ようこそ!ゲームセンター『ファンステージ』へ!   作:君脇玲

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みんなでハロウィン

十月。

 

原町中央店はハロウィン一色に染まっていた。

 

店内には大きなカボチャやコウモリの飾り付け。

 

ゲーム機の周りにもハロウィン仕様の装飾が施され、普段とは少し違う雰囲気になっていた。

 

朝礼。

 

「おつかれさまぁ〜ず!」

 

茂田が元気よく事務所へ入ってくる。

 

今年も頭にはうさ耳。

 

「今日はハロウィンイベント!」

 

「みんな仮装して、お客様を楽しませるよ!」

 

「はい!」

 

スタッフ全員が元気よく返事をした。

 

 

開店前。

 

更衣室では最後の身だしなみチェックが行われていた。

 

茂田は赤い法被に白いうさ耳。

 

「去年より可愛いでしょ?」

 

「似合ってます。」

 

浜谷が笑うと、茂田は満足そうに笑顔を見せた。

 

高崎は黒い魔女の帽子をかぶり、今年も魔女姿。

 

「今年も魔法使っちゃおうかな〜。」

 

武藤も同じく魔女姿。

 

「毎年これが一番落ち着くね。」

 

相馬は黒猫のカチューシャ。

 

「猫は毎年人気だからね。」

 

大沼はオレンジ色のかぼちゃ姿。

 

「大沼、大丈夫です!」

 

その一言に、更衣室は笑いに包まれた。

 

石村は黒いマントだけを羽織る。

 

「これくらいがちょうどいい。」

 

山神はいつも通り制服姿。

 

「山神さん、今年も仮装しないんですか?」

 

浜谷が聞く。

 

「おぅ。」

 

短い返事。

 

高崎が笑う。

 

「毎年変わらないねぇ。」

 

日村は黒猫の耳のカチューシャを頭に付けていた。

 

「アリガトゴザイマス。」

 

「日村さん、似合ってます!」

 

浜谷が笑うと、日村は少し照れくさそうに頭をかいた。

 

藤屋は白いキツネのお面と耳。

 

「どうでしょうか……?」

 

「すごく似合ってます!」

 

浜谷が答えると、藤屋はほっとしたように笑った。

 

浜谷自身は、小さな悪魔の角と黒いマント。

 

派手ではないが、ハロウィンらしい仮装だった。

 

 

営業が始まると、店内は子どもたちの笑顔でいっぱいになった。

 

「うさぎさん!」

 

「魔女だ!」

 

「ねこ!」

 

スタッフを見つけるたびに子どもたちが駆け寄ってくる。

 

茂田は子どもたちと写真を撮りながら、

 

「シーユーアゲイン!」

 

といつもの決めゼリフ。

 

高崎は、

 

「今日は魔法で取れやすくなってるかも?」

 

と冗談を言い、子どもたちを笑わせる。

 

日村は猫耳のままメンテナンスへ向かい、

 

「アリガトゴザイマス。」

 

といつも通り。

 

そのギャップに浜谷は思わず笑ってしまった。

 

 

午後。

 

イベントコーナーでは仮装したスタッフ全員で記念撮影をすることになった。

 

「並んでくださーい!」

 

大倉がカメラを構える。

 

茂田、高崎、武藤、相馬、大沼、藤屋、日村、石村、山神、浜谷。

 

全員が笑顔で並ぶ。

 

「いきますよー!」

 

「はい、チーズ!」

 

シャッターが切られる。

 

写真を確認した茂田は大満足。

 

「今年も最高!」

 

「来年はもっと派手にしようかな!」

 

「ほどほどにしてください。」

 

石村が苦笑いすると、事務所は笑い声に包まれた。

 

 

閉店後。

 

仮装を片付けながら、浜谷は去年のハロウィンを思い出していた。

 

入社して間もなく、緊張しながら過ごした初めてのイベント。

 

あれから一年。

 

今ではイベントを楽しむ余裕も生まれ、仲間と笑い合えるようになった。

 

帰り際。

 

茂田が笑顔で手を振る。

 

「シーユーアゲイン!」

 

「また来年も楽しもうね!」

 

「はい!」

 

浜谷は笑顔でうなずいた。

 

去年と同じイベント。

 

でも、一緒に笑う仲間との時間は、一年前よりもっと特別なものになっていた。

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