一夏、織斑捨てたってよ   作:ダメオ

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今回の話には法に触れるシーンが
ございますがこれはフィクションですので
あらかじめご了承下さい

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こんな妄想なんかに
ありがたやありがたやの雨あられです


一夏、はしゃぎ倒すってよ

「時は来た……海だあぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

臨海学校当日、一夏は白い砂浜にて海に向かって叫ぶ。迷彩柄で膝まであるサーフ型水着一丁で。初っ端からテンションMAXである。

 

 

「ハッハッハァ!暑さで頭がやられちまったような感覚だ!楽しくてしょうがねぇ!!」

 

 

一夏は高笑いしながら砂浜に仁王立ちしている。そこに、一夏に買ってもらった水着を着ているセシリアが歩み寄ってくる。

 

 

「一夏さん」

 

「セシリアか!どうし、た……」

 

「どうでしょう……似合ってますか?」

 

 

一夏はセシリアを見つめて固まってしまった。一夏がチョイスしたパレオ付きの青いビキニをモデル体型のセシリアが見事に着こなす。その美しさを前に、一夏は思わずときめいてしまった。

 

 

「(……束姉以来の衝撃だ)

似合ってる……もう、それはそれは。凄く、な」

 

 

一夏は頬を赤らめて言う。束に対しては免疫が出来ているがセシリアに免疫が出来ていない一夏は年齢相応に照れていた。

 

 

「あの、一夏さん」

 

「な、なんだぁ?」

 

「その……宜しければ、オイルを塗って頂けませんか!?」

 

「(オッ!?オオ、OILだとぅ!?アレだよな……こう、背中に塗る、アレだよな!?お、俺が……俺のハンドが、セシリアのボディに、オイルを……!?)

よ、よし!分かった!塗る!」

 

 

互いに顔が赤らめる二人。もう完全にカップルのそれである。セシリアは、予め用意していたパラソルの下でシートに寝そべる。一夏はその横に座り、手にオイルを持つ。

 

 

「じゃ、じゃあ、始めるぞ……?」

 

「は、はい!……お願いしますわ」

 

 

一夏は手にオイルを垂らし、セシリアの背中に塗っていく。白人特有の白い肌、入念に手入れされているのかスベスベだ。

 

 

「(う、美しい……)」

 

「んっ……ふ……」

 

「(いかん!耐えろ、My son(ムスコ)!ここでStand up(キリツ)しちゃいかん!今はSit down(チャクセキ)!)」

 

 

時折セシリアの口から漏れる声が一夏の理性を、さながら腹パンをかますようにじわりじわりと削っていく。

 

 

「(煩悩退散煩悩退散!色即是空色即是空!ヘルファイア!テトラスピリット!ウィングスマッシュ!百なる一の剣!ソウルスチール!)」

 

 

一夏は一人煩悩と戦いながら黙々とオイルを塗り続けた。主にコマンド技で。だが、やがて限界は来た。理性崩壊の危機、そしてこのままではオイル塗ってるだけで自由時間が終わってしまう。そして何より、一夏の海で遊びたい欲求が破裂寸前。

 

 

「はい塗り終わり!セシリアー!俺、泳いでくるー!!」

 

「ちょ、一夏さぁん!?」

 

 

オイルを塗り終えたと同時に海に向かってアクセルチャージして沈む一夏。セシリアは、少し残念そうにしながら一夏を見つめていた。

 

 

「ィヤッホーイ!冷たい!しょっぱい!海最高!」

 

 

一夏は水面から顔を出し、笑顔で高らかに叫ぶ。そして、視界に秋彦が入った瞬間にその笑みに悪意が宿る。

 

 

「織斑ー!俺と遊ぼうぜぇー!」

 

「ぬわぁっ!?」

 

 

片手で掬った海水を秋彦目掛けてぶん投げ、顔面に当てる。秋彦は青筋を立てながら一夏を睨む。

 

 

「やったな、この野郎!!」

 

「ハッハァー!鬼さんこちらだぜー!!」

 

 

秋彦は海に飛び込み、一夏を追いかける。一夏は秋彦をおちょくるように秋彦から一定の距離を保って逃げている。端から見れば仲良し兄弟のようだ。

 

 

「ウフフフフー!どうしたどうした!?そんなもんかなぁ!?」

 

「言わせておけばぁ……!食らえ!」

 

 

秋彦は海水を両手で一気に掬い上げ、一夏目掛けて飛ばすが、当の一夏は余裕で回避。

 

 

「ハズレだマヌケ!」

 

 

一夏は片手で海水を掬い、投げる。すると再び秋彦の顔面にヒット。

 

 

「ぬわぁー!腹立つー!!」

 

「あぁーっ!楽すぃー!!」

 

 

二人はがむしゃらに海水を掛け合う。この時だけは、恨みだとか憎しみだとか関係なく、只純粋にこの場を楽しんでいた二人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜の夕食タイム。メニューは刺身盛り合わせ。実に金がかかっている。

 

 

「ンー、美味い。活きが良いなぁ、ここの刺身は」

 

「そうだな。それに、この本ワサビというもの。風味がとても良い」

 

 

一夏とラウラは笑顔で食べ進める。元々好き嫌いのないラウラだが、ここの刺身は大層気に入った様子。

 

 

「確かにとても美味しいのですが……やはり魚を生で食べるのは慣れませんわね」

 

「そうだね。食べれば美味しいんだけど、僕もまだ慣れないなぁ」

 

 

セシリアとシャルロットも徐々に食べ進める。なんだかんだ言っても、箸が進む美味しさのようだ。

 

 

「ふぃ〜……ごちそうさん。さて、俺は一足先にあがらせてもらうぜ」

 

 

一夏はそれだけ言い残し、広場から出て行った。

 

 

「そう言えば、一夏の部屋はどこなんだ?部屋割りに一夏の名前が無かったが」

 

「確か、一夏さんと織斑さんは教員室だと思いますわ。二人は男性操縦者ですしもしもの事態に備えるのと、クラスメイトの皆さんが時間を守らず部屋に押しかける可能性を考慮してそうなったのかと」

 

「なるほど。実に納得のいく話だ」

 

「それに、事情があるとはいえ一夏と織斑先生と秋彦は血の繋がった家族だしね。今は家族水入らずの方がいいよ」

 

 

残された三人が話している頃、一夏は廊下を歩いて自身の部屋に向かう。その部屋には、『教員室』というプレートが貼られていた。一夏は部屋に入り、寝転がって伸びをする。

 

 

「ハァ……今日は遊び疲れたぁ。あ、そうだ。確かここ、久々に織斑が揃うな……」

 

 

一夏は千冬に関しては許した。そして秋彦のことも、土下座して許しを乞えば許してやらんでもないと考えているが秋彦はプライドが高い。その為、彼が謝るのは夢物語だろう。

 

 

「……ま、いいか。たまには血の繋がった者同士も悪くない」

 

 

一夏は笑みを浮かべて起き上がり、部屋から出て行った。それから数分後、千冬と秋彦が帰ってきた。

 

 

「……久々に、姉弟が揃うな」

 

「そ、そうだね……」

 

 

二人は座り、話す。だがその表情は曇っている。千冬は一夏への罪悪感から、秋彦は一夏への憎悪からだ。

 

 

「よぉ、御二方。元気か?」

 

 

そこに、一夏が帰ってきた。手には、コンビニのレジ袋が握られている。

 

 

「……駁羅。今の時間帯、旅館からの外出は禁止していた筈だが」

 

「お堅いこと言うなって。これが目に入らぬ?」

 

 

そう言って一夏はレジ袋から一本のビール缶を取り出す。

 

ザ・○レミアム・モル○

 

このビールを見た瞬間、千冬の目の色が変わった。ビール好きなら是非とも飲みたいプレミアムビール(贅沢品)である。

 

 

「プ○モルだぜ?プレ○ル。アンタが昔から大好きなプレモ○だぜ?おつまみもあるよ?」

 

「(覚えていたのか……)

……今回のことは不問としよう」

 

 

千冬がそう言うと、一夏は千冬にビールを渡す。

 

 

「秋彦は……ホレ、コーラ。お前は昔っからコレ好きだったろ?」

 

「あ、あぁ……。

(覚えて、いたのか……)」

 

 

次に秋彦に飲み物の缶を渡す。秋彦は戸惑いながらも素直に受け取る。

 

 

「俺はス○ライト〜。好きなんだよねぇ、コイツ」

 

「た、確か……、小さい頃から飲んでいたな」

 

「いや、飲んでねぇよ」

 

 

秋彦の言葉を真っ向からバッサリ切り捨てる一夏。その表情には、何も感じられない。無だ。

 

 

「俺はお前等の好きなものから嫌いなものまで覚えてたのに、お前等は覚えてないんだな。俺のこと」

 

「ッ!!」

 

「!?!?」

 

 

一夏の言葉は二人の心に突き刺さり、一夏を憎く思っている秋彦でさえも怯んだ。千冬に至っては、顔を歪めている。

 

 

「……どうした?飲み物が温くなるだろ。早く飲みなよ」

 

「……分かった。頂こう」

 

「あ、ああ……頂くよ」

 

 

二人は手に持った缶を開き、一気に煽る。秋彦が煽るのを見た瞬間、一夏は笑みを浮かべた。

 

 

「マイブラザー、飲んだな?」

 

「の、飲んだが、どうかしたか?」

 

「缶、見てみな」

 

 

一夏はそう言ってから自分の手に持った缶を煽る。秋彦が缶を見る。

 

 

 

 

 

お酒でした。

 

 

「お、お前!?」

 

「いいじゃんいいじゃん!これもまた青春でしょ!」

 

 

笑いながら言う一夏。一夏の手に握られた缶もまた、酒だった。

 

 

「秋彦、一夏……未成年の飲酒は流石に見過ごせない。ましてや、それが私の弟ならーーー」

 

「ーーーじゃあ、酒は全部処分するか。千冬姉、○レモル寄越せ。それが嫌なら黙ってて」

 

「…………」

 

「いい子だ」

 

 

一夏は千冬の注意を一蹴した。

 

 

「なぁ、秋彦……俺はさ、お前のことはなんだかんだムカつくけど憎んではいないんだぜ?何だってそつなくこなす才能に至っては尊敬してもいる。まあ、逆に言えばそれ以外は嫌いだ。大嫌いだけどな」

 

「……僕も、お前のことは嫌いだ。出来損ないだと見下していた。だが、今では僕より強い。不本意だが、認めるしかない」

 

「なんでこんなに憎み合ってんだろうな、俺等。一応双子だってのに」

 

「そうだな。双子なのに」

 

 

一夏と秋彦は無表情で見つめ合い、手に持った酒を煽る。一夏はすぐに缶を飲み干し、レジ袋からビール缶を出す。

 

 

「でもまあ、今回だけはそういうの抜きで飲もうや」

 

「……今日だけは、付き合ってやる。ホラ、よこせ」

 

「……オラよ」

 

 

一夏は秋彦にビール缶を渡し、二人揃って缶を開いて一気にあおる。

 

 

「ッ……かぁ〜っ!苦いっ!」

 

「お子ちゃま舌」

 

「うるさい同い年!」

 

 

笑いながら言う一夏に、怒鳴る秋彦。その二人を、千冬は見守りながらビールを飲んでいた。そして次第に、ビールの空き缶が大量になっていく。そして数十分後、三人は出来上がっていた。しかも二人は未成年、一人は教師という問題ありすぎな状況で。

 

「秋彦〜。お前はぁ、篠ノ之のどこに惚れたんだぁ〜?」

 

「黒髪ポニーテールかな……一夏。お前確か、オルコットといい雰囲気だったなぁ」

 

「やぁもう最高だぜ?モデル体型のお淑やかなお嬢様だぜ?近々告白しようと思ってる。いいだろぉ?」

 

「正直羨ましいなぁ……。箒もなぁ、もう少し性格が良ければいいんだが……癇癪持ちだからなぁ」

 

 

一夏と秋彦は酒の力を借りてやっとまともに話していた。普段なら、こんなたわいないことを話せるのは無いだろう。

 

 

「お前等!ヤるのは構わんが、ゴムはつけろよ?」

 

「はい!お姉ちゃん!」

 

「いちかぁ……私のことを姉と呼んでくれるのかぁ?お姉ちゃんは嬉しいぞぉ!」

 

 

千冬は一夏に抱きつき、頬ずりしながら言う。今までの一夏への負い目、そして一夏の闇を見た普段の千冬ならとても出来ない行動だ。それを考えると、やはり酒の力は偉大である。三人の姉弟はそれを感じながら、今宵だけの宴を楽しんだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日。本日はISの各種装備の運用テスト。代表候補生達は各国より送られた専用機の追加パッケージの運用テストとデータ収集がある。

 

 

「……頭痛ぇ」

 

「ハメを外しすぎたな……」

 

「……では、これより各々の専用機の武装のデータを取っていく」

 

 

一夏と秋彦と千冬は二日酔いになっていた。特に一夏と秋彦は飲酒経験が無かった為より酷い。そして、一班に集められたのは専用機持ちの面々。一夏、秋彦、セシリア、シャルロット、ラウラの五名だ。一夏と秋彦は代表候補生ではなく、シャルロットもフランス代表から除外された為追加装備も無く、三人はイギリス代表のセシリアとドイツ代表のラウラのサポートをすることになった。

 

 

「ーーー織斑先生!!た、大変ですぅ!!」

 

「っ……どうした?」

 

 

作業を始めようとした時、山田先生が慌てた様子で走ってきた。もうブルンブルンである。何がとは言わないが。叫び声が千冬の頭に響いたようだが表情には出していない。二人がヒソヒソと話すと、少々気怠そうな千冬の表情が真剣そのものとなる。

 

 

「それでは、私は他の先生方にも相談してきます!」

 

「頼んだ。ーーー全員注目!」

 

 

千冬の声で皆が一同に千冬を見つめる。

 

 

「現時刻よりIS学園教員は特殊任務行動へと移る。本日のテスト稼働は中止。各班、ISを片付けて旅館に戻れ。連絡があるまで各自室内待機だ。以上!」

 

 

千冬の言葉に一同は戸惑う。あまりにも、いきなり過ぎる。

 

 

「迅速に戻れ!以後、許可無く室外に出た者は我々で身柄を拘束する!いいな!」

 

「は、はいっ!」

 

 

千冬の一喝で全員が慌てて動き始める。一夏達も動こうとした際、千冬が言葉を続けた。

 

 

「駁羅、織斑、オルコット、ボーデヴィッヒ。お前達は私と共に来い!」

 

「はい!……シャルロット。もしもの時は」

 

「うん、分かった。じゃ、僕は戻ってるから」

 

 

一夏は返事を返してからシャルロットにあることを言い、専用機持ちの面々で千冬について行った。そして、これから起こるであろうことを前に、一夏はピリピリとした空気の中で人知れずに笑っていた。

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