ようこそ!ゲームセンター『ファンステージ』へ!   作:君脇玲

73 / 92
素敵なみんなを大紹介!!

阿佐野店へ応援勤務に来てから、しばらく経った。

 

浜谷は店内を見渡し、改めて思う。

 

(この店も、本当に個性的な人ばかりだ。)

 

「こちらメダル30枚になります。」

 

まず目に入ったのは、高村だった。

 

この人は高村(たかむら)さん。

 

メダル・カードゲーム担当で、阿佐野店のお母さんみたいな存在。困ったことがあれば、いつも優しく教えてくれる。落ち着いた雰囲気で、お客さんからの信頼も厚い。

 

「こちら、直りました。」

 

メダルコーナーでは、大澤がゲーム機を修理していた。

 

この人は大澤(おおさわ)さん。

 

メンテナンス担当。口数は少なくクールだけど、修理の腕は一流。小学生のお子さんがいる優しいお母さんでもある。

 

イベントコーナーでは、矢水が飾り付けをしていた。

 

この人は矢水(やみず)さん。

 

イベント担当。いつも明るく、お店の雰囲気を盛り上げてくれる。大澤さんとはほぼ同期入社で、早番で矢水さんがいる日は店内が一気に明るくなる。

 

クレーンコーナーへ向かう。

 

景品を並べているのは古坂だった。

 

この人は古坂冨美子(こさか とみこ)さん。

 

クレーンゲーム担当。元々は原町中央店で働いていて、旧姓は大野さん。景品が大好きで、お客さんの笑顔を見るのが何より好きな人。茂田さんとは「千歌ちゃん」「冨美子」と呼び合う仲。……今でもたまに「大野さん」と呼び間違えてしまう。

 

すると後ろから元気な声が聞こえた。

 

「浜谷くーん!」

 

この人は細井(ほそい)さん。

 

メンテナンス担当。原町中央店でも一緒に働いていて、僕にとって初めての後輩スタッフだけど、年齢は細井さんの方が上。阿佐野店では一番年下で、パチンコが大好き。最近は僕がメンテナンスを教えていて、休憩中はよく冗談を言い合う仲になった。

 

「何ボーッとしてるの!殴るよ!」

 

「一発だけなら!」

 

「安心して、一発で仕留めるから!」

 

景品倉庫へ向かうと、樋口が景品を整理していた。

 

この人は樋口(ひぐち)さん。

 

クレーンゲーム担当。いつも笑顔で、面倒見の良い接客のプロフェッショナル。お客さんからの評判も良い。信濃路モンスター、通称「シナモン」が大好きで、その話になると止まらない。僕もよく一緒にシナモンの話をしている。

 

急に樋口が振り返る。

 

「どうしたの?浜谷くん。」

 

「なんでもないですよ!」

 

その時、聞き慣れた声が響いた。

 

「どうしたニダ?」

 

この人は茂田千歌(しげた ちか)店長。

 

若くして原町中央店と阿佐野店、二店舗の店長を務めるすごい人。口癖は「おつかれさまぁ〜ず♪」「ニダ」「シーユーアゲイン」。誰にでもフランクだけど、仕事には一切妥協しない。僕が最も尊敬する上司の一人だ。

 

「スマイルタイムの写真撮るニダ。」

 

――スマイルタイム。

 

毎週土日にスタッフの笑顔の写真を事業部チャットへ投稿する、ファンステージ恒例の取り組みだ。

 

撮影が終わると、茂田さんがスマホを見せてくれた。

 

「今日、原町中央店の写真も上がってるニダ。」

 

画面には、懐かしい顔ぶれが並んでいた。

 

右上の眼鏡の男性は、石村正和(いしむら まさかず)さん。

 

原町中央店の副店長で、クレーンゲーム担当。僕にとってはファンステージのお父さんみたいな存在で、困った時は必ず助けてくれる。口癖は「石村、向かいまーす」。

 

隣の白髪で眼鏡の男性は、山神冠(やまがみ はじむ)さん。

 

メダル・カードゲーム担当。物知りで頼れる大先輩。僕を「琉くん」と呼び、いつも気にかけてくれる。「おぅ」の一言を聞くと、なぜか安心する。

 

その隣は、日村真也(ひむら しんや)さん。

 

メンテナンス担当で、僕の師匠。どんな機械でも直してしまうすごい人。声が小さく早口だから聞き取れないこともあるけど、技術は本物。みんなからは「ヒム」と呼ばれている。

 

眼鏡の女性は、高崎麻美(たかさき あさみ)さん。

 

クレーンゲーム担当で、僕の教育担当だった人。ゲームセンターの基礎を全部教えてくれた。イタズラ好きで、石村さんとはよくクレーンゲーム談義で盛り上がっている。

 

背の高い女性は、相馬聖子(そうま せいこ)さん。

 

クレーンゲーム担当。原町中央店のお母さん的存在で、設定の上手さは店でも評判。遅番が多いから会える日は少ないけれど、とても頼りになる先輩だ。

 

前列の小柄な女性は、藤屋明美(ふじや あけみ)さん。

 

イベント担当。みんなからは「藤さん」と呼ばれている。少し人見知りだけど、仕事はとても丁寧で責任感が強い。

 

その隣で笑っているのは、大沼奏子(おおぬま そうこ)さん。

 

イベント担当。接客が上手で、茂田さんからの信頼も厚い。人懐っこく、みんなから「大沼ちゃん」と可愛がられている。

 

そして最後は、川原木乃香(かわはら このか)さん。

 

クレーンゲーム担当。僕と同い年だけど、お互いに「さん」付けで敬語のまま。後から入社したのに、どんどん成長している努力家だ。

 

「みんな、元気そうだな。」

 

懐かしい気持ちでチャットを閉じる。

 

「琉くん、おつかれ!」

 

この人は大倉(おおくら)さん。

 

原町中央店と阿佐野店が所属するエリアのエリアマネジャー。関西出身で、僕が落ち込んだ時に「後悔しちゃアカンで!」と励ましてくれた恩人だ。

 

「お疲れ様です!」

 

「浜谷くん、お疲れ様!」

 

この人は生田(いくた)さん。

 

エリアメンテナンス担当。各店舗を巡回し、修理や技術指導をしている。僕が目標としているメンテナンススタッフだ。

 

「生田さんもお疲れ様です!」

 

その時、お客様が声をかけてきた。

 

「すいませーん。」

 

「琉くん、お客様呼んでるニダ。」

 

「はい、向かいます!」

 

学生生活の中で出会った、大切な仲間たち。

 

学生の間だけのアルバイトかもしれない。

 

それでも、この人たちと過ごした毎日は、きっと一生忘れない。

 

今日も浜谷は、大好きな仲間たちと一緒に店内を走り回るのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。