ようこそ!ゲームセンター『ファンステージ』へ!   作:君脇玲

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なんてったって大学生

今日は原町中央店メンバーの飲み会だった。

 

会場には懐かしい顔ぶれが集まる。

 

阿佐野店への応援勤務が増えてから、浜谷が原町中央店メンバーとゆっくり話す機会は少なくなっていた。

 

「久しぶり!」

 

高崎が笑顔で手を振る。

 

「元気してた?」

 

「はい!」

 

「阿佐野店でも頑張ってます。」

 

山神も笑う。

 

「おぅ。」

 

「久しぶりだな。」

 

「お久しぶりです!」

 

日村も穏やかに笑う。

 

「最近メンテ、頑張ってるって聞いてます。」

 

「ありがとうございます。」

 

席に着く。

 

店員が飲み物を聞きに来た。

 

その時だった。

 

山神がニヤリと笑う。

 

「浜谷。」

 

「今日は大ジョッキだろ。」

 

日村も続く。

 

「せっかくですし、一杯目だけでも。」

 

浜谷は苦笑いする。

 

「いやぁ……。」

 

「普通ので。」

 

「だめだ。」

 

山神が即答する。

 

「若いんだから。」

 

高崎も笑う。

 

「いっちゃえ!」

 

茂田も笑顔。

 

「今日は飲み会ニダ!」

 

浜谷は観念した。

 

「……じゃあ。」

 

「生ビール、大ジョッキで。」

 

店員が注文を書き留めていく。

 

しばらくして乾杯。

 

「お疲れさまでしたー!」

 

ジョッキを合わせる音が響く。

 

久しぶりの原町中央店メンバーとの時間。

 

仕事の話。

 

阿佐野店の話。

 

大学の話。

 

笑いが絶えない。

 

「大学はどうなん?」

 

大倉が尋ねる。

 

浜谷は少し笑う。

 

「最近は研究が忙しくて。」

 

「平日は大学。」

 

「大学がない日はファンステ。」

 

「結構大変です。」

 

「頑張ってるなぁ。」

 

大倉は感心したようにうなずいた。

 

「若いうちにしかできへん経験やからな。」

 

浜谷は大ジョッキを少し口に運ぶ。

 

ふぅ、と息をついた。

 

(なんか……。)

 

(安心するな。)

 

気がつけば、疲れがどっと押し寄せてきた。

 

大学。

 

アルバイト。

 

毎日があっという間だった。

 

みんなの笑い声を聞きながら、浜谷のまぶたが少しずつ重くなる。

 

「……。」

 

コクリ。

 

一瞬だけ頭が下がる。

 

また戻る。

 

しかし。

 

数秒後。

 

再びコクリ。

 

そのまま、ほんの少しだけ眠ってしまった。

 

「……。」

 

山神が小さく笑う。

 

「寝たか?」

 

高崎もクスッと笑う。

 

「かわいい。」

 

茂田は優しく微笑んだ。

 

「最近ずっと頑張ってたニダ。」

 

大倉も静かに言う。

 

「疲れてたんやろな。」

 

誰も起こさなかった。

 

ほんの数十秒。

 

浜谷は穏やかな表情で眠っていた。

 

やがて目を覚ます。

 

「……あっ!」

 

浜谷は慌てて周りを見る。

 

「す、すみません!」

 

「寝ちゃいました!」

 

日村は笑顔で首を振る。

 

「大丈夫ですよ。」

 

山神も笑う。

 

「若い証拠だ。」

 

高崎はからかうように笑った。

 

「大ジョッキ一杯で寝る人、初めて見た。」

 

「違いますよ!」

 

浜谷は恥ずかしそうに笑う。

 

「お酒じゃなくて、疲れてただけです。」

 

「なんてったって、大学生ですから!」

 

茂田は優しくうなずいた。

 

「たまには、気を抜く日も必要ニダ。」

 

浜谷は照れくさそうに頭をかいた。

 

仕事でも大学でも走り続ける毎日。

 

だからこそ、こうして安心して少しだけ眠ってしまえる仲間がいる時間は、何よりも心地よいひとときだった。

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