魔法少女リリカルなのは~よくある転生記~   作:春夏冬 秋人

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第六話 魔法があっても運動神経はよくならない~俺、体育の時間は意外と好きだったりする~

「いけー!すずかー!やっちゃいなさいっ!!」

 バニングスのその声に応えるかのように弾丸を俺に向けて発射する月村、規格外の速度で迫るソレをどうにか回避する。

 

 

「ウボァ!」

 

 

 俺の後ろでなんか断末魔が上がったが気にしない。

 ――おまえの犠牲は無駄にはしない!!

 まだ自陣に落ちている弾丸――ドッチボールを手に取り構える。

「やるね――刃くん」

「おまえはありえねーな月村」

 どんなボールでも取ってみせると腰を落し待ち構えている月村とそんな言葉を交わす・・・。

 普通に投げたんじゃ確実に取られる・・・。ビックリな事に月村はこのクラスで一番運動が出来る、大人しくて控えめなお嬢様な月村からは想像ができないくらいに肉体スペックがおかしい。

これが騒がしくてお転婆なバニングスならわかるし想像できるだろう・・・現にあいつは運動神経がいい。

 だからこそ――狙いはそこしかない! 

 

 

 

 

「くらえっ!」

「――っっ!!」

 

 

 

 放たれる弾丸(ボール)――月村のより威力はおとるがコントロールと鋭さなら俺の方が上――は真っ直ぐと獲物を打ち抜かんと狙った場所に正確に飛来する。

 月村は予想通り反応できない、あまりにも予想外のその場所を狙われたことで硬直してしまっている――その隙は致命傷になるにもかかわらず。

 そして――。 

 

 

 

 

 

 

「ちょっ!!??なんでこっちににくるのーーーーっ!?あう!」

 

 

 

 

 月村の左側後方にチームメイトの奴らの中に隠れるように立っていた高町に直撃した。

 

 

 

 

「なのはちゃん!?」

「なのは!?・・・というかなんであんな密集地帯なのに当てられるの!?」

「高町、アウトー!」

 

 

 

 

 デデーン!

 脳内で某笑ってはいけない24時の効果音が流れそうなセリフを言ってやる。

 このセリフってなんか言いたくなるんだよな。

「ひ、卑怯だよ!」

「月村いいか?これはドッチボールだ、天下じゃない。つまり一対一じゃないんだ・・・要は最終的に勝てばいいんだよ勝てば」

 月村が抗議してきたので、真理を教えてやる。

 勝てば官軍、負ければ賊軍・・・てな。

「うー!絶対当てちゃうんだから!!」

「・・・お前のボールは確かに取れない――だが、避ければどうということはない!!」

 

 

「っ!!えーい!」

「っと!」

 

 

 女の子らしい掛け声とは裏腹に凶悪な速度と威力をもったボールを紙一重でかわし、ワンバンしたボールにチームメイトがワザと当たって外野に出さないように壁になる。そしてすぐさまボールは回収され俺の手元に周って来る。

 

 

 

「っシ!!」

 

 

 

 気合と同時に放たれるボール――。

 

 

 

 

「え――?」

 

 

 

 それは自分には来ないと思っていたであろう月村、しかもその足元に向かって飛来する。

 

 

 他の人ボールならば取れていただろう。

 

 

 胸元にボールが飛んできたなら取れていただろう。

 

 

 不意打ちじゃなければ避けれていただろう。

 

 

 しかしボールを投げたのは俺であり、飛んできた場所は取り難い足元。

 

 

 

 ――獲った!

 

 

 

 確信と共にボールが月村の白い足に吸い込まれ――。

 

 

 

「――すずかっ!」

 

 

 

 庇う様に割り込んできたバニングスに当たった。

「あ、アリサちゃん!?」

「――っ平気よ・・・」

「でも、私を庇って・・・!」

「いいのよ・・・すずかの方が強いんだし、それに――」

 バニングスが振り返る、その瞳は凄まじい敵意と覚悟があり俺をまっすぐに射抜いた。

 

 

 

 

「これで、アイツを倒せるわ・・・!」

 

 

 

 

 

「アリサちゃん・・・?」

「アイツも言ってたでしょう?これは一対一じゃないの・・・チーム戦よ。・・・だから――私にも活躍させなさい?」

「――!うん・・・そうだね、いっしょに倒そうアリサちゃん!!」

「さぁ――反撃行くわよ!!」

「うん!」

 

 

 ――パァン!!

 

 

 

 と二人はハイタッチをして、お互いその目に決意を宿し己の役割を果たし勝利するため、各々の戦場へ立つ。

 

 

 

 

 

 

「――いいぜ受けて立つ。ボールの貯蔵は十分か?」

 

 

 

 

 

 最後の攻防が今始まる――。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇこれただのドッチボールだよね?というかなのはは?私も活躍したいよ!?パス回しなら私も出来るよ!?」

「ごめんなのは今は冗談に付き合ってる場合じゃないの!!」

「ひどいっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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