閉店後の阿佐野店。
片付けも終わり、バックヤードには女性スタッフだけが集まっていた。
茂田、細井、古坂、高村、矢水、大澤、樋口。
浜谷はシフトの関係で、一足先に帰っている。
茂田がお茶を配る。
「はい。」
「今日は女子会ニダ。」
「わーい!」
細井が笑う。
古坂も椅子に腰掛ける。
「たまにはこういうのもいいね。」
高村はお菓子の袋を開けた。
「じゃあ今日は何話す?」
茂田がニヤリと笑う。
「最近の阿佐野店!」
「いいねー!」
細井が真っ先に話し始める。
「最近、クレーンゲームのあのぬいぐるみ人気ですよね。」
古坂も頷く。
「あれ、一日でなくなる勢いだった。」
樋口も笑う。
「景品補充が追いつかなかったもん。」
大澤も静かに口を開く。
「子どもたち、ずっと並んでた。」
矢水も頷く。
「私も何回手直ししたか分かりません。」
樋口は目を輝かせる。
「次は信濃路モンスターの景品来ないかなぁ。」
一同が笑う。
細井がツッコむ。
「またシナモンですか?」
「来たら絶対取る!」
「樋口さんらしいですね。」
ひとしきり笑ったあと。
茂田が湯飲みを置く。
「じゃあ次。」
「琉くんの話ニダ。」
細井が吹き出す。
「浜谷くんの話?」
「そうニダ。」
茂田は笑いながら言う。
「まず私。」
「たまにエグい遅刻するニダ。」
「あー!」
一同納得。
古坂も苦笑いする。
「阿佐野まで遠いもんね。」
高村もフォローする。
「一人暮らしのアパートも遠いから仕方ない部分はあるけどね。」
茂田は笑う。
「ちゃんと来るから許してるニダ。」
茂田が続けて。
「あと、細井ちゃんと琉くんが楽しそうに話してると。」
「私も混ぜてほしいニダ!」
細井が笑う。
「入ればいいじゃないですか!」
「タイミングあるじゃん!」
バックヤードは笑いに包まれる。
大澤が小さく手を挙げた。
「私は……。」
「浜谷くんが阿佐野に来てから。」
「メンテナンスの仕事が減った。」
みんなが大澤を見る。
「嬉しい、でも、少しだけ寂しい。」
茂田は優しく笑う。
「琉くんが成長した証拠ニダ。」
大澤も少し照れながら頷いた。
次は細井。
「私はね。」
「浜谷くんが私のこと好きなのかなっていうくらい話しかけてくるんですよ。」
一同大爆笑。
古坂が笑う。
「誤解される言い方!」
細井も笑う。
「でも。」
「話してて楽しいからいいんですけどね。」
古坂も話し始める。
「私。」
「休憩時間、喫煙所でたまに一緒になるじゃん。」
「うん。」
「見た目は割と中性的なのに。」
「ヘビースモーカーなのが意外。」
高村が頷く。
「分かる!」
古坂は少し心配そうに笑う。
「吸いすぎじゃないかなって思う時はある。」
茂田はみんなを見回す。
「結局。」
「みんな文句言ってるようで。」
「琉くん好きニダ。」
一瞬静かになる。
細井が照れ笑いする。
「まぁ。」
「嫌いだったらこんなに話さないですよね。」
高村も頷く。
「真面目で頑張り屋だからね。」
矢水も微笑む。
「応援したくなる人です。」
樋口も笑う。
「シナモンの話もちゃんと聞いてくれるし。」
一同がまた笑う。
その頃。
帰宅中の浜谷。
「……なんか。」
「くしゃみ出そう。」
「ハックション!」
もちろん。
バックヤードで”浜谷を語る女子会”が開かれていたことなど、知る由もなかった。
阿佐野店には今日も、笑い声が絶えなかった。