魔法少女リリカルなのは~よくある転生記~   作:春夏冬 秋人

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第四話 ビデオレター

 

 

「えーっとこれでいいのか? もう撮れてんのか? わかんねーなこれ・・・。まぁいいや後でチェックして撮れてなかったら撮り直して・・・めんどいからそんときはもう普通に手紙でいいや。――というわけで久しぶり。まぁおまえから連絡が来るなんて思ってなかったから驚いたぜ」

 自室のベットに座りカメラを見ながら喋りだす俺。自分撮りとかナルシー度が高すぎて死にたくなってくる・・・、というかこれ人前に立つとかよりよっぽど緊張するんだけど、やっぱり普通の手紙にしようかな・・・。

 そうは思いながらカメラに向かって『友達』へメッセージというか近況報告を垂れ流していく俺。すごいよこれ、喋れば喋るほど虚しさが詰まっていき実に空しい・・・テンション駄々下がりだ。

 あまりの遣る瀬無さになんで俺はこんなナルシストっぽいことをしているのか分からなくなってくる。だがそれを明らかにするにはここ数日分の記憶を遡らねばならない、実に好都合だ。

 そうして俺は現実を逃避するために記憶に退避した。

 その様子を物的証拠としてカメラが現実を切り取っていることにもちろん気づきながら。

 

 

‡  ‡

 

 

 八神家誕生日翌日、時刻は19時半くらいじゃないかなたぶん。

 時計も時計代わりになるような物も携帯してないから時間がわからん。ケータイが欲しいね・・・携帯だけに・・・ツマンナ。

 まぁでも、前世でもそうだったけどケータイって便利だけど四六時中常に誰かと繋がってるていう感覚がけっこうストレスなんだよな。普段は感じないんだけどケータイが一時的に使えなくなったときとかに何か開放感があるんだよな・・・まぁ無いと不便だから結局携帯するんだけど、まぁそれは前世の話。今生未だ小学生、ケ-タイって必要ないね。それこそ時計代わりにしかならない。いや、だからその時計代わりが欲しいんだけどな・・・普通に腕時計買おうかな?

 そんなどうでもいいことを考えながらはやての家から帰った俺を待っていたのは白いだけの便箋と、予想外すぎる人物からの茶封筒。どちらが気になったかといえばそりゃ茶封筒だが、どちらが怪しかったといえば白い便箋だ。

 なにせ白いだけだ。

 宛先も、差出人も書かれていない――真っ白な便箋。

 ということは必然的に直接誰かが投函したことになるんだろうけど・・・誰だ? 俺に直接手紙を届けるような奴はいな・・・いこともないけど、そいつらにしたって俺の家を知ってる奴はいない・・・はずだ。そして俺の家を知ってて届けそうな奴のはちゃんと郵便を介して俺の家に届けられてるため候補から除外だ。

「・・・誰でもいいか」

 考えてもわからないし、考えるよりも開けた方が早い。

 一応カミソリの刃とかが仕込んである可能性を考えて開けるも、拍子抜けだ。なにもない。というよりもそこに書かれていたのはただの警告文。

『おまえの役目は終わった。これ以上八神はやてと関わるな、後悔する事になる』

 そう普通に印刷されただけ。

「ツマンナ」

 興醒めだ。

 どうせなら新聞の切抜きで警告文作れよ。けっこう実物見てみたいんだぜ?

 犯人も誰かわからず面白みもない警告文なんざどうでもいい、興味すら湧かない。すぐさま紙を細切れにして捨てた。

 天邪鬼な俺にその警告は逆効果なだけだしな。

 というわけでメインの茶封筒を開けるため家の中へと入る――その瞬間、何所からか猫の鳴き声が聞こえたような気がした。

 とりあえず家の鍵を閉め自室へ行き着替えてから、茶封筒を改めて見る。

『フェイト・テスタロッサより』

「豚箱の中から郵便って出せるのか?」

 友人の手紙に対する最初の感想が、懐かしいとか、うれしいとかより疑問が来るってのも中々レアなケースだと思う。まぁ友人が警察(みたいな組織)に捕まって強制送還されたってのがすでにレアだけど。

 俺の一番最初の『友達』である彼女、フェイト・テスタロッサ。

 彼女は簡単に言えば外国で犯罪を犯して強制送還された外人の友達だ。違うことがあるとするのならそれは『世界』が違うということ、比喩表現じゃなくて文字通りの意味で。

 フェイト・テスタロッサは異世界人です。

 なんて言うと流行のライトノベルのタイトルみたいだが事実なのだからしょうがない。

「まぁいいやとりあえず開けてみるか」

 茶封筒を開けると出てきたのは一枚のDVD。

「・・・・・・」

 なんか嫌な予感がする。

 脅迫文を見た後にDVDしか入ってない茶封筒とかもうなんかお約束過ぎて笑えない。

 まぁでもはやてとフェイトはなんの関係もないんだ杞憂だろう、そう楽観しながらDVDをPCで再生する。

『え!? もう映ってる!?』

 映し出されたのは、長い金髪をツインテールにしている少女が椅子に座ってなにやら慌ててる姿と、その後ろに立ってニヤニヤ笑っているオレンジ髪の長髪に同色の犬の尻尾と耳を生やした女性。

 フェイト・テスタロッサとそのペットのアルフだった。

『ん・・・こほん。――久しぶり、て言うのもなんだか変かな? 実際に会ってるわけじゃないし』

 何事もなかったかのように微笑んでフェイトはそう言った。図太くなったなー。豚箱生活がフェイトを図太くしたんだろうか? まぁ誤魔化しても巻き戻せば慌てて髪直したりいろいろわたわたしてる様がばっちり映し出されるから意味ないけどな。

『いきなりこのビデオレターが届いて驚いているだろうけど――』

 DVDの中身はただの近況報告だった。向こうで事件に巻き込まれたから助けて欲しいなんて言うお約束はなかった。

 マジでなくてよかった。ここ最近の巻き込まれ具合からちょっとビビッてたけど、まぁ当然ねーよな。普通に応援呼ぶなら魔法が使えるなのはを呼ぶだろうしな。普通に考えたらありえない。

 フェイトの話だと、こちらでの用事はまだまだ掛かるらしいがでも絶対に会いに行くから待ってて欲しいということと、それまではこうしてビデオレターでやり取りしようということだ。

 手紙でもいいじゃんと俺は思ったが思った瞬間手紙だと顔が見れないと否定された。実はこれ録画じゃなくてリアルタイムで繋がってたりしないよな?

『――ジンの方は大丈夫? また変なことに巻き込まれたりしてない? 怪我してない? 絶対そっちに戻るから怪我とかしないでね?』

 なんかめちゃくちゃ心配されてる!? いやまぁたしかにここ最近厄介ごとに巻き込まれまくってるけどさ、というかタイミングがよすぎるだろ。

 どうやら俺は既に厄介ごとに巻き込まれてるらしいな。

 そしてDVDの再生が終わったあと俺は呟いた。

「ビデオカメラ持ってねーんだけど・・・」

 普通に手紙なんて送ったら、怪我してるとか勝手に想像されそうだし・・・どうしよ。

 

 

 

 ‡  ‡

 

 

 

 そうしてビデオカメラを買って俺は今自分撮りをしているというわけだ。

 あ? 数日どころか1日すら回想してないじゃないかって? うんまぁただキリがいいから一瞬現実に戻ってきただけだ、この後直ぐにまた回想し始めるから安心してくれ。

 映像を撮り終わるまで俺は回想をやめるつもりはない。

 そして記憶へと退避する。

 

 

 

 ‡  ‡

 

 

 

「さて、どうしよう」

 DVDを見た次の日。

 俺は悩んでいた。

 ビデオカメラを持っていないからフェイトにビデオレターを送ることが出来ない。じゃあ買えばいいじゃん、て話になりそうだが現在俺は一人身な上に収入がない、今ある貯金で俺が金を稼げるようになるまで生きなければならない。そんな俺にビデオカメラなんて買う金はない、正確にはあるけど使いたくない。

 もーなんかメンドクなってきたな・・・なんかビデオカメラ買ったら後悔しそうだし、もう普通の手紙でいいんじゃね? でもそうすると未来で食い違いがおきそうだし・・・。

 はぁ・・・しゃーない、どうにかして手に入れるか。

「だからどうやって手に入れるかって話なんだけどなー」

 授業中、ビデオカメラをどうやって手に入れるかそれだけを考えた(当然授業なんて聴いてない、つかこの時間何の授業だったかすら覚えていない)。そして、考えた結果誰かからもらうか借りればいいんじゃね? という単純な案を採ることにした。

 早速昼休みにアリサあたりに訊くとするか、どうせ待ってても鴨はやってくるし。

 そう思って、そのとおり予想通り昼に誘われた・・・がここで予想外のことが起きる。というか後で考えてみるとこの可能性を予想しなかったのはただの俺のミスで、すこし考えれば分かることだったんだけどな。

「昨日友達からビデオレターが届いたの!」

「・・・・・・」

 フェイトってそういえばなのはとも友達なんだっけ。

「ビデオレター? なのはにそんなものやり取りするような友達っていたかしら・・・?」

「あ、アリサちゃん! それだと、なのはちゃんには友達がいないかわいそうな子ね・・・、て意味に聞こえるよ!?」

「いやすずかが言わなければそこまでの意味にはならなかったわよ」

「・・・というか友達が少ないというのは否定してやらないんだ」

 こういう話を聞いてるとたまに友達ってなんだろうって考えたくなるなー、軽く虐めじゃないんだろうか?

「友達居るよっ!? いっぱい居るもん!!」

「なのはちゃん・・・、そう思ってるのはなのはちゃんだけかも知れないんだよ・・・?」

「なにそれすんごい怖いよっ!?」

 そのままなのはは、あれ実は私ってクラスで浮いてるの・・・? と考え込んでしまった。まだ小学生なのになんでこいつは疑心暗鬼に陥ってるんだろう・・・まぁ、だいたいすずかのせいだけど。

 閑話休題。

「で? ビデオレターが届いたんだって?」

「うん、そうだよ! 友達のねフェイト・テスタロッサちゃんっていってね”友達”なの!すごくかわいい”友達”なの! 私がこの前知り合った”友達”なの!!」

 仕切りなおすようなアリサの問いになのははやたら友達を連呼して答える。どう考えてもさっきのすずかの言葉がトラウマになってるんですけど。

「え、ええ・・・わかった、わかったから、そんな友達連呼しないで。全部すずかが悪かったから」 

「アリサちゃんっ!? 私を売るなんて酷いよ!! 友達じゃなかったのっっ!?」

「ちょっ、もう、すずかホント黙って!? 話し進まないから!」

 すずかさんがすんごいイキイキとし楽しそうなんですけど、こいつってこんなキャラだっけ? ああいいや、なんかこんなキャラだったような気がするけどここまで黒くなかったよ。つーかここまで来ると腹黒とはなんか別物だよ。

 しかし・・・やべぇ。

 何でかしらないけど俺がフェイトと友達になってることをなのはに知られるのはなんかやばい気がする。数々の死線を潜り抜けた俺の勘が告げている、知られたら絶対にメンドクサイことになると!!

 え? そうなると俺こいつらから借りれなくない? なんかどう誤魔化してもバレるような気しかしない・・・。

「・・・うん諦めよう」

「へー、あんたにしては諦めがいいのね」

「・・・えっ?」

 何の話? ぜんぜん聞いてなかったんだけど。

「じゃあ、フェイトちゃんに刃くんも併せて皆のこと友達だって紹介するからね!!」

「――――」

「言質はさっき取ったから」

「逃がさないよ」

 三人のかわいい笑顔が憎たらしくてしょうがない(特にすずかとアリサ)。えっていうかこれヤバインジャナイ?

 もう金がどうこうとか言ってる場合じゃねーなこれ。しゃーない、来月はいろいろ我慢しよう。ついでに今月ははやてのとこに飯たかりに行こう。

 

 

 

 ‡  ‡

 

 

 

 そして次の日ビデオカメラを買って現在に至る。

 え? 結局二日じゃないかって? いいんだよ、2日だって数日だよ、問題ない。

「――とまぁ最近はこんな感じだよ。日常なんだし、特筆するようなことはねーよ」

 目論見どおり回想中にあらかたフェイトと別れてからのことを話し終わる。

 だがしかし、このビデオレターのでの本当に伝えたいことはこのあとの一言である。

「あとお願いなんだけど、俺がフェイトと友達だってことなのは達には言わないでくれないか? ホントマジでお願いするから!!!」

 心持としてはこの場で土下座してもいいくらいだったか、まぁそれはさすがにやりすぎなのでしなかったけど、それでもしっかりと頭は下げたけど。・・・・・・というかなんで俺はこんな浮気を隠蔽するようなことしてんの? マジで意味分からん。

「んじゃ待ってるからな――フェイト」

 そう言って俺は録画を止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、闇の書のこととか訊いてみりゃよかったな」

 俺はそんな大事なことを送った後に気づき――そして忘れた。

 

 




はいさい4話です。
今回はフェイトからビデオレターが届くお話。
そういや、この主人公はヒロイン(未定)のなのはさんに隠れてあってるですよね・・・。そのことが発覚したときはたして刃くんは逃げ切ることができるのか!?
でも自分で逃げ道をなくしていってるような気がします。


ではさて2月。
新年明けましておめでとうございます。
今年もご愛読いただければ幸いです。
年明けて一ヶ月経ってますけど新年最初の投稿ですので許してください。ええ、もちろん投稿がかなり遅くなったことは許さなくてかまいません。
本当にすいませんでした!!
でも言い訳させてもらうと、リアルがすげー忙しかったんです。微妙にスランプだったんです。
アイマスが面白かったんです。
映画見に行きたいんです。
真美がすごいかわいいんです。
そんなもろもろのせいで間がとてつもなく開いてしまいましたごめんなさい。
まぁでは、こんなダメ人間ですが、今年もがんばっていこうと思います。







どうでもいいけどすっごい寒い・・・おい太陽仕事サボってないでもっと熱くなれよぉぉぉッ!!
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