一夏、織斑捨てたってよ   作:ダメオ

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こっちの方は
とてつもなくお久し振りです

ネタはあるのに字に変換出来なくなり、
色々頭を抱えながらも
なんとかひり出しました

いつものように
チラ見してやって下さい


秋彦、己の剣を手にするってよ

時刻は深夜……IS学園一年寮。自室にいた秋彦はベッドに腰掛けて一人読書をしていた。

 

 

「……ん?」

 

 

机に置いてある秋彦の携帯が音を出さず、振動する。秋彦は本を置き、ベッドから降りて机の上の携帯を手に取る。

 

 

「メール……アドレスは誰にも教えてないのに?」

 

 

迷惑メールかと思った秋彦だったが、とりあえず読んでみる。メールの内容は実に単純。

 

 

【深夜2時、アリーナに来い】

 

 

この一言だけ。差出人も分からず、アドレスも見覚えがないもの。普通なら迷惑メールとして削除されるがオチだろう。

 

 

「(一夏の悪戯か?それとも、他の人物か……いや、どっちでもいいか)」

 

 

秋彦は時計を見る。現在時刻、深夜一時五十分。待ち合わせの時間まで間もなくだ。

 

 

「(それが僕の求める『闘争(ケイケン)』になるなら、僕は行くだけだ)」

 

 

秋彦は服を脱ぎ、ISスーツを着てその上に制服を纏い、部屋から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園のアリーナ。その扉に手をかける秋彦。この時間帯、鍵がかかって開かない扉はこの時だけ容易く開いた。

 

 

「……成程、もう待ってるってことか」

 

 

秋彦は一人呟き、真っ暗な廊下を歩き出す。先にある扉を開き、照明が点いていない暗いアリーナを歩き、フィールドの中心に立つ。

 

そこから離れた位置に、一人の人物が立っているのが見える。

 

 

「時間通りか……いやさすがだねぇ。秋彦君」

 

 

その人物は秋彦を見据え、ゆっくりと歩み寄る。やがて暗闇に慣れて良好となった秋彦の視界はその人物を完璧に捉えた。

 

 

「……デッドさん?」

 

 

そこにいたのはデッド・ウォルノックス。黒いロングコートを身に纏った仕事用の服装で秋彦の前に立った。

 

 

「そう!知っての通りデッド・ウォルノックスさんだ」

 

「色々と聞きたいことはありますが……何の目的があって僕を呼んだんですか?」

 

「それはねぇ……」

 

 

言葉の途中、デッドは左手をロングコートの懐に入れると、デッドから殺気が溢れ出す。秋彦はそれを感じると同時にその場に屈む。

 

その瞬間、ロングコートから抜かれた左手には身の丈程の大鎌が握られており、振り抜かれた大鎌が空気を斬る。 もし屈まなければ秋彦の首は宙を舞っていたことだろう。

 

 

「せぇいッ!」

 

 

秋彦は白式の右腕部と雪片弐型を展開し、立ち上がる勢いで斬り上げる。しかしデッドは顔色も表情も変えず地を蹴って後ろへと跳び跳ね、雪片弐型の刃先が届かぬ位置に間合を離した。

 

 

「何の真似だ……」

 

 

態勢を整えながら秋彦は冷静に問いかける。だが、心を許せる知り合いが自身に刃を向けていることに内心は穏やかではなかった。

 

 

「プレゼントだよ、プレゼント」

 

「……プレゼント?」

 

「そ!プレゼント!」

 

 

デッドがいつもの調子でそう言うと、突如空気が張り詰めた。

 

 

「ーーーキミが求める闘争を、オレが直々に提供してあげようと言っているんだ。さぁ、ISを展開しなさい。オレは本気出さないがキミがもし弱けりゃ……死ぬくらいに殺って殺るから」

 

 

デッドは普段の笑みを崩すことなく淡々と言う。秋彦は深く息を吐いてから制服を脱ぎ捨て、ISスーツのみとなってから白式を展開する。両の手で雪片弐型を握り、構えながらデッドを見据える秋彦は自然と滅多に浮かべない笑みを浮かべていた。

 

 

「……キミといっちゃん君ってやっぱ兄弟だよ。下手打てば死ぬってのに、ついつい笑っちゃう所とか」

 

「それはそうですよ……僕が求めていた闘争(ケイケン)を、貴方という男に提供して貰えるのだから。つい、頬も緩んでしまう」

 

「グッド!実にいいねぇ!キミ、闘争心に関してならいっちゃん君をも上回ってるよ!!」

 

「そうですか……なら、次は実力を上回ってやりますよ!!」

 

 

秋彦は瞬時加速でデッドに突撃し、雪片弐型を振るう。その我流ながら卓越した剣術は並の人間ならば圧倒するだろうが、デッドはそれを容易く避ける。その最中、デッドは右手をロングコートの懐に入れてそこから草刈り鎌サイズの小型鎌を一つ取り出す。

 

 

「その歳でその剣術は天才と呼ぶに相応しいねぇ!だが……足りない!まだ足りない!」

 

 

デッドはそう言い、後ろに跳んで間合を離しながら小型鎌を投げる。高速で回転、飛来する小型鎌。間合を詰めようと前進する秋彦は足を止めることなく身体を少しばかり横に反らして小型鎌を回避し、デッドの懐に入り込む。

 

 

「せぇいッ!!」

 

 

秋彦の振るう刃とデッドの右手刀がぶつかり合う。本来なら刃に斬られ、宙を舞うであろう素手で雪片弐型を受けたことに秋彦は内心驚いた。そして、デッド・ウォルノックスはその驚きの瞬間を見過ごさない。

 

右腕に力を込めて雪片弐型諸共秋彦を振り払い、左手の大鎌を前に突き出す。鎌の刃を秋彦の背後で横になるように持ち、大鎌を引く。

 

 

「ッ!!」

 

 

秋彦は咄嗟に雪片弐型を縦に構えながら振り向き、秋彦の身体を分断しようと迫る大鎌の刃を雪片弐型で受け止める。

 

 

「その選択は正解だっぜ!」

 

「があッ!?」

 

 

デッドはそう言い、左腕に力を込めて大鎌を横に振る。刃を止めた時点で動きを止めた秋彦は大鎌の長柄を脇腹に受ける。そこからデッドは振り返りながらその勢いで大鎌を更に振るい、秋彦はバットで打たれた野球ボールの如く吹き飛び、観客席へと叩きつけられた。シールドバリア、絶対防御、更に受けた位置には装甲がある。しかし秋彦はあまりの激痛に動けなかった。デッドは地を蹴って観客席まで跳び、秋彦を見下ろすように上段の席に座る。

 

 

「アバラがイカれるのはかなり痛いだろ?だが、まだ動ける。キミなら動ける。いっちゃん君が動けるんだからね」

 

 

デッドの言葉を聞いた瞬間、秋彦は雪片弐型を杖代わりにし、脂汗を流して片手で脇腹を押さえながらも、歯を食いしばって両足に力を込めてその場に立つ。

 

 

「ヒュー!さっすが!」

 

「一夏が動けるなら……!僕が動けない道理はないッ!!」

 

 

秋彦はデッドに向かって突撃し、雪片弐型を振り下ろす。デッドは座っていた状態から地を蹴り、秋彦を跳び越えてアリーナの上空へと跳んでいく。秋彦は椅子を真っ二つに両断してから振り返り、跳んだデッドの下へと飛翔して斬りかかる。

 

 

「甘い、甘いよ!」

 

 

しかし、脇腹に走る激痛で剣筋は鈍っている。その上相手はデッド・ウォルノックス。デッドは風に吹かれて舞う枯葉の如く身を翻し、刃を避ける。

 

 

「エネステェ!」

 

 

そこから秋彦の身体を足場代わりに蹴って跳び、天井に足を着き、逆さの状態で秋彦を見下ろしながら大鎌を天井に突き刺し、手を離す。

 

 

「お次はなかなか大変だよ?」

 

 

デッドは天井を蹴って瞬時に地へと降りるがすぐさま地を蹴って再び瞬時に移動する。それを絶え間無く繰り返し、アリーナの中を目視出来ない速度で縦横無尽に跳ぶ。

 

 

「(なんてスピードだ……!)

ーーーッ!?」

 

 

デッドの速度に圧倒されている秋彦の背後から、小型鎌が飛来する。秋彦は咄嗟に身を屈めてそれを避けると、次は上空から小型鎌が降ってきた。秋彦はそれを雪片弐型で弾きながら飛ぶが、高速で飛行する秋彦を囲むように小型鎌が全方位から飛来する。

 

 

「シィッ!!」

 

 

秋彦は地面に着地し、アリーナの壁を背にして飛来してくる小型鎌を弾き落としていく。下方と後方からの攻撃を封じ、小型鎌のダメージを最小限に抑える。デッドは縦横無尽の高速移動と小型鎌の投擲を止め、天井に刺した大鎌を左手に取ってから地面に着地する。絶対防御を貫いた小型鎌は白式の装甲を傷付け、生肌を切り裂いており、秋彦は満身創痍となっていた。

 

 

「ハァ……ハァ……ッ……!!」

 

 

秋彦は肩で息をし、脇腹を押さえながら片膝を着く。

 

 

「大分キテるみたいだねぇ!どうする?ギブアップする?」

 

 

デッドは笑みを崩さずに問いかける。秋彦は立ち上がろうとするが両足に力が入らず、その場に倒れてしまう。

 

 

「ンー……限界みたいだねぇ」

 

「……まだ、だ…………」

 

 

デッドの言葉に反応し、秋彦はゆっくりとだが、やっと立ち上がる。

 

 

「ワァーオ……根性あるねぇ。イヤ、ホントスゴいスゴい。その根性に免じて一つだけ言うこと聞きたくなるくらいに」

 

「なら……お願いが…………」

 

「えっ、マジで?……よし、聞こうじゃあないか!」

 

「僕を……もう一度、殴り飛ばしてください……」

 

「殴り飛ばすって……秋彦くん。もしやキミもMに目覚めた?」

 

「んな訳ないでしょうが……!只……もう少し、痛い目を見れば……何か、得られる気がして…………」

 

「なぁんだ……もし目覚めたら手取り足取り腰取り教えようと思ったのに。でも、そんなお願いでいいならやってやろうじゃん!」

 

「……ありがとう、ございます」

 

「んじゃ、御達者で」

 

 

互いに笑みを浮かべ、デッドは鎌の刃を真上に向けた状態で長柄を振り、秋彦を打つ。秋彦は再び観客席へと吹き飛び、叩きつけられると、そのまま意識を手放した。

 

 

「……さぁ、どうなることやら」

 

 

デッドはそう呟き、秋彦が吹き飛んだ方を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーー……ここは、どこだ?」

 

 

先程までアリーナで倒れていた秋彦は白式を纏わず、暮れの荒野に立っていた。

 

 

「……そして、お前は誰だ?」

 

 

秋彦はそう言いながら振り返る。そこにいたのは、一人の女性。長い黒髪を一つに束ね、一振りの日本刀を帯刀している。秋彦は女性から、自身の姉である千冬のような雰囲気を感じていた。

 

 

「ここは……強いて言うならば、並の者では立ち入れぬ場所。そして私の名は……『暮桜』だ」

 

 

目の前の女性の言葉に、秋彦は少し驚くがすぐに平静に戻る。

 

 

「暮桜……確か、千冬姉さんが現役だった頃の専用機」

 

「ああ。今は姿形やら、名が『白式』と変わってしまったが」

 

「そうか……所で、僕はなんでここに?」

 

「私の口から直々に問いたかったことがあるからだ」

 

「……なんだ?」

 

「何故、お前は力を求める?あの男に立ち向かって、満身創痍になってまで。何の為に力を求めているんだ?」

 

 

暮桜は秋彦に問いかける。秋彦はそれを聞かれ、直ぐ様口を開いた。

 

 

「僕が決めた道を真っ直ぐ歩く為。障害を斬り、試練を克服し、僕が目指す男に辿り着き、超える為。それが、僕が力を追求する理由だ」

 

 

秋彦は迷いなく答える。怨念、邪念を一切秘めず、愚直的な執念のみを秘めた眼で暮桜を見つめながら。それを聞いた暮桜は溜息を吐いてから優しげな笑みを浮かべる。

 

 

「やはりお前は変わらないな……良くも悪くも」

 

 

暮桜はそう言いながら歩み寄り、腰の日本刀を秋彦に差し出す。

 

 

「もう『彼女』と同じ力は必要あるまい。お前には、お前に相応しい力をやろう」

 

「……ありがとう、暮桜。いや……白式」

 

 

秋彦は微笑みながら礼を言い、白式となった彼女から日本刀を受け取り、抜刀する。

 

白銀の輝きを放つ刃が暮れの荒野の大地を照らす。その瞬間、秋彦の視界は徐々に白い光に覆われていく。

 

 

「さぁ……あの死神男に、目に物見せてやろう!」

 

「ああ……往こう!白式!」

 

 

秋彦の視界が完全に白に覆われた時、現実の世界にて白式が白銀の輝きを放った。

 

 

「……綺麗じゃないか、秋彦くん」

 

 

それを眺めるデッドが呟くと、光を纏った秋彦は観客席から飛び立ち、アリーナに着地。秋彦はゆっくりと目を開いた。満身創痍の身体でありながら、その眼からはとても手負いの者とは思えない程に落ち着きつつも闘志を燃やしていた。

 

目を開いてから数秒後に輝きが収まり、白式は新たな姿を見せた。

 

首から上以外の全てに展開された装甲、大型化した背中のスラスター。そして限りなく日本刀に近い形状をした白銀の長剣。秋彦は自身の身体を見てから剣を見つめる。

 

 

「『羅切(ラセツ)』……これが、僕の剣」

 

 

秋彦は新たな剣である羅切を両手で握り、構える。デッドも左手に持つ大鎌の長柄に右手を添え、構える。

 

 

「秋彦くん!ナリは立派になったようだが、出し惜しみしちゃあ勝てないよ?」

 

「分かってますよ……今から、お見せします」

 

 

秋彦がそう言うと、顔の下半分を覆う装甲が展開される。そして、全身の装甲から白銀の輝きが放たれる。

 

 

「これが僕の新たな力……

斬開武遥(ザンカイブヨウ)』!」

 

 

その瞬間、秋彦はデッドの視界から消える。デッドは一瞬目を見開いてから背後に鎌を振る。鎌の刃は背後に現れた秋彦の脇腹を捉えるが、急激な速度で一歩分背後へと飛ぶことで斬撃を避け、すかさず斬りかかってくる。デッドは長柄で刃を受け止め、秋彦と同時に力を込めて押し合う。

 

 

「コイツァ驚いた!それが零落白夜の後釜かい?まるで生身のいっちゃん君みたいだよ!」

 

「はい……白式が僕にくれた『僕だけ』の力です。一時的ですけど人を超え、ISを超え、貴方達の領域に踏み込めます」

 

「ヒュー!時間制限付きのパワーアップはロマンだよねぇ!」

 

 

デッドは笑顔でそのまま片手で大鎌を振り、秋彦を吹き飛ばす。秋彦は直ぐ様態勢を立て直し、自身の顔面の目前に飛来していた小型鎌を僅かに頭を反らして避ける。そして、目前に迫るデッド目掛けて羅切を振るうが長柄で受け止め、デッドが振るう大鎌の刃を羅切で受け止め、互いに激しい攻防を繰り返す。

 

 

「(時間が無いか……これで決めるッ!)」

 

 

秋彦は後方に下がり、中段の構えでデッドを見据える。デッドは笑みを浮かべたまま突撃する。

 

 

「シャラァッ!!」

 

 

デッドの振るう大鎌の刃を見切り、僅かに身体を反らして避けてから羅切を横薙ぎに振るい、胴を一閃してデッドの背後に立つ。

 

 

「でぇいッ!!」

 

 

そのまま振り返りながら上段に構え、背中を袈裟懸けに斬る。デッドのロングコートとYシャツは脇腹と背中を切り裂かれ、肌を露出していたが傷付けるには至らなかった。

 

 

「(これでも、傷付けられないのか……!)」

 

 

秋彦は目を見開き驚いていると、白式から白銀の輝きが失せ、展開されていたISが解除される。それと同時に秋彦の身体に凄まじい疲労感と激痛が走り、秋彦はその場に倒れる。

 

 

「いやぁいや、お見事だよ〜秋彦く〜ん!だが、オレのこの美肌なナイスバデーに傷付けられるかと言えば、そうじゃないだなぁコレが」

 

「そ……、そうですか……」

 

「だが、オレの仕事の服はこうしてビリビリに傷付いている。これって大したことだよ?このコート、ウチの特注の品で高周波ブレードでも斬れないんだから」

 

「……今は、そんな代物を斬れたことを、良しとします。でも、何れは……貴方の肌に、傷を付ける。そして……一夏を……僕の、手で…………」

 

 

秋彦は最後まで闘志を絶やすことなく意識を失った。デッドはそんな秋彦に微笑みながら大鎌をロングコートの内側へと仕舞い、秋彦を横抱きにしてその場から消えるように移動した。その際の秋彦の表情は、どこか満足げに見えた。




おまけ

「ーーーさて、使用者がいなくなったから俺達の仕事を始めようか」

「はい!」


秋彦とデッドがいなくなり、無人となった筈のアリーナ。しかし、彼等が戦っている時から、ピットには二人の人物がいた。

駁羅家の変態メカニックである碧埜禎影と、そのフェイバリットメイドである凰鈴音。二人はピットから出てアリーナに立つ。


「りんにゃん。今日はこの新発明品を使おうと思う。拍手してくれ」

「パチパチパチパチ」


口で言いながら拍手する鈴を見て無表情ながら満足げな禎影は手に持っていたアタッシュケースを床に置き、開く。すると、そこから一体、また一体と妙にメカメカしい人型ロボットが出てくる。鈴はそれを見て驚いていた。


「あんな小さいアタッシュケースからどれだけ出るんですか?」

「五百体程入れといたが、空きはまだまだ余裕がある。ちなみに名前は『ハーヴェーーー」

「ーーー丸パクリはダメです御主人様!!」


りんにゃんの叫びによって名前は伏せられた。その後、出てきたロボット達はオートでアリーナの掃除、及び修繕を開始する。禎影は手元のノートパソコンでそれら全てのロボットの状況を把握し、時にマニュアル操作に切り替えて操作する。その間りんにゃんはアリーナに散らばるデッドの無数の小型鎌を回収していた。やがて、アリーナが元通りになり、鈴は禎影の下に歩み寄る。


「新発明品、どうでした?」

「結果は上々だな。次からはコレを使おう。楽が出来る」

「というか、今までの後処理を全部一人でこなしてた御主人様が異常なだけですよ」

「慣れるとそうでもないがな。まあ良い。後は奴が来るのを待とう」

「ーーー奴ってダ〜レ?」


二人が会話している所に突如デッドが現れた。破れた服を持って上半身裸の状態で。


「お前だ。後処理は終わった。さぁ、代金を支払って貰おうか」

「……代金さぁ、尋稀持ちって出来ない?」

「これがファミリィの正式な仕事なら出来るんだが、お前の個人的都合だから無理だな」

「チェッ!分かったよ、払いますよ!」


デッドは少し拗ねたような顔をしてボロボロのロングコートに手を突っ込み、札束を取り出す。


「……丁度だな。有難う御座いました。今後もウチを御贔屓に」

「へぇいへいっと……」

「あの……コレ、集めておきました」


鈴は回収した小型鎌をデッドに渡す。デッドはそれを受け取り空中に投げ、ボロボロのロングコートを振って全て仕舞う。


「サンキュー!っと……キミがりんにゃん?」

「は、はい!」

「なぁるほぉどねぇ〜……ヨッシー!いいセンスだ」

「お前に言われるまでもない」


デッドと禎影は互いに微笑み合い、それからデッドはすかさず鈴に視線を戻す。


「所でさ、どうだった?久々に見れた昔の想い人がボロボロになったのは」

「昔の秋彦よりカッコよかったからいいわ。むしろ、アンタみたいな強い人が秋彦を気にかけてくれてるのはいいことだわ」

「まあに〜。ISって力があるこの御時世で、あれだけ力を求める子も今時珍しいしね。昔のいっちゃん君みたいでつい構ってあげたくなっちゃって!……あ、ちょいと待って?りんにゃんさぁ、なんでオレには敬語使わんの?電話で聞いたけど尋稀にはバリバリ敬語だったらしいのに」

「御主人様と駁羅さんに、『デッドはファミリィで二番目に強いけど変態だから扱い粗雑でOK』って言われて」

「コンチクショー!!りんにゃん!キミメイドなんでしょ!?なら敬語使ってくれよ!オレを御主人様と呼んでくれよ!『粗茶ですが……』って言いながら出来立ての熱々コーヒー顔面にぶっかけてくれよ!そして、あわよくば素足でオレの○○コ踏んでくだーーー」


デッドが絶好調モードに入っていると、途中で禎影の蹴りが顔に叩き込まれてデッドは黙るハメとなった。


「ウチの助手に淫らな行為は御遠慮願います。さぁ、帰るぞベルキャット」

「はぁーい」

「久々のヨッシーのキック……まことに御馳走様でした。んじゃ、またねぇ〜!」


禎影と鈴はその場を立ち去り、デッドもアリーナの扉にどこでも玄関を付け、アリーナから去っていった。
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