがに泣いてはいなかったが・・・その目は酷く絶望していた。

 

 

 

 

 ――泣いているときのほうがまだマシだったくらいには。

 

 

 

 

「・・・」

 どうするか一秒考え俺は結局話かけることにした。

「帰る家が無くなったのか帰る家を無くしたのかどっちだ?」

「・・・・・・ふぇ?」

「何してんの?て訊いたんだけど?」

「・・・・・・さっきと質問が違うの」

 聞こえてんじゃねーか。

「違くない。だいたいあってる」

「・・・・・・・・・あなたには関係ないの」

「うん、そうだな。それが?」

「・・・・・・あっちいってほしいの」

「そーなのかー。じゃ俺帰るけどおまえも早く家に帰れよ」

「・・・・・・・っ!!」

 俺が帰れと当たり前のことを言った瞬間、俺を睨みつける栗色幼女。

 なにをそんなに怒られてるのかわからない、・・・本当に帰る『家』がないわけでもあるまいに。

 そして襟首を掴みながら激昂した。

「・・・あなたにっ・・・何がッ――」

「知るかよ」

「――!?」

 襟首を掴んだ手を弾きながら目を見て言う。

 まったくガキかてめぇーは・・・、ガキだったな。

「事情を話さない見ず知らずの赤の他人のガキのことなんざ知ってるわけなーだろ。知っている人ことだって、人間知らないことが多いんだぜ?」

「・・・・・・知ってるのに知らないっておかしいの」

「まぁ字だけ見るとな。そのへんは考えて感じろ」

「・・・よくわかんない」

「ふむ・・・。まぁそのへんはもうちょいしたらなんとなく分かるさ」

「そうなの?」

「おそらくたぶんきっとメイビー」

「よくわからないけどものすごく不安なの・・・」

 安心しろ俺もだ。自分がなんでこんな話してるのかわからない。

 まぁなんにせよちょっとは活力が戻ったらしい。 

 計画どうりっ!(嘘)

「んじゃ帰るから」

「あっ・・・」

 グイッっと引っ張られる感覚がして前へ進めない。

 とりま視線を下に下げてみる、栗色幼女の手が俺の服の裾を握っていた。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 視線を上げ幼女と目を合わせる。

 振りほどいて帰るのは簡単だけど・・・、やったら泣きそうだよなこいつ。

 今も涙目だし。

 あれかね?人生相談しないと帰れないのか?いやだぞコイツは俺の隠れオタ的な妹でもないんだし。

 ・・・まぁ仮に妹でもやらんけど。

 まぁでもこのまま帰っても飯がまずいし・・・しょうがない。

「・・・なんか悩み事でもあんのか?送ってってやるついでに聞いてやらんでもないぞ、聞くだけだけど」

「・・・ほんと?」

「聞くだけな。考えてみりゃ最初に訊いたの俺だし」

「そういえばそうなの・・・」

 

 

 

 

 

 んで、夜道を歩きながら聞いてみた幼女の事情は。

 

 

 

 お父さんが大怪我して入院して他の家族はその分仕事や看病で忙しくなって構ってもらえなくて寂しい。でもみんな大変だからいい子にしてなきゃいけない。

 

 

 

 というもの。

 まぁだいたい合ってる・・・はず。

 子供にしては説明が上手いけど・・・やっぱり子供、微妙に私語滅裂で正確には伝わってこない。

 まぁ俺が気になったのはその『事情』じゃなくて『私情』の方だからどうでもいい。

 つまり『いい子』にしてなきゃいけないという部分。

 文句を言わないわがまま言わない迷惑掛けない一人でも大丈夫。

 

 

 ――居なくても大丈夫。

 

 

 ・・・それって『いい子』か?

 いやまぁ、じゃあ『いい子』って何か?と訊かれれば答えられやしないけど。でも俺的にそれは『いい子』じゃなくて『人形』だと思うんだけど・・・。

 ままごとしてるわけじゃないのなら栗色幼女の『家族』はそんな『人形』望まないだろ。

 それに――。

「いい子ならなんでこんな時間まで公園に居たんだよ」

「あう・・・・・・お母さんが迎えにきてくれるかなって」

「・・・・・・なるほど」

 どうやら『人形』ではなかったらしい。

「まぁ今の話で俺が言えることはおまえの言う『いい子』なんてものになる前に『自分』なれよとういうことだな」

「???」

「つまりだな?ちゃんと自分の意思を話してぶつけて喧嘩して壊されて来いってことだ」

「喧嘩はだめだよ」

「いいんだよ、あとで仲直りすりゃいいだけのお話だ」

「そう・・・なの?」

「何のために口があると思ってんだ?喧嘩するためだぞ?」

「・・・それはちがうと思うの」

「俺もそう思う」

「じゃあなんで言ったの!?」

 ノリです。

「あとはだ・・・。究極的に家族なんて血の繋がった他人なんだから、一人でいるのと本質的には変わらない。このあとお前が自分の気持ちを話しても――結果はどうなるかしらんが――最終的にお前のその寂しさはお前の父親が治るまでなくならない・・・、いや治っても場合によっちゃなくならないってことだな。人は結局独りだ、だからあんまし気にすんな、慣れろ」

「・・・他人じゃないよ!」

「そう思えるのはいいことだ。でもお前自分の家族のこと全部分かってるわけじゃないし知ってるわけじゃないだろう?それに自分以外は全部他人だよ、関係性で名称が変わるだけ、全部他人と本質は変わらん」

「・・・・・・」

「ここまで言っといてなんだが。俺の言ったことをそのまま鵜呑みにすんなよ?」

「・・・・・・・・・嘘なの!?」

「いや、違うが。こういう手の話は人の考え方によって変わるから、自分で考えて自分のモノに変えろってことだよ」

「・・・・・・よくわかんない」

「なら分かるまで考え続けろ」

「むーー・・・」

「そんな顔してもダメ」

 ホッペ膨らませやがって、・・・突っつくぞてめー。

「まぁとりま家族と話してきな。どうなっても知らんが」

「なんかすごいテキトーなの・・・。でもわかった、おはなししてみる!」

「おう・・・その意気だ」

 これで飯はまずくならなくなりそうだ。

 

 

 

 まぁ解決はどの道しないだろうけど。

 

 

 

 

 この話は結局のところ父親が治らないとどうにもならんだろう、時間が無くて大変なことには変わりないんだから。話したぐらいで解決するならそもそも問題になんてなってない。

「あ!ここだよ私のお家!」

「そうか・・・なかなかでかいな」

 実は金持ちなのか?

「うん!じゃあまた明日もおはなししようねっ!」

「機会と縁が逢ったらな」

「うん!また明日ね!!」

 こいつ意味分かってないな。

「まてまて、名前言ってけ。ちなみに俺は風切(かざきり) 刃(じん)だ」

「あそっか。高町なのはです!バイバイ刃くん!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 俺はなのはが家に入っていくのを呆然と見送った。

 そりゃ『海鳴』って聞いたことあるはずだよ・・・アニメじゃん!!リリカルなのはじゃん!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リリカル、マジか!?

 

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